mamekoが出会った 世界の食べもの

世界の料理やお菓子など、おいしいものを綴っていきます

アイラグ@ブルド

「アイラグ」は、馬乳を発酵させてつくる、モンゴルのお酒。
日本では「馬乳酒」と呼ばれます。

「酒」とついているものの、アルコール度数は1~2%とかなり低め。
ビタミンCやミネラル、乳酸菌などを含むため、モンゴルでは健康飲料的な
位置づけで、赤ちゃんからお年寄りまで広く飲用されています。

馬から搾乳できるのは、出産を終えた初夏から9月頃までのわずかな期間。
そのため、馬乳酒づくりも季節限定です。

昨夏のモンゴル旅行中、遊牧民のゲルに宿泊した際、馬の搾乳を見学しました。

まずは仔馬を母馬のところへ連れて行き、乳を飲ませます。

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少し飲んだらすかさず仔馬を離し、搾乳開始。
ご夫婦の連係プレイです。

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一度に絞れる量は200mlほど。
朝8時頃から始めて、1日5回搾乳するそうです。

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絞った馬乳にスターターとして古いアイラグを混ぜ、数千~数万回撹拌。
数日置いて発酵が進めば完成です。


既に出来上がっていたものを飲ませていただきました。
ヤカンに入っているところが、いかにも自家製(笑)。

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鼻を近づけると、若干ケモノっぽい野性味のある香り。。。
飲んでみると、マッコリのようなシュワシュワ感と強めの酸味があり、
甘くないカルピスソーダという感じ。

アルコール感はほとんどなく、健康に良さそうな味です。

ニオイを克服できれば、ゴクゴク飲めそうだと思いました。


プーティン@新宿三丁目

「プーティン(プティン)」は、フライドポテトにチーズカードをのせ、
グレイビーソースをかけた、カナダのB級グルメ。

チーズカードとは牛乳を酵素で固めたもので、ここから水分を抜いて
熟成させるとナチュラルチーズができる、言わば”チーズのもと”です。

プーティンが生まれたのは、1950年代、東部・ケベック州のレストラン。
お客さんのリクエストに応じて作ったのが始まりだと言われています。

プーティンという名前については、

同州の公用語であるフランス語で
「ごちゃまぜ」や「雑多なもの」を意味する「プーティン」や
「寄せ集め」という意味の「プティテ」に由来する、とか

英語の「プディング」が語源、

など諸説あります。

新宿三丁目の「テイスト・ザ・ワールド」で、
「プーティン」を含む「カナダの朝ごはん」をいただきました。

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手前にあるのがプーティン。
こちらでは、フライドポテトにチーズカードとポーチドエッグをのせ、
オランデーズソースをかけています。

ポテトは熱々でクリスピー。
オランデーズソースのまろやかな酸味とよく合います。
ポーチドエッグを割って、ポテトに卵黄をからませても美味。
オランデーズソースとポーチドエッグのコンビは、エッグベネディクト
思い出させます。

点在する白い四角のかたまりがチーズカード。
ミルキーで、モッツァレラチーズのような、さけるチーズのような、
シコシコした噛み応えです。

プーティンの左上は、「ブルーベリーパンケーキ」。
大粒のブルーベリーがゴロゴロ入った生地を焼き、
ブルーベリーソースをかけています。
生地はふんわり、ブルーベリーはフルーティーで、とても好み。

その右は、「ピーミールベーコン」とローストトマト。
ピーミールベーコンは、豚ロースを燻製してコーンミールをまぶしたもの。
厚さ5mmくらいにスライスし、カリカリに焼いてあります。
脂身がなく、ベーコンよりあっさりした味わい。
噛んでいるうちに肉の繊維がほぐれ、旨味があふれ出します。

オランデーズソースとフライドポテトの組み合わせもGoodですが、
グレイビーソースをかけたプーティンも食べてみたいと思いました。


チフリホ@市ヶ谷

コスタリカは、北はニカラグア、南東はパナマと国境を接し、
太平洋とカリブ海に面する、中央アメリカの国。

四国と九州を合わせたほどの国土に、福岡県の人口と同じくらいの人々が
暮らしています。

小さい国ながら、国土の約4分の1が国立公園や保護区に指定されるほど
自然が豊か。
また、軍隊を持たない非武装中立国であることから、「中米のスイス」と
呼ばれています。

コスタリカの料理は、先住民の食文化に、スペイン人が持ち込んだ食材や
調理法を組み合わせたものが多いそう。
主食はお米、豆、とうもろこしで、魚よりは肉料理が好まれるようです。


