電気自動車が問題解決にならない理由(要点と補足)
SDGsの目玉商品のひとつが電気自動車だが、電気自動車は全然持続可能ではない。その理由を解説した動画の要点を纏めてみた。この他にも「二酸化炭素排出量実質ゼロは持続可能ではない」とか「EVを造る原材料はどうするんだ」とか「EVを動かす電気はどうするんだ」とか、ツッコミどころは色々有るのだが、それらを置いたとしても、電気自動車には根本的な問題が有る。現在、EV開発で世界の先頭を走っているのは中国で(EVトップ企業のテスラもその恩恵を受けている)、今後のR&Dによって技術的な問題の幾つかは改善されるかも知れないが、それでも残る問題も有る。
Electric Cars Won't Change Anything, Here's Why
電気自動車(EV)は何故問題を解決するどころか悪化させるのか?
1)バッテリー
EVはばかでかいバッテリーを積んでいて、それで動く。
だがこのバッテリーは気温の変化にやたらと弱い。摂氏21°が最適だが、寒くても暑くてもエネルギーロスに繋がる。
またEVのバッテリーは劣化が早い。例えばテスラのモデルSは年2.3%で劣化するので、4年で90%まで劣化する。
なのでうっかり10年ものの中古EVを買ったりすると、本体の他に(何千ドルもする)新しいバッテリーも買わねばならない。
そして当然、破棄されたバッテリーの方も処理しなければならない。
2)火災リスク
EVのバッテリーは最適な環境であれば基本的に安全だ。つまり裏を返せば、最適でない(暑かったり寒かったり、路面状態が悪かったりする)環境では、突然燃え上がるリスクが有る。
世界中で電気バスがこうした炎上事故を起こしている。バスは路面状態の悪い所で集中的に使われる傾向が有るからだ。
EVが普及して一定の使用時間が経過すれば、多くのEVは時限爆弾と化す。トンネルの中や渋滞中に事故が起こったらと想像してみて頂きたい。
また火災が起きた場合に、消火に必要とされる水の量は以下の通り。
・平均的な内燃自動車:1,100ℓ。
・テスラのEV:11,000〜30,000ℓ(つまり内燃自動車の10〜26倍)。
EVが火災事故を起こせば、消防署によっては対処出来ないので、その場合は燃え盛る儘放置することになる。そうなると下の地面もやられるので、火災の度に舗装し直さなくてはならない。
3)道路疲労
こんな比較画像を見たことが有るだろう。ローマ人が造った道路は2,000年も保っているのに、アスファルト製の道路は数年でボロボロになる。
この理由は技術的なものではなく、車の交通だ。現代の道路は自動車向けに作られているが、人間と自動車とでは、道路に与えるダメージが桁違いだ。因みにテスラのモデルSの重さはシボレー・タホ(上から3番目)に近い。
つまりEVが普及すると、道路が受けるダメージは少なくとも2倍になる。当然、その補修の費用も嵩む。そして道路整備を怠ればその分火災が増える。
4)空間
そもそも自動車と云うのは本質的に非効率的であり、従って持続不能な移動方法だ。特に、誰も彼もが車を運転する様な状況では。
一例としてサンフランシスコの金門橋(6レーン)は1日に112,000台の車両を通すが、1台平均1.5人が乗っていると仮定すると、168,000人が通ることになる。
アスファルトやコンクリート舗装、交通用防護柵、照明、スロープ、遮音壁、跨線橋、地下道、動物横断路、標識、交通警察、事故対応、道路工事、点検、修景、清掃………これだけやって、ブダペスト地下鉄3号線(1日61万人)の1/3以下の人間しか運べない。
大規模な自動車インフラは、根本的に破綻したシステムなのだ。
この巨大な無駄は、自動車にバッテリーを放り込んでハイ終わりと云う訳には行かない。EVは寧ろ道路疲労を増加させることで、問題を悪化させることになる。
なら、本当の解決策は?
