ペルーのクーデター議会は支持率6%、不支持率91%(但し米国は全面支援)(抄訳)
ベン・ノートン氏の記事の抄訳。自称民主主義陣営なるものが実際には反民主主義・新植民地主義陣営であることがよく解る事例。
Peru’s coup-plotting congress has 6% approval, 91% disapproval (but full US backing)
これまでの経緯
2022/12/07、民主的に選出された左派大統領ペドロ・カスティージョが議会クーデターによって追放された。軍は彼を逮捕し、適正手続き無しで懲役18か月を言い渡した。
元CIAの駐ペルー米国大使リサ・ケンナはクーデターを強く支持し、選挙で選ばれていないディナ・ボルアルテ大統領と緊密に協力して来た。
ボルアルテ軍事政権は大規模なデモを暴力的に弾圧し、60人以上のデモ参加者を殺害した。
ペルー人の世論調査結果
で、ペルー研究協会が2023年3月に行った世論調査に拠ると:
・以前から腐敗で悪名高いクーデターを起こした議会の支持率は僅か6%で、不支持率は91%。
都市部と農村部の間に差異は無く、左派だと議会支持率は4%、不支持率は93%。右派でも支持率10%、不支持率88%と云う惨憺たる有様。
・選挙で選ばれていない大統領ディナ・ボルアルテに対する支持率は僅か15%で、不支持率は78%。
より富裕な層が住む首都リマではやや支持率が高いが、それでも支持率は18%、不支持率は72%となっている。
ボルアルテを擁護する為にフェミニスト的なレトリックが使われることも有るが、女性の間での彼女の支持率は僅か11%で、不支持率は79%だった。
男性の場合は、支持率18%、不支持率76%。
ペルー研究協会とは
この世論調査を実施した組織は、決して親カスティージョ的なのではない。カスティージョ政権時代、同組織は寧ろかなり敵対的だった。
この組織はペルーの経済エリート層を代表しているが、資金提供者には、クーデターを支援した西洋諸国政府やCIA関連組織が名を連ねている。
・米国国際開発庁(USAID)
・カナダ国際開発庁(CIDA)
・ドイツ国際協力庁(GIZ)
・英国大使館
・世界銀行
・オープン・ソサエティー財団
・フォード財団
・ロックフェラー財団、等々。
そんな組織であってもこんな調査結果が出たと云うことは、クーデター政府がペルー人民には全く人気が無いと云うのは、否定し様の無い圧倒的な事実だと云うことだ。
クーデターの国際的評価
ラテンアメリカとカリブ海の少なくとも14ヵ国がペルーのクーデターを非難している。
但し、民主的な正当性を欠落させたこのクーデター政権は、米国とカナダからの全面支援を受けている。
現在、米国、カナダ、スイス、オーストラリアの企業はペルーで重要な鉱業権益を有しており、ペルーの政治に大きな影響力を及ぼしている。
ペルーには銅、金、亜鉛、銀、鉛、鉄、天然ガスが豊富に埋蔵されているが、米国大使はクーデター以降、外国企業の「投資」について、鉱業・エネルギー大臣等と話し合って来た。
他方カスティージョ氏は、米国が支援するアルベルト・フジモリ極右独裁政権が起草した、新自由主義的経済政策を組み込んだペルー憲法を書き換える為の民主的プロセスを組織しようと考えていた。
カスティージョ氏は外国鉱山会社への増税を提案し、その収益を医療、教育、社会プログラムの資金に充てたいと考えていた。また彼を擁する社会主義政党ペルー・リブレ党の議員達は、ペルーの膨大な鉱物資源を国有化するよう求めていた。
ペルーは世界第2位の銅生産国であり、世界の銅生産量の10%を占めている。また対ロシア制裁によってロシアから欧州へのガス供給が減少してからは、ペルーは欧州に対するエネルギー輸出を増やしている。
Peru’s coup-plotting congress has 6% approval, 91% disapproval (but full US backing)
これまでの経緯
2022/12/07、民主的に選出された左派大統領ペドロ・カスティージョが議会クーデターによって追放された。軍は彼を逮捕し、適正手続き無しで懲役18か月を言い渡した。
元CIAの駐ペルー米国大使リサ・ケンナはクーデターを強く支持し、選挙で選ばれていないディナ・ボルアルテ大統領と緊密に協力して来た。
ボルアルテ軍事政権は大規模なデモを暴力的に弾圧し、60人以上のデモ参加者を殺害した。
ペルー人の世論調査結果
で、ペルー研究協会が2023年3月に行った世論調査に拠ると:
・以前から腐敗で悪名高いクーデターを起こした議会の支持率は僅か6%で、不支持率は91%。
都市部と農村部の間に差異は無く、左派だと議会支持率は4%、不支持率は93%。右派でも支持率10%、不支持率88%と云う惨憺たる有様。
・選挙で選ばれていない大統領ディナ・ボルアルテに対する支持率は僅か15%で、不支持率は78%。
より富裕な層が住む首都リマではやや支持率が高いが、それでも支持率は18%、不支持率は72%となっている。
ボルアルテを擁護する為にフェミニスト的なレトリックが使われることも有るが、女性の間での彼女の支持率は僅か11%で、不支持率は79%だった。
男性の場合は、支持率18%、不支持率76%。
ペルー研究協会とは
この世論調査を実施した組織は、決して親カスティージョ的なのではない。カスティージョ政権時代、同組織は寧ろかなり敵対的だった。
この組織はペルーの経済エリート層を代表しているが、資金提供者には、クーデターを支援した西洋諸国政府やCIA関連組織が名を連ねている。
・米国国際開発庁(USAID)
・カナダ国際開発庁(CIDA)
・ドイツ国際協力庁(GIZ)
・英国大使館
・世界銀行
・オープン・ソサエティー財団
・フォード財団
・ロックフェラー財団、等々。
そんな組織であってもこんな調査結果が出たと云うことは、クーデター政府がペルー人民には全く人気が無いと云うのは、否定し様の無い圧倒的な事実だと云うことだ。
クーデターの国際的評価
ラテンアメリカとカリブ海の少なくとも14ヵ国がペルーのクーデターを非難している。
但し、民主的な正当性を欠落させたこのクーデター政権は、米国とカナダからの全面支援を受けている。
現在、米国、カナダ、スイス、オーストラリアの企業はペルーで重要な鉱業権益を有しており、ペルーの政治に大きな影響力を及ぼしている。
ペルーには銅、金、亜鉛、銀、鉛、鉄、天然ガスが豊富に埋蔵されているが、米国大使はクーデター以降、外国企業の「投資」について、鉱業・エネルギー大臣等と話し合って来た。
他方カスティージョ氏は、米国が支援するアルベルト・フジモリ極右独裁政権が起草した、新自由主義的経済政策を組み込んだペルー憲法を書き換える為の民主的プロセスを組織しようと考えていた。
カスティージョ氏は外国鉱山会社への増税を提案し、その収益を医療、教育、社会プログラムの資金に充てたいと考えていた。また彼を擁する社会主義政党ペルー・リブレ党の議員達は、ペルーの膨大な鉱物資源を国有化するよう求めていた。
ペルーは世界第2位の銅生産国であり、世界の銅生産量の10%を占めている。また対ロシア制裁によってロシアから欧州へのガス供給が減少してからは、ペルーは欧州に対するエネルギー輸出を増やしている。
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