ながと【長門】
【長門】(ながと)
八八艦隊計画の第一段として1920年代に建造された、日本海軍の超ド級戦艦。
姉妹艦に「陸奥」がある。
列強各国の主力戦艦に差をつけるため、初めて口径41センチという当時の世界最大の主砲を取り付けた。
また主砲塔の位置も、扶桑型や伊勢型では中央の砲塔が前後両方に向けられなかった戦訓を活かして、金剛型と同じく船体前後二基ずつの配置になっている。
その上列強(特に仮想敵国のアメリカ)各国海軍の主力戦艦より5kt以上速い高速戦艦として設計された。
だが二番艦「陸奥」の竣工直後にワシントン海軍軍縮条約が締結されたため八八艦隊計画は潰え、しばらくの間、本艦と陸奥は世界最大の戦艦として君臨することとなった。
1940年代に大和が竣工するまで連合艦隊旗艦をつとめ、数次の改装が行われながらもその姿は最も日本国民に親しまれたと言える。
また、このようなエピソードも語られている。
1930年代初頭、満州事変により中国大陸への進出を強める日本に危機感を抱いた米大統領が海軍長官に
「いま日本を攻めることはできないか?」
と諮問したところ、海軍長官は
「ダメです。日本にはナガトがいます」
と答えたという。
しかし大東亜戦争開戦時には既に旧式化しており、また大艦巨砲主義から航空主兵主義へと戦闘の思想が移り変わっていたため、これと言った活躍は無かった。
日本海軍の戦艦で、大東亜戦争を最後まで生き抜いた唯一の艦だったが、終戦に伴いアメリカ軍に接収され、翌年7月にビキニ岩礁で行われた「クロスロード作戦」という二度にわたる原子爆弾実験の標的艦として使用された。
一度目の空中爆発実験「ABLE(エイブル)」では致命的損傷を受けず(爆心地方向の装甲表面が融解したのみ)、二度目の水中爆発実験「BAKER(ベーカー)」で殆どの艦船が一瞬で轟沈する中、長門はわずかに傾斜するも沈没する気配をみせず、抜群の難沈性を示した。
そして5日後、誰にも看取られることなく忽然と海中に姿を消した。
現在、長門沈没地点はダイビングスポットとしてこの地の貴重な観光資源となっている。
沈没状態とはいえ、ビッグ7の中で一応形が残っているのは長門だけである。
現状は上下逆さまで沈没しており、艦橋部分は折れている。
略歴
スペックデータ
数値は新造時と1936年(昭和11年)に行われた最終改装後のものである。
基準排水量 | 長門:32,720t(新造時)/39,130t(改装後) 陸奥:32,720t(新造時)/39,050t(改装後) |
常備排水量 | 33,800t |
公試排水量 | 長門:43,580t 陸奥:43,400t |
全長 | 215.80m(新造時)/224.94m(改装後) |
全幅 | 28.96m(新造時)/34.6m(改装後) |
吃水 | 9.08m(新造時)/9.49m(改装後) 陸奥:9.46m(改装後) |
主缶 | ロ号艦本式専焼缶×15基、ロ号艦本式混焼缶×6基(新造時) ロ号艦本式専焼缶(大型4基+小型6基)×10基(改装後) |
主機 | 艦本式オールギアードタービン×4基4軸推進 |
軸馬力 | 80,000shp(新造時)/82,000shp(改装後) |
燃料搭載量 | 重油3,400t 石炭1,600t(新造時) 重油5,600t 石炭57.8t(改装後) |
最大速力 | 26.5kt(新造時)/24.35kt(改装後) |
航続距離 | 16ktで5,500海里(新造時)/16ktで8,650海里(改装後) |
乗員 | 艦長以下1,333名(新造時)/艦長以下1,368名(改装後) |
主砲 | 長門:45口径四一式40cm連装砲×4基 陸奥:四一式40.6cm連装砲×4基 |
副砲 | 50口径四一式14㎝単装砲×20基(新造時) 50口径四一式14cm単装砲×18基(改装後) |
高角砲 | 8cm単装高角砲×4門(新造時) 40口径12.7㎝連装高角砲×4基 |
機銃 | (新造時) 三年式機銃×3挺 (改装後) 7.7mm機銃×3挺 40mm連装機銃×2基 25mm連装機銃×10基 |
魚雷 | 53cm水中・水上魚雷発射管×8本(新造時、改装後は撤去) |
艦載機 | 水偵×3機搭載(改装後) |
装備 | カタパルト×1基(改装後) |
装甲 | 長門 新造時: 水線305mm 甲板70+75mm 主砲前盾305mm 主砲天蓋152mm 副砲廓152mm 改装後: 水線305mm 甲板70+127mm 主砲前盾457mm 主砲天蓋250mm 副砲廓152mm |
電探 | 21号電探×1基 22号電探×2基 13号電探×1基 |
長門
長門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 01:06 UTC 版)
海上国防軍第一艦隊旗艦。コモの父親である古茂田一佐が艦長を務めている。艦名は大日本帝国海軍の戦艦「長門」に由来する。
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