【竹橋・千石】鏑木清方と六義園の紅葉ライトアップ(前編)
- 2019/12/06
- 08:36
六義園に行く前に鏑木清方(かぶらき・きよたか)の幻の「築地明石町」を見に東京国立近代美術館に行きました。
母は晩年になって、美術館めぐりが趣味になったようです。テレビでよさそうなものを紹介していると、「行こう!」と言います。
東京国立近代美術館に行くために池袋を歩いていると、11月27日から路線運行を開始したイケバス(豊島オムニバス)に出会いました。
池袋の主要スポットをつなぐ電気バスで、排ガスゼロです。定員は22名。1台ずつ手作りの車両だとか。車輪が5つあるのがかわいいところ。
Aルートは、豊島区役所、南池袋公園を経由し、Bルートは、池袋駅西口(北)、池袋駅西口(中央)を経由します。今度乗ってみたいなと思うのですが、定員が22名なので、当分は乗れそうにない!?
竹橋にある東京国立近代美術館に着きました。
これが鏑木清方の幻の「築地明石町」です。
入館チケット。
「築地明石町」を見る前に入口に置いてあったチラシ。横浜美術館で開催中の「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」。来年の1月13日までやっているので、見に行こうと思います。アクセスは、みなとみらい線「みなとみらい駅」です。
チラシの絵は「ピアノを弾く少女たち」。大好きな作品。同時代の詩人ステファヌ・マラルメは、この作品を「成熟期のもっとも自由で、いかにもじっくりと落ち着きのある作品」と評しています。
帰りには、みなとみらい線「新高島駅」臨港パーク口より徒歩7分のところにあるOKストアのオーケー食堂・旬というフードコートにも寄ろうと思います。
お手頃価格の定食屋で、オーケーの売場で販売しているおすすめの商品を使用したものが食べられます。営業時間が11時から17時(16時ラストオーダー)と短いので、気をつけなければなりません。
大海老と野菜の天丼。600円。A4和牛 ローストビーフ丼。900円。オリーブオイル香るまぐろアボカド丼。800円。こんなものが食べられるみたい。食べるとしたら、ローストビーフ丼だな。ローストビーフが真っ赤でおいしそうなんだもん。
みなとみらい駅から三つ目の終点・元町・中華街駅まで行き、重慶飯店で、おいしい中華菓子も買って来よう!
三菱一号館美術館で、来年の1月20日まで開催中の「印象派からその先へー」。世界に誇る吉野石膏コレクション展です。優しく、親しみやすい作品が多く、フランス近代絵画の流れを一望できるものだそう。
ルノワールの初期から晩年までの重要な作品、モネの「睡蓮」やピサロ、シスレー、セザンヌの詩情豊かな風景画、ドガ、カサットによるパステル画、ピカソの肖像画、国内有数の質と量を誇るシャガールの油彩画など、選りすぐりの72点が一堂に会します。
本展は、石膏ボードでおなじみの大手建材メーカー・吉野石膏株式会社による、珠玉のコレクションです。
「鏑木清方 幻の〈築地明石町〉特別公開」は、12月15日までやっているのですが、なぜ、「築地明石町」が幻なのか? 歴史に残る近代日本画の名作であるにもかかわらず、1975年以来44年もの間、所在不明になっていたのでした。
戦火を免れた「築地明石町」が鏑木清方の元にもたらされたのは、1955年のことでした。その後、しばしば、展覧会に出品されるようになったのですが、サントリー美術館で3回に渡って開催された「回想の清方」を最後に「築地明石町」は忽然と姿を消します。
以来44年間、多くの人が「築地明石町」の再登場を待ちわびていました。発見されたのは今年になってから。展覧会では、「築地明石町」のモデルの江木ませ子のポートレートも4点展示されていました。清方夫人の女学校時代の友人だそう。とても美人です。
「築地明石町」は、「新富町」「浜町河岸」と三部作なのですが、指輪をはめた女性の指先のほんのりとした色合いが素敵だそうですが、見逃してしまいました。残念。細く繊細に描かれた後れ毛(おくれげ)は色気を感じます。
