旧式化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:51 UTC 版)
「トンプソン・サブマシンガン」の記事における「旧式化」の解説
トミーガンは第二次世界大戦勃発の時点で連合国軍が配備しうる唯一の有力な短機関銃と見なされていたが、一方で原設計が1919年ということもあり、既に旧式化しつつあった。このため、アメリカ政府ではより近代的かつ軽量で生産効率も高い新型短機関銃による更新を計画し、各国から広く新型短機関銃を募集した。1939年、ジョージ・ハイド(英語版)技師が手がけたM35短機関銃が審査を受けた。M35はトミーガンと類似したシルエットを備えていたが、いくつかの点で劣ると見なされ採用されなかった。続いて審査を受けた製品としては、スオミ短機関銃、レイジング短機関銃、ハイスタンダード製短機関銃、スミス&ウェッソン製半自動カービン、ステン Mk.2などがあった。この時にはステン Mk.2が最も高い評価を受けたものの、結局更新は見送られた。1942年、陸軍武器省はステン Mk.3を審査した後に再び採用を見送ったが、この際にステンを参考とした安価かつ生産効率の高い短機関銃を設計することが決定した。設計担当に選ばれたのはかつてM35を提案し、当時はM2短機関銃を手がけていたハイドであった。同年12月24日、新型短機関銃は制式名称合衆国 .45口径短機関銃M3(United States Submachine Gun, Cal. .45, M3)として採用され、以後トミーガンの生産優先順位は低下した。しかし、その後も製造上の都合から1944年2月までトミーガンの販売は続けられた。2月には最終注文分として2,091丁のトミーガンが陸軍に引き渡された。
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