2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

時間と記憶

人間に記憶がある限り、時間の進行は不可逆だ、ということにふと思い至った これは、タイムトラベルが可能になったとしても、やはり同様。 記憶がある限り、人間は時間逆転を体験しえない。 時間逆転現象があっても、それは記憶とは相反するもので、おそらく…

集合は実在するか

集合を実在すると考えて、集合についての真偽を問うたりする論理を、第2階の論理と呼ぶらしい(詳しいことはよく知らない)。 それに対して、集合は実在ではない、と考えるのが唯名論。 話は飛ぶが、最近大衆文化論という授業を受けた。そこでは「大衆」の…

シンタクスからセマンティクスへ。あるいは量的な差異から質的な差異へ。

シンタクスからセマンティクスを導けるかどうか、というのは、サールの「中国語の部屋」の話。サールはそんなことはできない、といった。 ならば、セマンティクスはどこからもたらされるのか。 例えばそれは、環世界(ユクスキュル)やら脳の来歴(下條)だ…

『エドワード・サイードOUT OF PLACE』完成記念上映会+大江健三郎講演会〜マリアム・サイードを迎えて〜

タイトル長いなぁ。 うちの親がちょうど東京に来ていたので、おごってもらった。 サイードの住んでいたところを辿りながら、サイードの思想とパレスチナ/イスラエルの現況を伝えるドキュメンタリー サイード家って金持ちだったんだなぁという印象からスター…

『物理学はいかに創られたか』

アインシュタインとインフェルトの共著による、物理学についての入門書 ニュートンの古典力学から始まり、量子力学の入り口まで解説してくれる。 読んでいるうちに、何か静かな興奮を感じる。 著者は、物理学者のことを推理小説の探偵に喩えているが、おそら…

IntercommunicationVol.56(購入前)

まだ、ちゃんと読んではいないんです というか、内容が濃くて立ち読みではなく、ちゃんと買って読みたいと思うのですが、今月は既に本を買いすぎていてこれ以上買うのはやばいだろう、という感じなのです 岩井克人・安富歩・鈴木健・東浩紀座談会は読んだん…

ディック『高い城の男』

ディックは以前、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を読んだだけだったので、何だこの読みやすさは!と驚愕しました、今回は。 ディックの中でも特に読みやすい作品らしいですね 読みやすくて、普通に面白いエンターテイメントだったなぁ、ということ以…

渚音楽祭

日曜日は、お台場で11時間くらい踊り明かしました! フジテレビ前で、9時から21時まで様々なジャンルが集まったレイブをやってました。 とにかく楽しくて、9時半くらいから21時までいて、食事している時以外はずっと踊り続けていて、そんな長時間なのに結構…

『立喰師列伝』

久しぶりに映画館で映画を見た気がします 予想以上に面白かった、というか笑えた作品 押井ギャグの好きな人にはおすすめかと。 しかし、押井作品の常として無論万人向けではない上に、キャストを見ていただければわかるように、なんというかひたすらビッグな…

小川一水『老ヴォールの惑星』

SF短編集 「ギャルナフカの迷宮」 読んでいてまず、『芽むしり仔撃ち』を思い出した その作品については以前レビュー(05年8月19日)を書いてます 現実の悪意によって不意にそんな暴力/死に晒された子供たちは、普通の社会とは別の形でそれを成し遂げようと…

『限界の思考』

宮台真司と北田暁大の対談本 基本的に、宮台は同じことをずっと繰り返し言っていて、それに対して北田が色々な方向から質問をする、という体裁 『サイファ』の方が読んでいて「限界」って感じたりしたんですが。 宮台は、ヘタレ右翼、ヘタレ左翼、ホンモノ右…

ised倫理研7回

とりあえず雑感だけ 倫理研は、これにてすべてが終了 小倉秀夫による、共通ID提案についての議論ののち、全体のまとめも行う 一応出てきた結論は、なんとも寂しいもので、 日本では「空気読め」リテラシーを高める教育ばかりしてきたので、近代的な討議空間…

小説トリッパー春号

特集「ネットから遠く離れて」 大塚英志インタビュー 以前聞いた大塚英志の講演会と内容はほぼ同じ。要約はおおよそ以下の通り。 現在は、完全な近代である。この完全な近代化にネットによってもたらされた。ただし、それは量的な問題であって、質的には明治…