直接、作品と向き合わないと感じることのできない、白肌や黒髪の美しい質感は必見です。
この展覧会では、鏑木清方が小説家の川口松太郎に贈った、女性を描いた作品・「鶴八」も特別公開。1935年に川口松太郎は、「鶴八鶴次郎」ほかの作品で、第一回直木賞を受賞しました。
東京国立近代美術館に作品を寄贈してくれたのは、鑑定番組の出演で知られる中島誠之助氏です。
中島氏は、「築地明石町」が東京国立近代美術館に収蔵されたというニュースを見て、寄贈したそう。「鶴八」はこれまで、展覧会に出品された記録のない作品です。
重要文化財の「明治風俗十二ヶ月」「三遊亭円朝像」も見所。「明治風俗十二ヶ月」は滋賀県立近代美術館からお借りして展示しているのですが、月次絵(つきなみえ)という、12ヵ月の行事や風俗の推移などを画題として選び出し、日の順に並べて描いた連作です。
「明治風俗十二ヶ月」の中の氷店(八月)も素敵な絵です。お店の女性が、かんなのようなもので氷を削り、かき氷を作る姿が情緒豊かに、また涼しげに描かれています。
また手前には、シロップらしきものまで描き込まれています。かき氷は、明治のいつ頃からか夏の風物詩として、一般の人たちに馴染み深いものとなっていたようですね。
淡く、ミステリアスな明治の女性の美と、驚くほど緻密な情報が込められた作品を間近で見られる貴重な機会。ご興味のある方は、是非、足をお運びください。
ミュージアムショップでは、新しく作成した三部作が加わりました。全部で12種類あります。一枚100円のポストカードを4枚買いました。左から二番目が「明治風俗十二ヶ月 氷店(八月)」です。
一番左は、「築地明石町」と三部作の「新富町」。「築地明石町」は、アップと引きの両方を買いました。髪が桃割れの少女を描いた「浜町河岸」は買いませんでした。三部作なんですから、買ってくればよかった。
鎌倉の小町通りにある鏑木清方美術館にも行こうと思います。小町通りのコクリコという人気のクレープ屋さんは、母の中学・高校時代のお友達がやっているお店。ひさびさの再会が楽しみです。
見終わった後、大手町の立ち食いそば屋さん・めとろ庵に入りました。もう4時です。お昼をまだ食べてなかった。椅子席があったので、休憩できて、よかったです。母も私も、410円のたぬきうどんにしました。
このお店なりにこだわりがあるようです。新橋の烏森口にある、生そば 讃岐うどんのかのやほど、おいしくはありませんでしたが、お腹が空いていたので、満足。六義園に行けそうです。
千石にある六義園に着きました。国指定特別名勝です。五代将軍・徳川綱吉の寵臣(ちょうしん)・柳澤吉保(やなぎさわ・よしやす)によって作られた和歌の趣味を基調にした回遊式庭園です。
江戸時代に造られた大名庭園の中でも代表的なもので、明治期には三菱の創始者である岩崎弥太郎の別邸にもなりました。
庭園は、歌人たちによって詠まれてきた「万葉集」「古今和歌集」などの景勝地(歌枕)や紀州(現在の和歌山県)の「和歌の浦」の風景のほか、「梵」「中国古典」にちなんだ景観が映し出されています。
イロハカエデ約400本、ハゼノキやイチョウ約560本が庭園を鮮やかに彩り、山や池が配され、園内のいたる所で紅葉が楽しめます。
抹茶茶屋・心泉亭で小休止。
庭園を見ながら、練り切りとお抹茶をいただきました。
母は晩年になって、美術館めぐりが趣味になったようです。テレビでよさそうなものを紹介していると、「行こう!」と言います。
東京国立近代美術館に行くために池袋を歩いていると、11月27日から路線運行を開始したイケバス(豊島オムニバス)に出会いました。
池袋の主要スポットをつなぐ電気バスで、排ガスゼロです。定員は22名。1台ずつ手作りの車両だとか。車輪が5つあるのがかわいいところ。
Aルートは、豊島区役所、南池袋公園を経由し、Bルートは、池袋駅西口(北)、池袋駅西口(中央)を経由します。今度乗ってみたいなと思うのですが、定員が22名なので、当分は乗れそうにない!?