「チフリホ」は、ごはんの上に、
  • 豆の煮込み「フリホーレス」
  • 豚皮または豚バラ肉をカリカリに揚げた「チチャロン」
  • サイコロ状に切った玉ねぎとトマト、唐辛子、コリアンダーなどを
    ライムジュースで和えたソース「チミチュリ」
  • トルティージャ・チップス
をのせた料理で、いわばコスタリカの豚丼。

チフリホの名は、チャロン+フリホーレスから付けられました。

1990年代に、首都サンホセにあるバーのオーナーが考案。
現在では、コスタリカのバーの定番料理になっているそうです。

国際協力機構・JICA(ジャイカ)の施設内にある「J's Cafe」でいただきました。

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長粒米のごはんの上に、
キドニービーンズと薄切りの豚肉、にんじん、パプリカ、ピーマン、
玉ねぎなどを煮込んだ「フリホーレス」をかけ、
トマト、紫玉ねぎ、アボカドをレモン汁で和えた「チミチュリ」と
コリアンダーをトッピング。
周りにはチチャロンとトルティージャ・チップスが添えられています。

フリホーレスは塩味で、じっくり煮込んだ豆がホックホク。
チミチュリは、レモン汁の酸味がさわやかです。

チチャロンは、メキシコで食べた豚皮タイプをイメージしていましたが、
こちらのものは豚バラタイプ。
カラカラに揚げてあるものの、豚皮タイプの軽さやサクサク感はなく、
肉の繊維がみっちり詰まっていて、ビーフジャーキーを思わせる硬さです。
豚だけど。

トルティージャ・チップスをスプーンで砕き、全体をミックスすると、
いろいろな食感と味わいが混ざってとても美味。
ただし、チチャロンは硬くてアゴが疲れました;


小豆雑煮@日比谷

昨年に続き、今年も新年早々

☆彡お雑煮スタンプラリー☆彡

に参戦!

今年のスタンプラリーは、香川愛媛岡山鳥取奈良の5県に加えて
新たに島根が仲間入りしました。

島根県には、地域ごとに多様なお雑煮があるそう。
例えば

甘く煮た小豆に丸餅を入れた「小豆雑煮」。

すまし汁に、地元産の高級岩海苔「十六島海苔(うっぷるいのり)」と
丸餅を入れた「岩海苔雑煮(すまし雑煮)」。

醤油仕立てのつゆに丸餅を入れ、錦糸卵、かまぼこ、セリまたは三つ葉、
かつお節、海苔の五つの具材をのせた「五色雑煮」。

干し鮎で出汁をとったつゆに、丸餅、青菜、かまぼこなどを入れ、
出汁をとった後の鮎をのせた「鮎雑煮」。

などなど。

「日比谷しまね館」では、小豆雑煮を提供していました。

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小豆汁の中に、紅白の丸餅がひとつずつ。
お餅は小さめで、白玉のような見た目です。


汁は雑味のないすっきりした甘さ。
あずきはふっくらツヤツヤ。

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このお雑煮は、旧暦10月に行われる神在祭(かみありさい)では、
「神在(じんざい)餅」としてふるまわれるそう。
これが「ぜんざい」の語源になったとも言われています。

同じ小豆雑煮でも、お隣鳥取県のものとは異なる見た目&味わい。
それぞれに美味しく、お雑煮の奥深さを改めて実感しました。


鶏肉のチリンドロン@錦糸町

「チリンドロン」は、肉と玉ねぎ、トマト、ピーマンなどを煮込んだ、
スペイン北東部・アラゴン地方の郷土料理。

肉は鶏や羊を使うのが一般的で、ウサギや豚を使うこともあります。

チリンドロンの名は、アラゴン地方の食堂や居酒屋で親しまれていた
同名のトランプゲームにちなんでいるそう。
由来については諸説あり、

チリンドロンゲームの勝者が食事代を払う決まりがあり、
この時に提供されていた煮込み料理にゲームの名をつけた

とか、

玉ねぎ、トマト、ピーマンの3つの材料が欠かせない煮込み料理を、
ジャック、ナイト、キングの3種のカードの組み合わせで勝利が決まる
チリンドロンゲームになぞらえた

などと言われています。

錦糸町の「バル ポルテーニョ」で、鶏肉を使ったチリンドロンをいただきました。

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手羽元と玉ねぎ、トマト、パプリカ、マッシュルーム、オリーブを煮込んでいます。

ソースたっぷりで、シチューのよう。
汁好き的には大歓迎です♪

ソースは、最初トマトの甘味が広がり
その後唐辛子の辛味が追いかけてくる感じ。
濃厚で身体が温まります。

手羽元は骨からの身離れがよく、ホロホロ食感。
野菜にも鶏の旨味が浸み込んでいます。

パンと一緒にいただきましたが、パスタにも合いそうだと思いました。