コーネル大学とは? わかりやすく解説

コーネル大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 11:38 UTC 版)

コーネル大学
ラテン語: Universitas Cornelliana
モットー "I would found an institution where any person can find instruction in any study."—Ezra Cornell, 1865
種別 私立
設立年 1865年 (1865)
資金 68億ドル
学長 Martha E. Pollack
プロヴォスト Michael Kotlikoff
教員数
1,639人 – イサカ
1,235人 – ニューヨーク市
34人 - ドーハ
学生総数 23,016人 (2017年)[1]
学部生 14,907 (2017年)[1]
大学院生 8,109 (2017年)[1]
所在地 アメリカ合衆国
ニューヨーク州イサカ
北緯42度27分 西経76度29分 / 北緯42.45度 西経76.48度 / 42.45; -76.48座標: 北緯42度27分 西経76度29分 / 北緯42.45度 西経76.48度 / 42.45; -76.48
キャンパス 都市型(小都市) 4,800エーカー (19 km2)
ノーベル賞受賞者数 58
スクールカラー 赤・白[2]
    
運動競技 全米大学体育協会アイビー・リーグ
ニックネーム ビッグレッド
マスコット 熊の「タッチダウン」 (非公式)
公式サイト cornell.edu
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コーネル大学英語: Cornell University)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州イサカに本拠地を置く大学で、アイビーリーグの一角を占める米国屈指の名門校である[3]。校名は創設者となった上院議員エズラ・コーネルの名前にちなむ[4]

ニューヨーク州から公有地の提供と財政的な支援を受けて創設され、現在でも地元の農業・畜産業と深く結びついた獣医学や造園学・都市計画などの分野で定評がある[5]。ロー・スクールやメディカル・スクールを中心に各種大学ランキングでも長年にわたって最上位にある。またホテル経営学部は世界各国の著名ホテルから留学生を受け入れており、帝国ホテル星野リゾートからも幹部候補生が派遣されるなど、日本との関係も深い[6]

2024年時点の学部合格率は7.5%と全米最難関のグループで[7]、1年間の学費(教材費・生活費など含まず)は約6万6000ドル(約1千万円)と発表されている[8]

学術研究拠点としても高い水準を保っており、歴代のノーベル賞受賞者数は62人にのぼる[9]

沿革

コーネル大学は、1865年に、米国の電信事業における先駆者でありニューヨーク州上院議員であったエズラ・コーネルと、同じく州上院議員でミシガン大学の元教授であったアンドリュー・ディクソン・ホワイトによって設立憲章が起草され、1868年10月7日、3年余りの準備期間の後、ニューヨーク州イサカに開設された。

他の科学的および古典的研究を排除し、軍事戦術を含むことなく、農業および機械工芸に関連する学問の分野を、州の立法府がそれぞれ規定するような方法で教え、生活におけるいくつかの追求と職業における産業階級の自由で実践的な教育を促進することを目的に設置された。

同大学の著名な研究分野である機械工学、生命科学、経営学、建築学、造園学、農学獣医学などは世界最高峰と評されている[要出典]。また、コンピュータ工学もアイビー・リーグの中で最大の施設と研究を誇り、全米でトップ 5 に入る名門分野である[要出典]

同大学はロックフェラー大学スローン・ケタリング癌センターともに共同でMD-PhD プログラム(Weill Cornell/Rockefeller/Sloan-Kettering Tri-Institutional MD-PhD program)を提供している。[10]

大学ランキング

  • THE世界大学ランキング:第20位(2024年)[11]
  • THE米国大学学部課程ランキング:第11位(2024年)[11]
  • THE WALL STREET JOURNAL世界大学ランキング:第9位(2019年)[12]
  • USニュース国内大学ランキング:第12位(2024年)[13]

学部・大学院

コーネル大学ホテル経営学部(SHA: School of Hotel Administration)

Undergraduate Colleges and Schools

Graduate/Professional Colleges and Schools

Other Cornell Academic Units and Degree-Granting Programs

  • Cornell Cooperative Extension
  • Cornell Institute for Public Affairs(コーネル大学公共政策大学院)(CIPA)
  • Cornell University Library
  • Division of Nutritional Sciences
  • Faculty of Computing and Information Science
  • Office of Undergraduate Biology
  • Program in Real Estate
  • School of Continuing Education and Summer Sessions

