mamekoが出会った 世界の食べもの

世界の料理やお菓子など、おいしいものを綴っていきます
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ポロタ@神保町

「ポロタ(パロタ、パラタ)」は、インド亜大陸で食されている薄焼きパン。

小麦粉や全粒粉でつくった生地に油を塗って折り畳み、薄くのばして焼いたものです。

生地が層状に重なり、パイにようになるのが特徴。
フィリングを包むこともあり、

マッシュポテト入りのアルー・ポロタ
キーマカレーを包んだキーマ・ポロタ
カリフラワーを使ったゴビ・ポロタ

など、さまざまな種類があります。

フィリング無しのシンプルなポロタは、ボッタ(ボルタ)やバジ
トルカリ(カレー)などとともに食すことが多いそう。

神保町の「トルカリ」で、ポロタとおかずがセットになった「ゴローム・ゴローム・ナスタ」をいただきました。

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「ゴローム・ゴローム・ナスタ」とは、「温かい朝食」という意味。

焼きたてのポロタ2枚と、
骨付きマトンと豆のカレー「マトン・チョナ・トルカリ」
豆のスープ「ダール・スープ」
サラダ、デザート
がセットになっています。


ポロタは直径25cm、厚さ2mmほど。
外観はロティに似ていますが、持つとしなやかで、中は層になっています。

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ほんのり甘味があって、クレープを野性的にした感じ。

ポロタをちぎって
豆がたっぷり入ったとろみのあるトルカリをすくったり、
ダールスープに浸したり。

薄くてやわらかいので、ナンやロティよりも汁気になじみます。

「冷めると硬くなるから、熱いうちに食べて」とお店の方に言われ、
ガツガツと完食しました(笑)。


ブナ・キチュリ@神保町

お米と豆をスパイスとともに煮込んだ「キチュリ」は、
インドやバングラデシュなどインド亜大陸で親しまれている米料理。

水分が少ない炊き込みご飯タイプの「ブナ・キチュリ」と、
おじやのような「パトラ(パインナまたはノロムとも)・キチュリ」があります。

バングラデシュでは「キチュリ=雨の日の料理」と言われているそう。
理由については諸説あり、

雨が降ると道路がぬかるんで買い物に出かけられないが、
キチュリは家にある材料だけでつくれるから
とか
雨が降る寒い日にキチュリを食べると、身体が温まるから
などと言われています。

神保町の「トルカリ」でいただきました。

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手前にあるのがブナ・キチュリ。
バスマティライスとレンズ豆の炊き込みご飯です。

バスマティライスにクミンやターメリックがまぶしてある感じで、
ものすごくエアリー&パラパラ食感。
辛さはあまりなく、ドライカレーに似ています。

他の料理は、ブナ・キチュリから反時計回りに
・豆のスープ「ダール・スープ」
・チキンカレー「ムルガ・トルカリ」
・デザート
・サラダ
・豆の粉でできたおせんべい「パパド」

あっさり味のブナ・キチュリに、ダール・スープやムルガ・トルカリをかけると、美味しさが倍増します。

最後に口にしたデザートが、これまた旨い!
お店の方に尋ねたところ、牛乳に極細パスタとレーズン、砂糖を入れて煮込んだ「シェマイ」というスイーツとのこと。
バングラデシュではお祝いの席で食されるそうです。
コンデンスミルクのような味わいととろみ、パスタのつぶつぶ食感がツボでした。


モロゴ・ポラオ@新大久保

「ポラオ(プラオ、ポラウ)」は、インドやバングラデシュで食されている炊き込みご飯。
ピラフのルーツとも言われます。

バングラデシュではお祝いの席に欠かせない料理で、「チニグラ米(別名カリジラ米)」というお米を使うことが多いそう。
チニグラ米はバングラデシュ特有のお米で、日本のお米よりも粒が小さく、「世界で最もよい香りの米」といわれる高級米です。

チニグラ米を、ギー(バターオイル)で炒めた玉ねぎやニンニク、カルダモンやシナモンなどのスパイスとともに炊き上げ。
肉料理やカレーを添えて食します。

ビリヤニと似ていますが、
  • ビリヤニはお米をゆでてから炊くのに対して、ポラオは生米から調理
  • ビリヤニと比べて、ポラオはスパイスが控えめ
という違いがあるそうです。

新大久保の「サルシーナハラルフーズ」で、煮込んだ鶏肉をのせた「モロゴ・ポラオ」をいただきました。

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モロゴ=鶏肉の意。
チニグラ米のポラオの上に骨付きモロゴとゆで卵をのせ、
シチューのような・カレーのようなものをかけています。

