2日の昼休み、何気なく携帯のニュース速報を見ていると、
共産党元参院議員の吉岡吉典さん急死
のニュースが!
しばし絶句してしまった。
asahi com.の記事によると、吉岡さんは『日本統治下の朝鮮半島で19年3月1日に始まった「3.1独立運動」のシンポジウムで講演。その後の夕食会で倒れた』とのこと。
『ウエコーさん』に続き、『きってんさん』もか・・・と、言い知れぬ寂寥感を感じた事だった。
きってんさんと言えば、1月20日付『しんぶん赤旗』9面に、明治時代の社会主義者・田添鉄二についてこんな記事を書いている。
《以下、引用始め》
「戦争不可能時代」への展望を百年前に提起
-「明治社会主義の知性」田添鉄二-
吉岡吉典
世界も日本も大きく転換することが予想される2009年を核兵器のない世界、軍事同盟のない世界、外国軍事基地のない世界、そして国連憲章が提起する「戦争のない世界」への歴史の歩みが、大きく進展する年にしたいものである。その運動を進める上で、「明治社会主義の知性」(岩波新書『田添鉄二』)と評価される田添鉄二(1875-1908、熊本県出身)の存在を想起したいとおもう。
昨年は、過労と貧困のなかで活動、32歳の若さで没した田添の没後百年だったので有志で田添に学んだ。
「世界平和来るは空想にあらず」と説く
田添は多くの論文を書いているが、中でも私が注目した第一は、帝国主義論、戦争と平和論である。
雑誌『新紀元』に「一平民」の名で百年余前の明治39年(1906年)1月から11月まで、9回にわたって掲載した未完の論文「世界平和の進化」である。田添は帝国主義戦争の悲惨な実態とその矛盾、社会主義運動の勃興と、1815年ニューヨークに誕生してアメリカからヨーロッパに広がった平和協会に見る平和運動、日本にも明治22年(1889年)平和会と機関雑誌『平和』誕生などの平和運動、議会人による万国議員連合平和会、政府レベルの万国平和協会など世界の平和運動のひろがり、発展を「平和の新機運」「世界平和実現の大潮」と重視し、「世界平和来(きたる)は空想にあらず、其(そ)は太陽の東天に赫灼(かくしゃく)たるが如(ごと)くに、現実の進化として、吾人の眼界に発展し来れり」といい、さらに、『戦争の不可能時代』に言及している。残念なことにこの論文は『新紀元』(明治社会主義文献刊行会の復刻版あり)で読むしかないが、一人でも多くの人に目を通してもらいたい。
第一次世界大戦の後、世界は「戦争違法化」の第一歩をふみだし、第二次世界大戦をへて「国際連合の設立とともに、戦争の違法化が世界史の発展方向として明確にされ、戦争を未然に防止する平和の国際秩序の建設が世界的な目標として提起され」るにいたった(日本共産党綱領)。大局的に見れば田添は世界史の発展方向に目をむけていたのである。
韓国侵略に反対し「日韓平民の握手」よびかけ
田添は、「世界平和の進化」で、「殖民帝国」について論じ、「征服者は、最初陰険なる外交の内に其併合の野心を包蔵して、たくみに列強の手前をつくろい、機一たび到らんか、彼れは猛虎の勢を以って一摶帝国建設の犠牲たらしむ」と、世界の植民地化の歴史の事実をあげて暴いている。朝鮮の独立を口にしていた日本が朝鮮にたいしてとったやり方も同じだったことを鋭く糾弾した。そして「曰(いわ)く高圧手段!曰く大砲と銃剣とを前鋒とせる外交! かくして半島の独立は掠奪せられ、朝鮮民族の社会的生活は蹂躙(じゅうりん)せられたるなり」と告発している。
田添は「週刊社会新聞」(1907・12・15)に掲載した「日韓両国の平民」という論説で、「日韓問題は、決して両国の権力者に依(よ)って独断に解決さるべきものではない。両国政治家の握手に依って勝手に解決さるべきものではない。・・・・・・・・・其(そ)は実に両国民生活の基礎をなしつつある平民階級の握手によって始めて解決さるべきものである」とかいた。田添は日韓・朝連帯の先駆者であった。
