およそ30万年前、初期人類が狩りに使用した武器が発見され、先史時代の驚くべき木工技術に注目が集まっている。
1990年代にドイツ、シェニンゲン遺跡で見つかった両端が尖った木の投げ棒を、最先端技術で分析したところ、削り、乾燥させ、やすりをかけて、丁寧に成形してから、狩りに使っていたことがわかった。
これは、初期人類の木工技術スキルが、これまで考えられていたよりもずっと進んでいて、かなり洗練されていたことを示している。
高度な武器の開発が集団での狩りを可能に
『PLOS ONE』誌(2023年7月19日付)に発表された研究結果によると、軽量な武器の開発で、中型もしくは小型動物の集団での狩りが可能になったかもしれないという。
投げ棒を狩りの助けに使っていたことから、子どもたちを含めた集団で狩りを行っていた可能性がうかがえる。
研究を主導したレディング大学考古学部、アンネミーケ・ミルクス博士は語る。
木製の道具の発見は、初期人類の行動についての私たちの認識に革命をもたらしたといってもいいでしょう。
初期の人類は、事前に計画をたてる能力があり、木の特性を深く理解していて、今日でも私たちが使っている、洗練された多くの木工技術スキルをそなえていたことを実証したのです
こうした軽量の投げ棒は、重たい槍よりも楽に遠くへ飛ばすことができたと思われ、そのグループの人間全員が狩りに参加できた可能性があります。
子どももこうした道具を使い、投げ方や狩り方を学んだのではないでしょうか
驚くべき木工技術で武器を作り上げていた
共著者のディルク・レーダー氏によると、ドイツ、シェニンゲンに住んでいた30万年前の人々は、トウヒの枝を使って、空気力学、人間工学に基づいた道具を作ったという。
木工技術には、枝を切ったり、樹皮を剥がし、空気力学的にかなう形に成形し、表面を削り、割れや反りを防ぐために乾燥させ、扱いやすくするために研磨するといった、複数のステップがある。
この道具を作ったのが、ヒト族のどの種なのかは明らかになっていないが、年代からするとホモ・ヘイデルベルゲンシスがホモ・ニアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)の可能性が高い。
複数の衝撃力の強い武器を発掘
1994年に見つかった長さ77センチの棒は、シェニンゲン遺跡で発見されたいくつかの異なる道具のうちのひとつだ。ほかにも、投げ槍、突き槍、似たようなサイズの投げ棒が出てきた。
極めて高度な技術で詳細に分析が行われたこの投げ棒は、初期の人類がアカシカやノロなど中型の獲物を狩るのに使った可能性がもっとも高いが、捕まえるのが難しい野ウサギや鳥など、逃げ足の速い小型の獲物を狩るためにも使用されたと思われる。
投げ棒は、現代の投げ槍のように、頭上にかざして飛ばしたというより、ブーメランのように回転をかけて投げられたと考えられ、30メートルも飛ばすことができたかもしれない。
こうした武器は軽量だが、速度が出るため、獲物に致命的な衝撃を与えることができる。
丁寧に削られた先端や、磨かれた持ち手などの繊細な処理は、これらの武器が急ごしらえで作られ、無造作に使い捨てにされたものではなく、繰り返し使用された個人の武器キットの一部だったことがうかがえる。
主任研究員のトーマス・テルベルガー氏は、シェニンゲン遺跡で見つかった木製遺物の体型的な分析が、初期の人類が使った木製武器に関する新たな洞察や、刺激的な情報をまもなくもたらしてくれるという。
保存状態良好なこの投げ棒は、シェニンゲンにあるフォルシュングス博物館に展示されている。
References:Early humans were weapon woodwork experts, study finds / 300,000-year-old double-pointed stick found in Germany / written by konohazuku / edited by / parumo
References: :Early humans were weapon woodwork experts, study finds / 300,000-year-old double-pointed stick found in Germany
古代人a「おい! 未来人が我々の木工技術をリバースエンジニアリングしようとしているぞ!」
古代人b「なんだと? それはマズいな。。。」
濡らしながら石で擦って削るとものすごくツヤツヤに仕上がるから、時間はかかるけど現代の技術にも匹敵するような仕上がりになるのは不思議じゃないと思うけど、持ち手部分の加工に関しては、元々粗く削ってても何度も使っているうちに少しずつツヤツヤになっていったんじゃないかって気もする。
まあ粗く削るという行為自体が、刃物のような削り方が可能な硬い切削具がないと出来ない事なので、いい石がなければ嫌でもつやつやな仕上がりになってしまうんだけど。
原始ジャベリン‼シュート!
Lv1から装備できる、こん棒が強いのは、そういうわけなんやね。
>現代の投げ槍のように、頭上にかざして飛ばしたというより、ブーメランのように回転をかけて投げられたと考えられ
複数で投げて当たればいいな、刺さったら重畳、という使い方だったのかな? そうなると数を撃たなきゃいけないから、やっぱり狩りはグループでないとできなかったんだな。
投げ方そっちか!
子供用の投げ槍みたいなもんかと思ったらそっちか!
こうなると投槍器の発明もすぐだろうな
そりゃそうだろう、放り投げると宇宙船に成るんだもん
77cmの木の棒を槍投げ式ではなくブーメランのように投げる…
だとすると端を鋭く刺さりやすくしている説明が出来ないのだけど、何でそう思ったんだろう。
ブーメランは薄くしてあるし重心バランスも考えてあるので遠くまで飛ばせるけど、重心バランスの悪い木の棒で30mは無理があるのでは。
全ての槍がテカテカなのかな?
儀礼(宗教的)につかうものかも
ブーメランだがアボリジニの投げるのは重いストレートな棒で、これで獲物をしとめるそうだ
ブーメランタイプは鳥を脅かして飛び立たせるタイプとか(そこにストレートを投げる)
こういう類の記事にありがちな「我々の(猿よりの)先祖はなんと!まさか!こんな高度な技術をもっていた!」的なタイトルに思うこと。
ご先祖様は我々より遥かに野生の勘はギンラギラに鋭く尖ってるし今でいうサバイバルの能力なんて人類史上ずば抜けているに決まってるんだから小馬鹿にしたようなタイトルじゃなくて、「サバイバルの神降臨!生きるためのあれこれがピカイチすぎて現代人には到底真似できない!」がいいなっという閃きをみんなさんと共有したかっただけの独り言でした。おやすみなさい
ヒトの個人規模の知能レベルは、ホモ〇〇って呼ぶようになるくらいの時代から現代に至るまで大きな変化はないって話だからな。
独りでじっくりあるいは長く考えればやがて思いつき実現できるような技術は、当時からずっと高レベルだろう。
長い蓄積がなければならない分野、つまり、道具を作る道具、を作る道具 を作る、、、、を作るための道具が必要な分野は、当時はまだ未熟だったから、
まるで知能が低いように見えるけど。
事前に計画を立てる能力?あれ?おれ持ってないけど…