2024-01-01から1年間の記事一覧

『日経サイエンス 2025年1月特大号』

英キュー王立植物園で描く 植物の美と科学 山中麻須美 ノーベル賞で注目 ノンコーディングRNAが拓く新たな生命観 P. ボール 狩りをする女たち 最新科学が覆す「男は狩猟,女は採集」 C. オコボック/ S. レイシー Science in Images 毛虫の電気感覚 SCOPE 動…

アーカイブ騎士団『明治スチームパンク小説集』『写真SF小説集』(文学フリマ東京39)

久しぶりの文フリで、アーカイブ騎士団も久しぶり 最近のは、kindle版とかで読んでいたはずなので、イベント行って紙の冊子を手に取るのはさらに久しぶり。 (002『忍者小説集』と003『メタバシスによる星間周遊』も読んでるはずだが、ブログ上に感想が残っ…

『文フリと批評』(文学フリマ東京39)

2024年12月1日に開催された、文学フリマ東京39に行ってきた。 文学フリマ初のビッグサイト開催であるが、それを理由に行ったわけではない。 ここ数年文フリからはご無沙汰で、今回も当初は行く予定がなかった。TLから、近く文フリがあるのだなあとは思ったが…

Newton2025年1月号

SFは実現可能か? 摩訶不思議な物質変化の世界 感動する化学 「時間心理学」入門 子供と大人で時間の流れ方がちがうのはなぜ? 「超伝導」の世紀 電気抵抗がなくなる物理現象が社会を変える日 能登半島は今 600万年つづく隆起が 地形を変えつづけている AIを…

『宇宙・動物・資本主義 ――稲葉振一郎対話集』

久しぶりに稲葉振一郎を読んだ気がする。宇宙倫理学関係は2010年代後半にちょいちょい読んでいたし、ブログとかSNSとかは見ているので、全くの久しぶりというわけでもないのだけど 対談集なので、気楽な感じで読んだが内容は濃いし、タイトルが象徴的だが、…

『KCIA 南山の部長たち』

韓国の戒厳令をうけて『ソウルの春』とか見てみようかなと思ってたら、「ソウルの春」がもっと面白くなる!韓国現代史の名作映画まとめ - ハナ韓まとめという記事を見かけて、見ることにした。 この後、『ソウルの春』『タクシー運転手』も見たい。 朴正熙大…

宮本直美『ミュージカルの歴史』

ミュージカルの歴史について、音楽社会学の観点から、つまり、興行的側面や音楽産業、当時のテクノロジーとの関わりから見ていく本だが、サブタイトルに「なぜ突然歌いだすのか」とあり、これはミュージカルという形式が、歌と台詞・音楽と物語をどのように…

ブライアン・オールディス『地球の長い午後』(伊藤典夫・訳)

はるか未来、地球は植物が支配する世界となっており、人類は文明を失い、森の片隅でひっそりと暮らす存在になっていた。自グループから追放されてしまったグレンは、他の地域の見知らぬ動植物や人々を見て回ることになる。 今まで読んだオールディス作品は、…

『日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽』(伴名練編)

『SFマガジン2024年12月号』 - logical cypher scape2で言及されていたので。 このシリーズは、以前、『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』(伴名練編) - logical cypher scape2を読んだことがある。 あと、新城カズマを積んでる。積んでるっていうか…

小草泰・新川拓哉「意識をめぐる新たな生物学的自然主義の可能性」

田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』 - logical cypher scape2のあとがきで紹介されていた論文 意識をめぐる新たな生物学的自然主義の可能性 ギンズバーグ&ヤブロンカ、ファインバーグ&マラットについてのサーベイ論文 それぞれの問題点と…

春暮康一「滅亡に至る病」

文庫版『オーラリメイカー(完全版)』の書き下ろし 「オーラリメイカー」と「虹色の蛇」も加筆されているようなので、それらを読んだうえでまとめて記事にした方がいいかなとも思うのだけど、とりあえず先にこれだけ読んでしまったので。 春暮康一『オーラ…

田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』

意識について、進化論的なアプローチにより解明するには、目的論を導入する必要があるという本 自然主義だけれども、機能主義ではないこと、あるいは、進化論的なアプローチだけれども、意識を適応の産物と捉えないことが、面白いと思う。 他の意識理論との…

春暮康一『一億年のテレスコープ』

長大なVLBI(超長基線電波干渉計)計画が、異星文明との接触につながり、さらにこの宇宙における知的種族の運命についての物語となっていく。 春暮康一『オーラリメイカー』 - logical cypher scape2や春暮康一『法治の獣』 - logical cypher scape2の作者に…

Thomas Leddy"Aesthetization, Artification, and Aquariums"

動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtungで紹介されていた動物の美学の論文 タイトルは「美学化、芸術化、水族館」か 二部構成になっていて、第一部で美学化・芸術化とは何かについて論じ、第二部でその具体例として水族館をあげている。 筆者は、…

『SFマガジン2024年12月号』

ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(鼓直・訳) - logical cypher scape2に続いて、今度はラテンアメリカSFSFマガジン 2024年 12 月号 [雑誌]早川書房Amazon ラテンアメリカSF特集 監修=鯨井久志 「ぺラルゴニア――〈空想人類学ジャーナル〉への…