なお*印が、ニューヨーク州設立の教育ユニット

研究機関

米国連邦国立研究センターとして次の4つが設置されている。

  • Cornell High Energy Synchrotron Source (CHESS)
  • Cornell NanoScale Facility (CNF)
  • Laboratory of Elementary-Particle Physics (LEPP)
  • National Astronomy and Ionosphere Center (NAIC)

そのほかにも、100を超える研究所及びラボラトリーの設置、ならびに教育プログラムを実施中。

特筆すべき点

Ezra Cornell

1970年代から始まった情報検索システムであるSMARTシステムの研究開発等によって、また、電子図書館 (Digital Archive, Digital Library) の実現において先駆的な業績を残した。その他には、データベース分野、知識処理の分野でも数多くの業績を残している。

物理学の分野でもコンピュータ科学学科との連携により、高エネルギー物理学のための情報交換プロトコル等の設計で顕著な業績を残している。

生命科学の分野では、物理学の分野と同じくコンピュータ科学学科との連携により、アメリカ国立衛生研究所の遺伝情報データベースの構築等で業績を上げている。また、医学分野との連携によって、タンパク質の解析等の分野でも成果を挙げつつある。

SETI@Home(関連項目:SETI)プロジェクトにおけるデータの提供を行っている、プエルトリコにあるアレシボ電波天文台の運営をアメリカ国立科学財団より委託を受けて行っている。

デジタルコレクション

コーネル大学図書館 デジタル・コレクション [1]

学生生活

コーネル大学ロースクール

スポーツ

コーネル大学のスポーツチームは「コーネル・ビッグ・レッド」と呼ばれている。コーネル大学には30以上のスポーツチームがあり、全米大学体育協会(NCAA)のカンファレンスはアイビー・リーグに所属しているが、アイスホッケーについてはECACホッケー・リーグ(ECAC Hockey League)に所属している。

アイスホッケーは同校で最も人気のあるスポーツの一つであり、冬の風物詩となっている。同校は全米選手権の優勝を2回、フローズン・フォー(全米ベスト4)進出を8回果たしている強豪である。アイスホッケーの長年のライバルはハーバード大学であり、全米でも有名なカレッジアイスホッケーのライバル関係である。

コーネル大学のホームアリーナであるリナーリンク(Lynah Rink)でハーバード大学と対戦する際は、ハーバード大学の選手が入場する際に熱狂的なファンが大量の魚をリンクに投げ入れることが恒例となっている。これは、ハーバード大学が港町(ボストン)にあることを揶揄しているのである。

関係者

コーネル獣医学大学院(Cornell Veterinary)

以下のリストには、コーネル大学の著名な卒業生、在校生、教授などが含まれる。なお、情報は 2005-04-22 日付けのものであり、最新の情報は英語版記事 Cornellians を参照のこと。

卒業生

政治 / 法律

ビジネス

医学

社会科学

科学 / テクノロジー

芸術全般

その他

学習できる専門分野

脚注

  1. ^ a b c Common Data Set 2015-2016, Part B”. Cornell University. August 28, 2017閲覧。
  2. ^ Colors · Cornell University”. 28 August 2017閲覧。
  3. ^ Bishop, M. G. , A History of Cornell (1962)
  4. ^ Cornell Universtiy Data”. US News. 2024年5月14日閲覧。
  5. ^ Rosman, Katherine (2023年4月12日). “Should College Come With Trigger Warnings? At Cornell, It’s a ‘Hard No.’” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2023/04/12/nyregion/cornell-student-assembly-trigger-warnings.html 2024年5月13日閲覧。 
  6. ^ Rosman, Katherine (2023年4月12日). “Should College Come With Trigger Warnings? At Cornell, It’s a ‘Hard No.’” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2023/04/12/nyregion/cornell-student-assembly-trigger-warnings.html 2024年5月13日閲覧。 
  7. ^ Cornell University Acceptance Rate for Class of 2028 - Crimson Education JP” (英語). www.crimsoneducation.org. 2024年5月18日閲覧。
  8. ^ Cornel tuition”. US News. 2024年5月19日閲覧。
  9. ^ About | Cornell University”. www.cornell.edu. 2024年5月13日閲覧。
  10. ^ Tri-Institutional MD-PhD Program
  11. ^ a b Cornell University” (英語). Times Higher Education (THE) (2024年4月4日). 2024年5月13日閲覧。
  12. ^ Explore the Full WSJ/THE College Rankings” (英語). WSJ. 2019年9月14日閲覧。
  13. ^ Cornell University”. USNews. 2024年5月13日閲覧。

関連項目


コーネル大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 03:49 UTC 版)

