シャープは2024年12月20日、液晶パネルを生産していた堺工場(堺市)の土地や施設の一部をソフトバンクに約1000億円で売却すると発表した。敷地面積全体の約6割に当たる約45万平方メートルの土地、延べ床面積約84万平方メートルの建物、電源設備、冷却設備などを売却する。ソフトバンクは売却された土地に大規模なAI(人工知能)データセンターを構築する。
ソフトバンクは買い取り手続きが終わり次第データセンターの建設に着工し、2026年の稼働開始を目指す。稼働当初の受電容量は150MW(メガワット)規模で、将来的には250MWまで引き上げる予定。買い取りに当たっては、4年をめどに250MW超の電力供給を得られることを条件とした。
シャープとソフトバンクは2024年6月7日、堺工場跡地を活用したAIデータセンターの構築について基本合意書を締結していた。ソフトバンクは堺工場の土地や建物、電源設備、冷却設備などを譲り受けることで、データセンターの早期構築を図るとしていた。6月の発表時点では2024年秋ごろに着工、2025年中の本格稼働を目指す計画で、受電容量は将来的に400MWに引き上げる予定としていた。
シャープはKDDIともAIデータセンターの構築で協業を進めてきた。2024年12月9日には堺工場跡地にAIデータセンターを構築し、早期に稼働させることで基本合意書を締結したばかりだった。KDDIは「今後の計画への影響などは特にない」(広報)とコメントした。