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TOP > その他(映画、過去のアニメなど) > 映画短評 『ドラゴンボールZ 神と神』

映画短評 『ドラゴンボールZ 神と神』   2013.04.06

テーマ:アニメ・感想 - ジャンル:アニメ・コミック

ネタバレ全開でいきます。

まず破壊神ビルスとは、震災や津波といった、われわれの日常を破壊する災害そのものであり、そんな破壊神の襲来とともに描かれたビーデルさんの妊娠発覚。これは、災害の中で芽生えた一縷の希望、生命への礼賛であり――

というような臭い話は他の誰かにお任せして、ここではベジータについて書きます。
17年ぶりの映像作品ということで、当時は綾波やルリルリでシコっていたわれわれが、今では肉や駄肉様でシコっているように、時代は大きく変わっているわけです。
当時との最も大きな違いはインターネットの進化・普及であると言えるでしょう。
このインターネットの普及によって、アニメ――に限らず、ドラマでも音楽でも何でもそうですが――への「ツッコミ」が可視化されるようになりました。昔のアニメや特撮作品の技術的未熟さやチープさなどを面白がったり、また、最新の作品であっても、脚本や演出の不整合などには即座にツッコミが入ります。
それは『ドラゴンボール』においても例外ではなく、例えば「悟空はニートである」とか、「ベジータはヘタレである」とか、あるいは、もしかしたら当時は情報に疎い者には行き届いていなかったかもしれない『ベジータ様のお料理地獄』という黒歴史も白日の下に晒されることとなりました。当時は何とも思っていなかったようなことが、インターネットの発達とともに「ネタ化」されていったわけです。(そこにはいわゆる「動画サイト」の登場も無関係ではないでしょう。)
加えて、「ツンデレ」という語の普及もネタ化に拍車をかけました。

「勘違いするなよカカロット!貴様を助けに来たわけではないのだからな!」

こういうセリフも「ツンデレ」の一言で片付けられるようになりました。そのことの善し悪しはともかく、分かりやすい言葉・概念によるツッコミがネタ化を加速させたのは確かでしょう。
他にも、ヤムチャや天津飯の空気化や、その原因となった戦闘力インフレなんかも「ツッコミ所」として扱われ、ギャグとして処理されるようになりました。

では、17年ぶりに登場した新作劇場映画ではどうだったでしょうか。
そこで描かれたのは、要所要所でヘタレ発言を繰り返し、破壊神ビルスの機嫌を損ねないようピエロになるベジータの姿でした。珍妙なダンスを踊っていたシーンが最も象徴的だったでしょうか。
また、ブルマ(非処女)がビルスに殴られたことに激怒し、一時は悟空を上回る力を発揮するといった、「ツンデレ」としての要素ももちろん盛り込まれておりました。
他のメンバーはと言うと、相手が相手だけに、当然のことながらヤムチャや天津飯の空気化はより際立っていましたし、神龍が大変なことになっていたり、ピラフ一味にいたっては幼児化されていたりもしました。(幼女verのマイ(処女)はシコれました。)
全体的にシリアスよりもコミカルが強調され、「宇宙一の破壊神」と言われても、かつてフリーザに「私の戦闘力は53万です」と言われたときのような絶望感はなく、悲壮感もまったく感じさせないつくりになっていました。

それらのことは、17年の間に形成されたネタが、演出として適用されたことに依るものであると考えられます。つまり、ネタが再度ベタ化されたわけです。
だから、この劇場映画での「ギャグシーン」は、インターネットの普及に伴って行われてきた「ツッコミ」の反映であると言えるでしょう。(こうした現象は、この作品だけでなく、例えば最近のアニメで作中のキャラクターが「ツンデレ」という言葉を使うようになったのと同じことだと思われます。)
そしてそれは、ギャグ要素としてのネタだけでなく、『ドラゴンボール』でシコるという発想がなかった当時の子供たちも、時を経るにつれて実は18号やパンちゃんはシコれるということに気づき、ズリネタとしての有用性が検討されるようにもなったわけですから、最後にはビーデルさん(非処女)の子宮が大きくクローズアップされるのも不思議ではありませんし、先ほど触れたようにマイ(処女)が幼女化していたことも決して無意味なことではありませんでした。
つまり何が言いたいかといいますと、超サイヤ人ゴッドを生み出す儀式のためにビーデルさん(非処女)が子宮の部分を軽くさすりながら輪に加わるシーンに妙な艶めかしさとともに生々しさがにじみ出ており勃起を促すのに十分だったということです。(何なんでしょうね、トランクスの存在に関しては特に何とも思わなかったし、パンちゃんの存在も知ってはいたはずなんですが、上述のシーンや、その前の、ビーデルさんのお腹に子供がいることを最初にデンデが看破するシーンなんかで、「おう、ビーデルさん中出しされたんやな」と妙な感慨を得てしまったわけですが、何なんでしょうね。)


ところで、サイヤ人には「瀕死」の状態から回復することによって戦闘力が上昇するという特性があることを皆さんはご存知でしょうか。この設定が後の戦闘力インフレを引き起こすんですね。
そうしたこととは一切合切まったくもって何の関係もない話なんですが、4月14日に開催される第十六回文学フリマin大阪において、とある薄い本が頒布されます。


別冊シンシアニメ ヒンシアニメ

20130330005758.jpg

日時:2013年4月14日(日) 11:00~16:00
会場:堺市産業振興センター イベントホール
配置番号:G-13(自慰しすぎて会社倒産
価格:500円



ちょっとだけですがシンシアニメの既刊分も持っていきますので、文フリにお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
以上。

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