10月17日,MySQLはサブスクリプション(購読制)サービスおよび有償データベース「MySQL Enterprise」を発表した。(関連記事)。無償版は「Community Server」という名称になる。どう変わるのか。詳細を,MySQL副社長で日本法人社長のラリー・ステファニック氏に聞いた。
---MySQL Enterpriseが出たことで,何がどう変わるのか。
MySQLは有償のEnterpriseと無償のCommunity Serverに分かれる。MySQL EnterpriseはMySQL本体に,インストールと設定ウィザード,データベース・サーバー監視サービスなどが付属したもの。監視サービスでは,データベースのセキュリティ,パフォーマンスの監視がツールによって行われる。
MySQL Enterpriseは毎月のソフトウエア・アップデートと,四半期ごとのサービス・パックを提供する。Community Serverは年に2回バージョン・アップする。アップデートを計画的にして,運用管理者がスケジュールを立てやすくする。もちろん,セキュリティなど緊急のパッチはその都度提供する。
---ソースコードは分岐するのか。
現時点では同じだが、将来的には分ける。Enterprise Serverは安定性を重視し,Community Serverは先進性を重視するため,Community Serverにのみ機能を追加して実績を積む,といったことも計画している。
MySQL Enterpriseのバイナリは有償で,再配布はできない。ライセンスはGPLと商用ライセンスになる。
Community Serverはバイナリも無償で再配布できる。ライセンスはGPLになる。
MySQLはコミュニティとともに成長してきて,Web 2.0と呼ばれるサービスで多数使用されるようになった。今後もコミュニティとともに発展していきたい。
Community Server | Enterprise | |
---|---|---|
ソースコード | 共通(将来的に分岐),無償 | |
バイナリ | 無償,再配布可能 | 有償,再配布不可 |
ライセンス | GPL | GPLと商用のデュアル・ライセンス |
リリース間隔 | 年2回 | 月1回アップデート,四半期に1回サービス・パック |
価格 | 無償 | サーバー1台あたり年間595~4995ドル |