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2024年7月28日 (日)

常に働くは養性なるべし

最低賃金

 全国平均の時給が1054円に上がりました。5%近い上昇率です。それでも、フルタイムの労働者の賃金中央値に対する割合は45.6%と、フランス、イギリス、ドイツと比べて、15~7ポイントも低い状況なのです。これほど最低賃金が抑制されてきたのは、経済が停滞してきた20年以上の結果だと思いますが、多くの労働者が雇用される中小企業の生産性が上がらなければ、賃金上昇も実現できないでしょう。最低賃金の上昇に耐えられないような企業は退場するしかないのですが、新たな企業による雇用の創出を、どこまで期待できるのでしょうか?日本経済全体としては、成長に向かえるのでしょうか?作戦全体が明らかにならないと、単に政府の方針に沿って、最低賃金がインフレ率を超えた伸びに設定されたというだけに終わってしまいます。

 

サッカー観戦術

 「林陵平のサッカー観戦術」(平凡社)は、一味違う観戦の仕方を教えてくれます。序盤に、両チームの戦術の基本を把握することを勧めています。特に、攻撃・守備とその切り替えの時に、、チームとしてどこをどう狙っているのかが分かります。お互いのシステムの違いで、有利なところを生かし、不利なところを補うというベンチの作戦にも注目します。選手交代による試合の流れの変化も重要な見どころです。システム(初期配置)の考え方についての解説も面白いと思います。4-4-2(バランス型)、4-3-3(攻撃重視型)といった選手の並びのことです。現在は、初期配置を狙いに合わせて変更する可変システムが隆盛です。強いチームがどのようにシステムを変更しながら勝利を目指そうとしているのかは、観戦術の重要なポイントです。著者は、現代サッカーをリードする世界的な監督たちも紹介しています。出身国は、スペイン、イタリア、ドイツ、アルゼンチン、ポルトガルです。イギリス、フランス、ブラジルなどの強豪国からの人がいないのは意外です。日本も、世界的な監督を生み出したいものです。Jリーグの解説でも、得点シーンや個々のプレーばかりに注目するのではなく、チームの作戦や選手起用の効果に重点を置くべきだと感じます。監督で勝つチームが出て来ると面白いと思います。

 

フランスと日本の文化格差

 オリンピックの開会式を比較すれば、日本とフランスには、スッポンと月ほどの差がありました。個々のパフォーマンスにも格差を感じましたが、全体構成の巧みさ、メッセージの豊かさ、五感に訴える効果など、子供と大人の差がありました。日本は、過去と土俗性に頼る傾向があり、全てに凡庸でした。フランスは、ゴシックまで取り入れた革新性に傾斜した構成が意識されていました。出演者も、取り上げるテーマも、衣裳・デザインも、演技も音楽も、質の高い多様性を示していました。外国人のテニス選手、歌手も参加して、国際都市パリを印象づけたと感じます。動画とライブを組み合わせて放送していましたが、動画の部分では、特に、フランスのブランドをそれとなく紹介して、世界への宣伝活動を行っていたのにも感心しました。PR効果としては絶大です。なかなか狡賢いやり方です。やはりフランスには文化の面で勝てそうにありません。

 

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