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2011年8月 5日 (金)

学習教材5.人事評価制度を有効に使う

1.    ケース

(1)  Aさんは、大学事務局の課長である。人事評価制度が導入されて数年たっている。期首と期末に職員と面談する機会ができたことは良かったが、どうすれば制度の趣旨を生かすことができるのか思い悩んでいる。特に、職員の中に、他人からの評価に比べて自己評価が高過ぎる者がいるので、手を焼いている。

(2)  Bさんは、評価を行う以上客観的な基準で各人の業務成績を測定して、私心を挟まず成績に差をつけて、結果を処遇に反映してほしいと思っている。Aさんが、どのような方針で評価しているのか明らかにしないので、不満に感じている。自分の目標は、できるだけ高く設定してアピールしているつもりである。

(3)  Cさんは、どんなに客観的な基準を設定しても、評価には個人的に好き嫌いの要素が入り込むと不公平があると感じている。結果的に処遇に大きな差が付くと組織の和が乱れるので、反映もほどほどで良いと感じている。自分の目標も、決して高く設定しようと思わない。

(4)  Dさんは、別の課から異動してきて、制度の運用がかなり違っているので戸惑っている。以前の課では、目標に関して上から様々な注文がつき、自己評価についても具体的な根拠を示すように言われて書き直したりしたが、ここでは先輩から「適当に書いておけば何も言われないからいいよ」と教えられて、こんなに課ごとに運用に違いがあって事務職員全体の評価が適切に行われるはずがないと、制度自体に不信感を感じて始めている。

(5)  Eさんは、期首と期末の面談でAさんと話すくらいで、日ごろから自分の仕事ぶりをAさんがどう評価しているのか、良くわからないと感じている。自分では勤務時間内に仕事をミスなく仕上げて成果を上げているつもりだが、不要な残業を毎日のようにして忙しくみせかけている同僚の方を、Aさんが高く評価しているのではないかと不安に感じている。

2.    設問

(1)  Aさんの人事評価制度の運用については、どのような問題があるか。改善策としては、どのようなことが考えられるか。Aさんが特に問題だと感じている職員への対処法はどのようにすればよいだろうか。

(2)  Bさんの意見に対してどのように考えるか。また、Cさんの意見に対してどのように考えるか。さらに、BさんとCさんの考え方は相反するところがあるが、組織として人事評価制度を発展させるヒントとして、両者の意見をどのように活用できるだろうか。

(3)  Dさんの指摘する問題への解決策として、どのようなことをすればよいだろうか。また、Dさんとしては、どのような行動をすべきだろうか。

(4)  Eさんの指摘する問題への解決策として、どのようなことをすればよいだろうか。また、Eさんとしては、どのような行動をすべきだろうか。

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