うっ血性心不全で緊急入院!
もっと早い段階で病院を受診すべきだった。限界まで我慢に我慢を重ねた結果、回復の遅れと長期入院を招いてしまい、猛反省している。ある方から「我慢はいけません」と諭されて本当に馬鹿だったと後悔している。
5月8日、うっ血性心不全の増悪により三井記念病院の救急外来へ駆け込んだ。20代と思われる女性医師と男性医師の数人が交互に診察。呼吸が苦しいため、ベッドに仰向けになれない。最も楽な姿勢は直立不動。心電図、心エコー、レントゲン、採血など、救急で出来る限りの検査をする。安静時の脈はなんと140を超えており、頸動脈は今にも破裂寸前まで怒張していた。心房細動、期外収縮などで脈は踊り狂ったようにバラバラだった。
若い医師が言った「BNPが1200です!」普段は400だからその3倍。これは重度の心不全を意味していた。即刻入院となり7階の『循環器病棟』へ移動。担当の看護師が私を見るなり声を掛けて来た。「神戸さん、数年前に奥の病室にいましたよね…」。私の事を覚えていてくれた看護師がいた事に驚いたが、過去に何度も入院しているからそれも当然かも知れない。
さて、一眼レフを始めてからずっと調子が良く心不全も起こさず入院から遠ざかっていたにも関わらず何故、このような状況になってしまったのか…。それは3月初旬の循環器内科外来時での事。採血で腎機能の数値を示すクレアチニンが3.4まで跳ね上がっていた。驚いた主治医が強心剤のジゴキシンの服用を中止したのである。子どもの頃から私の心臓を長い間守ってくれていた薬である。このジゴキシンは腎臓に大きな負担を掛けてしまうリスクがある。その為、腎機能が低下した患者には禁忌となっている。
腎臓を守るため主治医の判断は仕方の無い事だった。薬を止めてから1ヵ月が過ぎた辺りから身体に異変が生じ始める。それは左足の浮腫みで始まった。薬を止めたからだと、私はこの時点ではさほど深刻に受け止めていなかった。写真撮影も普段通りに行っていたが、調子の良い時と比べて明らかに息苦しさが増しているのを感じていた。本来であれば、浮腫みが現れた時点で病院へ連絡すべきだったのである。
酸素吸入、点滴、ベッド安静のため、トイレに行くのも車椅子だった。5月12日、状態がある程度改善したため16階の一般病棟へ移動となる。心臓の働きを助け頻脈を抑える薬のメインテートが増量された。だが、中々脈が100を切ってくれない。少し動くと120辺りまで跳ね上がる。私の中に入っている機械弁は脈が120以上になるとその早さに付いていけず人工弁心不全を起こす事があると言う。
5月18日、担当医からこれまでの治療経過と今後の治療について説明を受ける。アップした胸部レントゲンはその時のもの。入院時、肺に大量の水が貯留していたため、白く写っているが、18日には水が抜けて肺の黒い部分が目立って来ているのがお分かり頂けるだろう。体重は約1週間で5キロ落ちた。それは身体に溜まっていた余分な水分である。
但し、右肺にまだ水が残っており抜けきれない状態だが、症状が落ち着いているため、このままでも問題はないらしい。もし、心不全症状が出た時には肺に針を刺して直接抜くようだ。心臓がかなり肥大しているのも見て取れる。心胸郭比63%、これは35年前に余命一年を宣告された時よりも悪いが私はあまり気にしていない。
メインテートが功を奏し始めて来たのは24日辺りからで脈も100を下回るようになり、酸素もヘパリン点滴も外れた。ワーファリンの効果が安定するまでかなり時間が掛かったが、退院の話しが出始めた頃にはINR2.3辺りで落ち着き始めた。退院一日前の27日、骨髄採取を受けた。これは白血球、赤血球、血小板が正常値の半分程度しかないため、その原因を突き止めるためだった。次回外来で検査結果が出るが、もしかすると新たな血液の病気が見つかるかも知れない。
今回はメインテートで何とか乗り切ったが、再び心不全を起こした時はワソランを使う事になるだろう。それまでワソランは最後の切り札として温存しておく。それでもだめだった場合は腎臓を犠牲にするしか手立てはない。人工透析も視野に入れておかなくてはならない。だが、この先、どんな困難が待ち受けていようとも私は絶対諦めたりはしない。自分のやるべき事を全うするため、この命を守ってみせる。それまで皆さん、このボロボロな私を温かく見守って頂けると有難い。
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