全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は2023年10月10日午前、銀行間送金を担う「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」で他行宛ての振り込みができないトラブルが発生したと発表した。計画停止を除き、全銀システムで顧客に影響が出るシステム障害が発生したのは、1973年の稼働以来、初めて。2027年の稼働を見込む次期全銀システムの開発にも影響を与えそうだ。
今回のシステム障害は、全銀システムと各金融機関のシステムをつなぐ中継コンピューター(RC)の更改に起因して発生した。具体的には、2023年10月7日~9日の3連休中に、三菱UFJ銀行やりそな銀行など11の金融機関で旧システムの「RC17シリーズ」を新システムの「RC23シリーズ」へ切り替えたが、そこで不具合が発生したという。
全銀ネットによると、2023年10月10日午後2時30分時点で、復旧の見通しは立っていない。