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西側資本主義体制が女性に示す欺瞞:イラン最高指導者の演説(転載)

2024/12/18のイラン・メディアのParsToday日本語版の記事を転載。イランの女性人権問題について、イラン側のひとつの言い分。

 *このサイトはアクセス不能になる可能性が高いので、念の為全文を転載しておく。

 私は別に現在のイランの女性達の地位について肯定も否定もしない。それは基本的にイラン人の問題なのでイラン人が判断すればいいと思っている。私みたいな全くの部外者が知った風にあれこれ差し出口を挟んだところで何がどうなると云うのだろうか。だが西洋人の中には他国人も自分達と同じ考え方を受け入れなければ気が済まないと云う、宣教師的熱意と言うべきか、偏狭なイデオロギー的独善に凝り固まった人も多い様で、それは基本的にイランの内政問題であると云う大前提が軽視乃至無視されることが珍しくない。しかも帝国主義者達がイランの内政問題に付け込んで反体制派を支援して分裂を拡大して社会全体を不安定化させようとするものだから、余計に話がややこしくなっている。

 公平を期すならば、米英他は民主的に選出されたモサデク大統領を1953年にクーデターによって打倒し、独裁者シャーを復権させて、アムネスティに言わせるならば「世界最悪の人権記録」を誇る恐怖政治でイランを統治させた。1979年にホメイニ師が革命で権力を握ったのは、世俗的な指導者がそれまでに全員逮捕・投獄・暗殺されてしまって宗教的指導者しか人々を纏められる人物が残っていなかったから、と云う見方も出来る。要するに西洋はイランの人権状況について口出し出来る様な立場には全くない。

 序でに言うなら、女性弾圧で西洋から非難されているアフガニスタンのタリバンも、元はCIAに育成され国務省の後押しで権力の座に就いた組織だ。それ以前の世俗的な社会主義政権の下では、アフガンの女性は欧米並みの自由を享受していた。アフガンの女性の人権が後退したのは他ならぬ米帝の責任であって、彼等が女性の人権を気にしているフリをしているのは、非人道的な制裁を正当化する為の口実に過ぎない。
西側資本主義体制が女性に示す欺瞞:イラン最高指導者の演説



 イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は17日、同国の女性らとの面会で行った演説で、およそ2世紀前に米国が行った奴隷解放には「奴隷を南部の農地から北部の工場へ移すという隠された目的があった」とし、「今日のフェミニズムや女性の解放・権利といったスローガンの裏には、非人間的で政治的な目的がある。その中には明らかなものもあれば、後になって表に出てくるものもある」と語りました。

 【ParsTodayイラン】ハーメネイー師はこの日の演説で、イスラム教の預言者ムハンマドの娘であるファーテメ・ザフラーを「神の創造の驚異のひとつ」とした上で、「イスラムでは男女は互いを補い合う存在だ。よい生き方に到達するための努力や学問、文化、芸術、政治・社会的影響力、経済活動、国際問題などにおける思考・精神力においては両性の間に何ら違いはない」と述べました。



 ファーテメ・ザフラーの地位

 ハーメネイー師はファーテメ・ザフラーの人格について「創造の世界の驚異の顕現」とし、「この若い女性はその精神あるいは天使のような人格により、スンニ派・シーア派双方のハディースで『彼女の怒りは神の怒りであり、彼女の喜びは神の喜びである』と言われる地位にまで至ったことは驚くべきことだ」と述べました。

 他にも、父である預言者ムハンマドや夫のイマーム・アリーを困難にあっても支え続けたり、後にイマームとなるハサンやホセインを育て上げたことなどを特徴として挙げ、「その幼少期から若年期、結婚といった人生のあらゆる段階においてイスラム教徒女性として最高位かつ最良の手本だ」と称えました。



