mamekoが出会った 世界の食べもの

世界の料理やお菓子など、おいしいものを綴っていきます
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テントゥク@曙橋

中国の自治区のひとつである「チベット自治区」は、かつて独立国であり、広い領土を持っていました。

もともとのチベットは「ウー・ツァン」「カム」「アムド」の3つの地域から成り、

  • ウー・ツァン=現在のチベット自治区
  • カム=同、チベット自治区・青海省・四川省・雲南省の一部
  • アムド=同、青海省のほぼ全域と、四川省・甘粛省の一部

にまたがっています。

3つの面積をあわせると、チベット自治区の倍以上。
ここには今もチベット族が多く居住し、3地域をまとめて「大チベット」と呼ぶこともあります。


「テントゥク」は、アムド地方発祥と言われるチベットの伝統料理。

テン=引っ張る、トゥク=麺料理という意味の「トゥクパ」に由来し、その名の通り、小麦粉を練った生地をスープにちぎり入れ、肉や野菜とともに煮込んだすいとんのような料理です。

現在は大チベットの他、ネパールやインド北部、ブータンなど、チベット族が暮らす地域で食されているそうです。

東京・曙橋の「タシデレ」でいただきました。

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トマトベースのスープに、すいとん、豚肉、大根、にんじん、ほうれん草が入っています。

スープは、トマトと豚肉の旨味が溶け出した穏やかな味。
よく煮込まれた具材にも、スープがしっかり染み込んでいます。

こちらがすいとん。

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平べったくて、ほうとうを短くちぎった感じです。
つるんとなめらか&噛むともっちり。

具だくさんで食べ応えがあり、スープも残さずいただいたので、お腹がたぷたぷになりました。


ピンシャ@曙橋

「ピンシャ」は、肉と春雨、ジャガイモ、きくらげなどを煮込んだ、チベットのスープ。

チベット語で、ピン=春雨、シャ=肉という意味です。

チベットの料理はインドや中国の影響を受けていると言われますが、春雨を使うピンシャはまさに中国料理的。
春雨はスープだけでなく、炒め物やサラダなどにも使われます。

ピンシャの「肉」は、高地で生息するウシ科の長毛種「ヤク」や羊、ヤギなどが一般的。
ヤクはチベットの人々にとって欠かせない家畜で、

肉やミルクを飲食し
毛はテントや毛織物に
皮はなめして服やカバンに
骨はブレスレットなど装飾品に
糞は乾燥させて燃料に

と、余すところなく使われるそうです。

東京・曙橋の「タシデレ」でいただきました。

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手前がピンシャ。
奥は餃子「モモ」と蒸しパン「ティンモ」、ライスです。

こちらのピンシャは、豚肉を使用。
なみなみよそわれたスープの中に、角切りの豚肉、春雨、ジャガイモが入っています。

スープはほどよい塩味で、がっつりニンニクが効いています。
もちもちのティンモを浸して食べると、とても美味♪

じっくり煮込んだジャガイモは、煮崩れそうにホクホク。
春雨はつるんつるんで、うまく持ち上げられません;

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ジャガイモがたっぷり入った塩味のスープは、アイルランドの「ダブリン・コードル」に、ニンニクでパンチを効かせた感じだと思いました。


バター茶@曙橋

モモ&ティンモに続いてラプシャに舌つづみを打ち、「チベット料理って、口に合うなあ」と思っていた私。

食後に、チベットの代表的な飲みもの「バター茶」をいただくことにしました。

バター茶は、チベット族やモンゴル族などアジアの遊牧民族の間で親しまれる飲みもの。
発酵させた茶葉を煮出し、ヤクや羊の乳で作ったバターと塩を混ぜたものです。

気温が低く乾燥した環境で失われがちな水分や、脂肪分、塩分などを効率的に摂取でき、暖もとれることから、チベットの人々は1日に50~100杯近くも飲むとか。

どんな味か想像もつかず、興味津々です。


バター茶が運ばれてきました。

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見た目はミルクティー風。バターの香りがします。

飲んでみると…
しょっぱい。
そして油っぽい。

「お茶だと思うから違和感があるんだ。スープだと思おう」としましたが、脳がどうしても受け入れてくれません。

現地では塩味のまま飲むそうですが、「甘くしたら飲みやすくなるかも?」と思い、砂糖を入れてみました。

…油っぽさはそのままに、甘じょっぱいミルクティーができました…


味そのものは、嫌いではないです。
が、油っぽさがハンパない(笑)。
屈強な胃腸が自慢の私ですが、胸やけしました;
温暖な東京で飲むには、パンチがありすぎたのかもしれません。

お料理は気に入ったので、またうかがいたいと思います!


ラプシャ@曙橋

引き続き、チベット料理です。

チベット料理には、時間をかけて煮込んだスープやシチューが多いそう。
貴重な食材の栄養や旨味を、余すところなく摂るための知恵かもしれません。

曙橋のタシデレでいただいた、具沢山スープ「ラプシャ」。

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スープはほんのりカレー風味。辛さはほとんどありません。
具は、鶏肉、大根、ニンジン、小松菜、ネギなど。
どれもやわらかく煮込まれており、素材の味が生きたやさしい味です。

味付けは違いますが、けんちん汁や豚汁を思い出しました。



モモ&ティンモ@曙橋

チベット料理は、チベット高原を中心に、ネパールやインド北部、ブータンなど、チベット系住民が多く住む国や地域で食べられている料理。

チベットは標高が高く手に入る食材が限られているため、料理や味付けのバリエーションは少ないものの、素朴でやさしい味のものが多いそうです。

ネパール料理として知られる蒸し餃子「モモ」は、実はチベット発祥。
東京で唯一のチベット料理店、曙橋の「タシデレ」でいただきました。

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奥がモモ。手前は「ティンモ」という蒸しパンです。

モモは、牛ひき肉と野菜の餡を、手作りの皮で包んで蒸しています。
見た目も、肉汁があふれ出るところも、小籠包そっくり。
皮は小籠包より厚く硬めで、食べ応えがあります。

ティンモは、中華料理の花巻に似た、餡の入っていない蒸しパン。
ふかふか&モチモチで、そのまま食べるもよし、スープなどに浸して食べるもよし。どんな料理にも合いそうです。

モモを食べながら、次のお料理を待ちます。