インテックがホログラム技術を使ったAI(人工知能)アバター行員による接客の実証実験を開始した。山形銀行山辺支店に米国スタートアップのPROTO(プロト)が提供するAI搭載の専用機器を設置。同機器を利用して、AIアバターによる接客がユーザーの興味・関心を引くかなど、接客ソリューションの事業性を検証する。実証期間は2024年12月9日から2025年2月28日まで。
実証に用いる専用機器は、PROTOが提供するタッチパネル操作などが可能な卓上型のホログラフィック通信機器「M」である。ホログラフィック通信とは3次元の映像を記録及び再生する技術で、映像でありながら臨場感を得られるといった特徴を備える。Mはゴーグルやヘッドセットなしで映像をホログラム風に立体視でき、実証ではAIアバター行員を同機器で投影して接客を行う。AIアバター行員は、モデルとなる行員が話している動画データを学習させて生成したという。
AIアバター行員は、音声と映像でNISA(少額投資非課税制度)やWeb完結型ローンなどの商品情報を提供するほか、該当する情報が掲載されたWebページのQRコードを表示して手続き方法の案内なども実施する。インテックは実証時のタッチパネル操作履歴から顧客の利用状況を分析し、興味・関心の度合いや今後の営業施策への適用可能性を検証する。
インテックは金融機関でホログラム技術を使った接客の実証を実施するのは国内初の取り組みだという。今後インテックは、顧客の属性や状況をカメラ映像からAIで判断し、AIアバターからの問いかけや対話に反映するといった実証を予定している。