 資本主義体制と女性

 ハーメネイー師は世界に存在する様々な女性に対する見方について、「資本主義体制とそれに追随する政治家たちは、世界の有力メディアを掌握することで、見せかけの思想や人間主義を掲げて、その実女性に関して犯罪的かつ腐敗的な動機を持ち、不法な利益を得んとする意図を隠し持っている」としました。

 そして、こうした偽善を西側資本主義体制や植民地主義体制の常套手段とし、産業上の必要を補うために女性たちを男性よりも低賃金で工場で働かせ、それを「自由」「自立」といった言葉で粉飾してきたと指摘しました。

 その上で、およそ2世紀前に米国が行った奴隷解放には「奴隷を南部の農地から北部の工場へ移すという隠された目的があった」とし、「今日のフェミニズムや女性の解放・権利といったスローガンの裏には、非人間的で政治的な目的がある。その中には明らかなものもあれば、後になって表に出てくるものもある」と語りました。



 イスラム教と女性

 ハーメネイー師は、男女が対の存在であることがイスラム教における女性に関する最も重要な原則であるとし、コーランの各章句を引用しながら、男女が互いを補う存在であることを強調しました。

 ハーメネイー師はこれについて、男女が対になって補い合うことが家庭という第3の単位を構成する必要条件であるとし、「家庭を築くことは神の創造から来る伝統である。幸いなことにイランの文化においても家庭の重視はその強みと文化の深さを表している」と語りました。

 続いて、イスラム教における女性に関する第2の原則として「よい生き方に至る上で男女の違いは一切ない」ことを挙げました。そして「イスラムの見方では、男女は身体上の違いはあっても、思想や学問上の能力や可能性を限りなく持っている。このことは女性も男性と同じように学問、政治、社会、経済、国際、文化、芸術の各分野で活躍でき、また活躍すべきであることの理由となる」と述べました。

 ハーメネイー師はさらに「母親であることの精神的価値とそれへの敬意」をイスラムにおける女性の地位の第3の柱とし、「今日、一部の人々は資本主義体制や植民地主義体制、あるいは我々の社会にもいる悪意ある勢力の影響を受けて、母親であることに負のイメージを抱いている。しかし、母親であること、子供というひとりの人間を育てることは非常に価値があり、尊敬されるべきことだ。それゆえ、イスラムでは『天国は母親の足元にある』と言われ、母親を敬い愛しむことの大切さが繰り返し説かれている」と語りました。



 イスラム革命後の女性

 ハーメネイー師はまた、1979年のイラン・イスラム革命後に信心深く知的で活発な女性が様々な分野に進出したことについても、イスラムの女性観が根底にあるとしました。

 ハーメネイー師はこれについて、革命後に女性の学者や大学教授、詩人、芸術家らが数多く誕生したことは革命前とは比較にならないとし、「敵はそれゆえ、この革命を頓挫させるには戦争や空爆、民族主義、暴動といった物理的手段ではなし得えないことをいち早く悟り、プロパガンダや真実とかけ離れたスローガンを拡散することにした」と述べました。



 抵抗について

 ハーメネイー師はこの日の演説の最後に現在の西アジア情勢についても触れ、「敵はシリアでの出来事や米・イスラエルが行っている犯罪をもってして、抵抗運動は終わったと夢想しているが、それは間違いだ」「(ヒズボッラーの)ナスロッラー師や(ハマスの)シンワル氏の魂は生きている。彼らの身体は無くなったが、その思想や辿った道は残り続ける」と述べました。

 そして、「イスラエルはシリアを通じてヒズボッラーを包囲できると思い込んでいるが、根絶やしにされるのはイスラエルの方だ」と述べました。

 この日はハーメネイー師の演説の前に、出席した女性らのうち6名が「模範的な革命思想のイスラム女性」「SNS、女性、家庭、子供」「家庭の強化による人口問題の解決」などそれぞれのテーマで講演しました。

 また、レバノンからは2人の子供を殉教で失った女性が抵抗の枢軸代表として出席しました。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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