チニグラ米は、日本のお米の3分の2くらいの大きさ。
粘り気は無くパラッとしています。
スパイシーですが辛さはなく、炒めた玉ねぎとレーズン由来のほんのりとした甘味があります。

モロゴは骨からの身離れがよく、やわらか。
シチュー状のものは、ココナッツミルクを使っているのでしょうか?
タイカレーから辛さを抜いた感じで、マイルドな味わいです。

こちらのお店では、モロゴ・ポラオはたまにしか登場しないメニューらしく、お客さんが次々に注文。
あっという間に品切れになるほど大人気でした。


ルイのバジ@新大久保

バングラデシュ人は「米と魚でできている」と言われるほど、お米と魚をよく食べます。

魚は川魚が中心で、
  • バングラデシュの国魚である、ニシン科のイリッシュ
  • コイ科のルイやカトラ
  • ナマズ科のマグールやボアル
などがポピュラー。

調理法は
スパイスと煮込んでカレーに
お米と炊いてビリヤニに
マスタードオイルを使ってバジ(揚げ物や炒め物)
することが多いようです。

ニシンやコイは小さな骨が多くて食べにくいイメージがありますが、
バングラデシュは手食であるため、指先できれいに小骨を取り除いて食すとか。

新大久保の「サルシーナハラルフーズ」で、「ルイのバジ」をいただきました。

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筒切りにしたルイをマスタードオイルで揚げたバジに、
玉ねぎと青菜、青唐辛子などを炒めた野菜のバジがのっています。


野菜を除けると、ルイの姿が露わに。
ブーメラン並みの大きさです。

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ルイは白身であっさり。
少し土っぽいニオイを感じるものの、スパイスがうまくマスキングしており
それほど気になりません。
辛さはなく、ムニエルをスパイシーにした感じです。

ただ・・・味はよいのですが、小骨がすごい!
ルイ=コイ科を実感する小骨の多さで、どんなに小さなひと口でも必ず骨があります。

フォーク&スプーンでは太刀打ちできず、自然と手食に。

すると・・・
指先の感覚ってすごい!
漏らさず小骨をつまみ出せます。
手食バンザイ!

野菜のバジは、レモングラスのようなさわやかな香り。
骨を取り除いたルイと合わせると、ごはんが進みました。


ボッタとバジ@浅草橋

バングラデシュは、「ベンガル人の国」という意味。
インド洋ベンガル湾に面した同国は、国境のほとんどをインドに囲まれ、南東部のみミャンマーと接しています。

ガンジス川(パドマ川)、ブラマプトラ川(ジャムナ川)、メグナ川という3つの大河と無数の支流が国土を潤す「川の国」で、豊かな土壌を活かした稲作が盛ん。
一人当たりのお米の消費量は、世界一を誇ります。

また、川魚をよく食べることから、「ベンガル人は米と魚でできている」と言われているそうです。


バングラデシュの家庭料理は、ご飯を主食に副食(おかずやスープ)を摂るのが一般的。

  • 魚や肉を煮込んだ汁気のあるカレー「ジョール」
  • 肉とスパイスを炒めた汁気の少ないカレー「ブナ」
  • 野菜などをマッシュし、マスタードオイルと混ぜた「ボッタ(ボルタ)」
  • 炒め物や揚げ物「バジ」

などの副食がポピュラーです。

浅草橋の「美味キッチン」で、ボッタとバジの盛り合わせプレートをいただきました。

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ご飯に乗っている右上のおかずから時計回りに、

■シム・ボッタ
マッシュした干し魚と豆に、マスタードオイルを混ぜています。
初めて口にするマスタードオイルは、辛さも香りも刺激的。

■ディム・ボッタ
刻んだゆで卵とスライスオニオンを、マスタードオイルで和えています。
これも辛い!
辛子を効かせたタルタルソースのようです。

■グリーン・チャトニ
コリアンダーをペースト状にしたもの。
ヨーグルトが入っているのか?少し酸味があってさわやかな味です。
他のおかずと混ぜて味変に使用。

■ショブ―ジ・バジ
じゃがいも、にんじん、キャベツを、くたくたに炒めています。
スパイスが効いており、少し辛め。

■チキン・ロースト
骨付きチキンの入ったカレー(汁気が多いので「ジョール」?)。
カルダモンの風味が強く、辛さは控えめです。

どれもしっかりした味付けで、ご飯が進む味。
「米消費量世界一」になるのもうなずけました。