日本のIT化を推進する情報処理推進機構(IPA)が2023年3月、Webサイトを刷新した。しかし直後から「必要な情報が見られない」といった批判がSNSなどで殺到。WebサイトのURLを変更した上にリダイレクトも設定していなかったことが原因だ。利用者がどうサイトを使っているかを理解せず、プロジェクト中に複数の判断ミスを重ねた。半月後には使い勝手を改善させたものの、IPAのずさんな刷新計画は、IT関係者に衝撃を与えた。
以前からブックマークしていた情報処理推進機構(IPA)のWebサイトにアクセスすると、「404 Not Found」が表示される――。
IPAがWebサイトを刷新した2023年3月31日以降、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、このような投稿が相次いだ。「404 Not Found」とは、Webサイトが既に存在しないことを示すステータスメッセージのことである。
IPAは同日に「IPAは、ユーザーの皆様にIPAウェブサイトをより快適にご利用いただけるよう、ウェブサイトのリニューアルを行いました」と公表していた。IPAにとっては予定通りのWebサイト刷新だったわけだ。
ところが「リンクが切れていて、必要な情報が見られなくなっている」「URLが変わったのにリダイレクトも設定されていない」など、刷新直後からSNSには批判の声が相次いだ。
これを受け、IPAは4月3日に「IPAウェブサイトリニューアルに係るおわびと対応について」と題する文章をWebサイトに掲載。「IPAウェブサイトリニューアルによるリンク切れや不具合について、ご不便をおかけしまして大変申し訳ありません」と謝罪した。
IPAの守谷学戦略企画部長は「情報処理を推進する立場の我々が、このような事態に陥ってしまい本当に申し訳ない。IPAの根幹にかかわることだと認識している」と話す。