お墓がない田添の顕彰碑の建設をと願って
一昨年8月、熊本市美登里町1160番地の田添の生地をおとずれた。田添家のあとを継いだ、田添鉄二の末弟の孫である田添初生さん夫妻からいろいろな話をお伺いしたが、その中で「鉄二さんのお墓はいくら探してもみつからず、あるかないかもわからない」というお話をきいた。私は1960年代に初めて田添を知ってから、その顕彰碑をと思い続けてきたので、お墓がないということをきいて、何とかお墓をかねた顕彰碑の建設をと考えている。
(よしおか・よしのり 元参院議員)
《引用終わり》
今回、訪韓した吉岡さんの頭には、この田添鉄二の事もあったろうと紅星は推察する。
田添鉄二の名は、『平民新聞』など幸徳秋水氏関連の文献でしばしば目にして知っていたが、お墓が分からず、顕彰もされていないとはこの記事を読むまで知らなかった。
熊本のJCPは社会主義および非戦主義の先達である田添鉄二の顕彰活動を、これを機に行っては如何であろうか?そしてゆくゆくは、各地の社会主義者・非戦主義者の顕彰会同士のネットワークを構築し、活動を盛んにできれば、と思うのだが・・・
紅星も、これを良い契機として、秋水氏以外の明治期社会主義者についても調べてみようと思う。
この記事に対するコメント
衆議院解散は間近!
民主党・小沢代表・公設第一秘書 の起訴期限まで最大でも20日程度となっております。
「起訴できるはずがない」と小沢代表は確信しているようですから、
衆議院解散は、この起訴期限までに行われる公算が大きいのではないでしょうか?
以下、私のブログ記事から引用します。
http://blog.goo.ne.jp/junsky/e/aeceb7f2ba1b69687607e8cd2f68f9a4
【総選挙含みの政局の中で、何故特定政党だけを狙い打ちにするのかということである。
予算関連法案が3分の2で再議決して、定額給付金を含む 予算関連法案が今日採択される ことが、ほぼ確実であったという時期にも重ねている。
これで、とにかく国民にお金をばらまく前提ができた訳であり、国民の期待が高まると見ていることも予測が容易である。(国民は、それほど馬鹿ではないから、お金には期待しても自公には期待しないだろうが・・・)
公設第一秘書は、小沢氏の信念では「嫌疑不十分で無罪放免」になるとのことである。
不起訴になると権力の描いたシナリオが崩れ、却って与党の信用を失い、民主党への声援が『判官贔屓』的に広がるかも知れない。
そうなっては困るので、不起訴になる前に総選挙に打って出る可能性が高い。
逮捕してから起訴するまでの期限は決められている。それほど余裕のあるものではない。
(逮捕から起訴まで最大でも 23日;拘留延長の場合:逮捕から72時間以内に勾留請求がされ、その日から10日が原則だそうで、逮捕から勾留期限までは、最長13日。さらに10日間の拘留延長が認められる場合があり23日になる場合がある。)
今、黒幕は麻生首相に背後から声を掛けている。
「ほら、今を逃したら解散の時機を失うぞ! 早くやれ!」
そう、予算関連法案も今日成立した訳であり、間もなく衆議院は解散され、嫌疑不十分のまま総選挙に突入するのだ!】
吉岡吉典さん3周年の会
本日、吉岡吉典さん3周年の会が吉岡さんの地元の東村山市で開かれ、出席したところ、90人近くの盛況でした。そこで、田添鉄二のことを知り、ネットで調べたら、この記事の発見となりました。集会で、田添は「暴力革命」を否定し、非暴力の変革を主張と発言した人がいました。『近世社会主義』という本に書いてあるということですが、正確に知っている人はぜひ教えてください。私は10年以上前から、「則法革命」を提起しています。
村岡到