この問題を根本的に解決する方法は単純だ:公共交通。
列車やバス等は一人ひとりが車を運転するよりも現実的で便利な選択肢だ。都市部であれば自転車インフラも良い。人々は動き回るのに、いちいち車を持たずに済む自由を享受することが出来る。
EVを宣伝している政治家達は、自分達が何か環境に良いことをしていると云うポーズを取りたいだけで、実際に推進しているのは環境に悪いことだ。公共交通手段の充実をうっちゃらかして「環境に優しい自動車」なんぞを宣伝している連中は、全てエセ環境主義者だ。
Electric Cars Won't Change Anything, Here's Why
電気自動車(EV)は何故問題を解決するどころか悪化させるのか?
1)バッテリー
EVはばかでかいバッテリーを積んでいて、それで動く。
だがこのバッテリーは気温の変化にやたらと弱い。摂氏21°が最適だが、寒くても暑くてもエネルギーロスに繋がる。
またEVのバッテリーは劣化が早い。例えばテスラのモデルSは年2.3%で劣化するので、4年で90%まで劣化する。
なのでうっかり10年ものの中古EVを買ったりすると、本体の他に(何千ドルもする)新しいバッテリーも買わねばならない。
そして当然、破棄されたバッテリーの方も処理しなければならない。
2)火災リスク
EVのバッテリーは最適な環境であれば基本的に安全だ。つまり裏を返せば、最適でない(暑かったり寒かったり、路面状態が悪かったりする)環境では、突然燃え上がるリスクが有る。
世界中で電気バスがこうした炎上事故を起こしている。バスは路面状態の悪い所で集中的に使われる傾向が有るからだ。
EVが普及して一定の使用時間が経過すれば、多くのEVは時限爆弾と化す。トンネルの中や渋滞中に事故が起こったらと想像してみて頂きたい。
また火災が起きた場合に、消火に必要とされる水の量は以下の通り。
・平均的な内燃自動車:1,100ℓ。
・テスラのEV:11,000〜30,000ℓ(つまり内燃自動車の10〜26倍)。
EVが火災事故を起こせば、消防署によっては対処出来ないので、その場合は燃え盛る儘放置することになる。そうなると下の地面もやられるので、火災の度に舗装し直さなくてはならない。
3)道路疲労
こんな比較画像を見たことが有るだろう。ローマ人が造った道路は2,000年も保っているのに、アスファルト製の道路は数年でボロボロになる。
この理由は技術的なものではなく、車の交通だ。現代の道路は自動車向けに作られているが、人間と自動車とでは、道路に与えるダメージが桁違いだ。因みにテスラのモデルSの重さはシボレー・タホ(上から3番目)に近い。
つまりEVが普及すると、道路が受けるダメージは少なくとも2倍になる。当然、その補修の費用も嵩む。そして道路整備を怠ればその分火災が増える。
4)空間
そもそも自動車と云うのは本質的に非効率的であり、従って持続不能な移動方法だ。特に、誰も彼もが車を運転する様な状況では。
一例としてサンフランシスコの金門橋(6レーン)は1日に112,000台の車両を通すが、1台平均1.5人が乗っていると仮定すると、168,000人が通ることになる。
アスファルトやコンクリート舗装、交通用防護柵、照明、スロープ、遮音壁、跨線橋、地下道、動物横断路、標識、交通警察、事故対応、道路工事、点検、修景、清掃………これだけやって、ブダペスト地下鉄3号線(1日61万人)の1/3以下の人間しか運べない。
大規模な自動車インフラは、根本的に破綻したシステムなのだ。
この巨大な無駄は、自動車にバッテリーを放り込んでハイ終わりと云う訳には行かない。EVは寧ろ道路疲労を増加させることで、問題を悪化させることになる。
なら、本当の解決策は?
この問題を根本的に解決する方法は単純だ:公共交通。
列車やバス等は一人ひとりが車を運転するよりも現実的で便利な選択肢だ。都市部であれば自転車インフラも良い。人々は動き回るのに、いちいち車を持たずに済む自由を享受することが出来る。
EVを宣伝している政治家達は、自分達が何か環境に良いことをしていると云うポーズを取りたいだけで、実際に推進しているのは環境に悪いことだ。公共交通手段の充実をうっちゃらかして「環境に優しい自動車」なんぞを宣伝している連中は、全てエセ環境主義者だ。
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