バーバラ・マクリントック」の記事における「コーネル大学」の解説

バーバラ・マクリントック1919年にコーネル大学農学部英語版)に進学した専攻植物学選んでいる。一年生の頃には男子人気があり、たびたびパーティ誘われている。男子とのデート頻繁だったが、友達の中で自分ひとりが誘われることがあることに逆に嫌気がさし、三年生のころには付き合いをやめている:64-68。 マクリントック必要以上講義登録し、ちょっと受けてみてつまらない講義そのまま行かず単位落としていたので、学部時代記録上の成績はあまり良くなかった一方在学中1921年初め遺伝学学んでいる。このコースハーバード大学模したもので、教師植物栽培学者遺伝学者のクロード・ハッチソン(英語版)だった。ハッチソンはマクリントック学才に目をつけ、1922年には大学卒業生向けの遺伝学コース参加するよう、電話をかけている。マクリントックは後に遺伝学志したきっかけについて、このハッチソンからの誘いけだったと言い、「この電話が私の生涯決めその後遺伝学留まるになった」と語っている。1923年には学士BSc) を取得した落とした単位多かったため標準年数では卒業できなかった:69)。学部生の頃にはテナーバンジョーでジャズバンド即興演奏もやっていたが、学部卒業する頃には生物学集中するために止めている:72。翌1924年からは自身研究並行して植物学指導教員となった当時コーネルでは女性遺伝学専攻することはできなかったので、1925年取った修士号1927年取った博士号植物学に関するのだったマクリントックは、仕事を成すためにチーム必要なことをよく知っていた。マクリントック卒業研究始めたころからトウモロコシ細胞遺伝学的に研究するための人材集めていた。当時のコーネル大学では育種専門家染色体専門家との協業がほとんどなかったため、マクリントックチームにその双方招いた。チャールズ・バーナム、マーカス・ローズ英語版)、ジョージ・ウェルズ・ビードル、ハリエット・クレイトン(英語版)などがいる。植物育種学長のロリンズ・エマーソン(英語版)がチーム応援した当時エマーソントウモロコシ遺伝学について権威であったが:86細胞遺伝学については詳しくなかった。しかしエマーソンこの後長き渡ってなかなか良い職を得られないマクリントック研究所を提供することになる。ジョージ・ビードルやマーカス・ローズ英語版)も生涯の友となったマクリントック細胞遺伝学研究する当たってトウモロコシ染色体視覚化する技術注力した。(この技術一部は後に教科書採用され遺伝学専攻する多く学生が学ぶことになった。)マクリントックトウモロコシ染色体酢酸カーミン溶液染色する技術開発しトウモロコシが持つ10遺伝子形態初め明らかにしている。マクリントックは、染色体形態研究の成果から、特定の遺伝子受け継ぐトウモロコシグループ分けすること、つまり遺伝的連鎖明らかにすることにも成功したマクリントック雑誌Genetics1929年投稿した論文三倍体染色体を持つトウモロコシ重要性について言及したチーム一員マクリントック生涯の友マーカス・ローズは後に、1929年から1935年にかけてコーネル大学から発表され重要な発表17のうち10までがマクリントック成果であると述べている。当時気分転換テニスをするのが好きで、チーム仲間大学院生クレイトンがよく相手をした:1001931年マクリントッククレイトンと共に相同染色体減数分裂時の乗換えと、遺伝形質組み換えに関係があることを証明した。つまり、2人染色体乗換えどのように起こり、それがどのように表現型現れるかを観察したこれまでも、遺伝的組換えが起こるのは減数分裂の時であるとの予想はされていたが、それをトウモロコシ実験的に証明したのは初めてだった。マクリントックトウモロコシとしては初となる染色体地図作りその中でトウモロコシの第9染色体含まれる3つの遺伝子表現型明らかにした。この知見技術長らくマクリントッククレイトン研究武器となったマクリントックは、この研究成果対外発表するにはまだデータ不足していると考えており、翌年クレイトン博士論文題材にするつもりだったが、ショウジョウバエ使って初め染色体地図作ったトーマス・ハント・モーガンがたまたま訪れた際の強い勧めにより論文投稿され、モーガン推薦特別に早く米国科学アカデミー紀要掲載された。当時ドイツのクルト・シュテルン(カート・スターン)(英語版)もほぼ同じ研究をしていたので、モーガンのこの計らいなければこの発見栄誉マクリントック与えられなかった可能性が高い:102モーガンこの後マクリントック対し、しばしば重要な助力をすることになる(なお、モーガンはこの2年後1933年ノーベル賞受賞している)。

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