『Newton2024年12月号』

音楽の脳科学 不死のサイエンス 無数の宇宙が生まれつづける驚異の 「マルチバース宇宙論」宇宙はいくつあるのか? 変貌する地球 Newton 2024年12月号作者:科学雑誌Newton株式会社ニュートンプレスAmazon 音楽の脳科学 監修 伊藤浩介 執筆 西村尚子 音楽の脳…

『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』

ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』(黒田寿郎・奴田原睦明・訳) - logical cypher scape2に続いて、今度はパレスチナSF kaguya-books.square.site Kaguya Planet パレスチナ特集「語りと報道の偏りに抗して」全文公開、『Kaguy…

Michel-Antoine Xhignesse"Distant Dinosaurs and the Aesthetics of Remote Art"

Michel-Antoine Xhignesse "Imagining Dinosaurs" - logical cypher scape2と同じ人の別の論文 この人は、芸術の哲学の人で、直近に2本連続でこれら恐竜関係の論文を書いているが、恐竜・古生物に関する論文はこの2本のみ。やはり直近で、ヘヴィメタの論文…

ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』(黒田寿郎・奴田原睦明・訳)

学生時代からタイトルは知っていたけれど未読だった。 いよいよこれは読まねばならぬか、と思ってから、さらに1年ほど経過してしまったのだが、とにもかくにも、ようやく読んだ。 いずれの作品もずしっと重い作品ではあるが、しかし、リーダビリティは高く…

ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(鼓直・訳)

文庫化奴 新潮には、次はマリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』(旦敬介訳) - logical cypher scape2の文庫化もお願いしたい ガルシア=マルケスは昔、ガルシア=マルケス『予告された殺人の記憶』 - logical cypher scape2、ガルシア=マルケス『エレン…

Michel-Antoine Xhignesse "Imagining Dinosaurs"

恐竜の復元骨格は芸術作品だ、ということを主張しようとしている論文 類似の研究がおそらくあまりないので、その点ではよかったが、主張としてうまくいっているかどうかは疑問。 おそらく著者もそのことは分かっていて、芸術作品だ、と言いきるのではなく、…

『シビル・ウォー』

『シビル・ウォー』見てきた これは確かに映画館のデカい音で見るのがいい映画だ しげるさんが、アメリカ版パト2的なボンクラ性のある映画って言ってたのがきっかけで見に行って、実際そういう映画だなあとは思った あと、『地獄の黙示録』ってあんまりよく…

『デューン砂漠の惑星PART2』

結局、映画館に行きそびれてしまい、ようやく見た 『DUNE/デューン 砂の惑星』 - logical cypher scape2見てから1年以上たっててちょっとびっくりした。 レビューを見るとわりと賛否両論あるが、実際なんともいえないところがある。 普通に見てて面白くは…

シュレーディンガー『生命とは何か』(岡小天・鎮目恭夫訳)

量子力学の創始者の一人ともいえるシュレディンガーが、生物学についても著作をものしており、その中で生命のことを「負のエントロピーを食べる」と特徴付けたことは非常に有名だが、実際にその本を読んだことはなかった。 最近読んだ中屋敷均『遺伝子とは何…

『科学』2024年6月号・10月号

『科学』2024年10月号 「光合成進化の謎に迫る驚異の細菌の培養――革新的な共同研究を通じた予期せぬ発見」ジャックソン マコト ツジ・福井学 「言語研究者,ユーラシアを彷徨う3 ライバルは幕府隠密――ウルチャ語の調査」風間伸次郎 「ゲームAI研究の歴史と展…

オールタイムベストSF

SF

【10/15〆切】2025オールタイム・ベストSFアンケート実施中!|Hayakawa Books & Magazines(β) ハヤカワがこんなことをやっていると偶々知って、やってみることにした。 ◆項目 以下の6項目を対象とする。 1、国内長篇ベスト5 2、国内短篇ベスト5 3、…

『文学+』4号

【シリーズ 近代現代文学研究座談会】第3回・昭和(戦前)篇 「理論・文学・運動」 尾形大×加藤夢三×木村政樹×鳥居万由実 レジュメ+司会・大石將朝 【特集 演劇史】川口典成インタビュー 「日本近代演劇史と対峙して」 川口典成 聞き手・清末浩平×平林慶尚×…

Allen A. Debus”Rex Battles”(”Prehistoric Monsters: The Real and Imagined Creatures of the Past That We Love to Fear”より)

恐竜・古生物の表象についての本から筆者は、古生物の表象(例えば博物館の展示やSF映画とか)についての在野研究者らしい。本業としては、環境化学者だったらしいけど、古生物学の学位も持っているっぽい。歴史学や文化論などについてはたぶん専門教育は受…

「ビートを感じる脳」(『日経サイエンス2024年11月号』)

音楽を聴いて踊りたくなるのはどういう時か。 シンコペーションの程度を変えて実験したという研究 シンコペーションの程度が大きいと、次のリズムが予測しにくくなる。 中程度の時、一番踊りたくなることがわかった つまり、リズムが単調で予想がたやすい場…

小林快次「恐竜学入門」(カルチャーラジオ科学と人間)

NHKラジオでなんかやっていたので聞いていた。 特にメモ等はとっていないので、単に聞いたという記録だけなのだが。 全13回シリーズ どこかで公開収録したものっぽい。小学生たちが聞きにきていたようで、彼らの声が時々聞こえるし、小林先生も明らかに(ラ…