竹橋にある東京国立近代美術館に着きました。
これが鏑木清方の幻の「築地明石町」です。
入館チケット。
「築地明石町」を見る前に入口に置いてあったチラシ。横浜美術館で開催中の「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」。来年の1月13日までやっているので、見に行こうと思います。アクセスは、みなとみらい線「みなとみらい駅」です。
チラシの絵は「ピアノを弾く少女たち」。大好きな作品。同時代の詩人ステファヌ・マラルメは、この作品を「成熟期のもっとも自由で、いかにもじっくりと落ち着きのある作品」と評しています。
帰りには、みなとみらい線「新高島駅」臨港パーク口より徒歩7分のところにあるOKストアのオーケー食堂・旬というフードコートにも寄ろうと思います。
お手頃価格の定食屋で、オーケーの売場で販売しているおすすめの商品を使用したものが食べられます。営業時間が11時から17時(16時ラストオーダー)と短いので、気をつけなければなりません。
大海老と野菜の天丼。600円。A4和牛 ローストビーフ丼。900円。オリーブオイル香るまぐろアボカド丼。800円。こんなものが食べられるみたい。食べるとしたら、ローストビーフ丼だな。ローストビーフが真っ赤でおいしそうなんだもん。
みなとみらい駅から三つ目の終点・元町・中華街駅まで行き、重慶飯店で、おいしい中華菓子も買って来よう!
三菱一号館美術館で、来年の1月20日まで開催中の「印象派からその先へー」。世界に誇る吉野石膏コレクション展です。優しく、親しみやすい作品が多く、フランス近代絵画の流れを一望できるものだそう。
ルノワールの初期から晩年までの重要な作品、モネの「睡蓮」やピサロ、シスレー、セザンヌの詩情豊かな風景画、ドガ、カサットによるパステル画、ピカソの肖像画、国内有数の質と量を誇るシャガールの油彩画など、選りすぐりの72点が一堂に会します。
本展は、石膏ボードでおなじみの大手建材メーカー・吉野石膏株式会社による、珠玉のコレクションです。
「鏑木清方 幻の〈築地明石町〉特別公開」は、12月15日までやっているのですが、なぜ、「築地明石町」が幻なのか? 歴史に残る近代日本画の名作であるにもかかわらず、1975年以来44年もの間、所在不明になっていたのでした。
戦火を免れた「築地明石町」が鏑木清方の元にもたらされたのは、1955年のことでした。その後、しばしば、展覧会に出品されるようになったのですが、サントリー美術館で3回に渡って開催された「回想の清方」を最後に「築地明石町」は忽然と姿を消します。
以来44年間、多くの人が「築地明石町」の再登場を待ちわびていました。発見されたのは今年になってから。展覧会では、「築地明石町」のモデルの江木ませ子のポートレートも4点展示されていました。清方夫人の女学校時代の友人だそう。とても美人です。
「築地明石町」は、「新富町」「浜町河岸」と三部作なのですが、指輪をはめた女性の指先のほんのりとした色合いが素敵だそうですが、見逃してしまいました。残念。細く繊細に描かれた後れ毛(おくれげ)は色気を感じます。
直接、作品と向き合わないと感じることのできない、白肌や黒髪の美しい質感は必見です。
この展覧会では、鏑木清方が小説家の川口松太郎に贈った、女性を描いた作品・「鶴八」も特別公開。1935年に川口松太郎は、「鶴八鶴次郎」ほかの作品で、第一回直木賞を受賞しました。
東京国立近代美術館に作品を寄贈してくれたのは、鑑定番組の出演で知られる中島誠之助氏です。
中島氏は、「築地明石町」が東京国立近代美術館に収蔵されたというニュースを見て、寄贈したそう。「鶴八」はこれまで、展覧会に出品された記録のない作品です。
重要文化財の「明治風俗十二ヶ月」「三遊亭円朝像」も見所。「明治風俗十二ヶ月」は滋賀県立近代美術館からお借りして展示しているのですが、月次絵(つきなみえ)という、12ヵ月の行事や風俗の推移などを画題として選び出し、日の順に並べて描いた連作です。
「明治風俗十二ヶ月」の中の氷店(八月)も素敵な絵です。お店の女性が、かんなのようなもので氷を削り、かき氷を作る姿が情緒豊かに、また涼しげに描かれています。
また手前には、シロップらしきものまで描き込まれています。かき氷は、明治のいつ頃からか夏の風物詩として、一般の人たちに馴染み深いものとなっていたようですね。
淡く、ミステリアスな明治の女性の美と、驚くほど緻密な情報が込められた作品を間近で見られる貴重な機会。ご興味のある方は、是非、足をお運びください。
ミュージアムショップでは、新しく作成した三部作が加わりました。全部で12種類あります。一枚100円のポストカードを4枚買いました。左から二番目が「明治風俗十二ヶ月 氷店(八月)」です。
一番左は、「築地明石町」と三部作の「新富町」。「築地明石町」は、アップと引きの両方を買いました。髪が桃割れの少女を描いた「浜町河岸」は買いませんでした。三部作なんですから、買ってくればよかった。
鎌倉の小町通りにある鏑木清方美術館にも行こうと思います。小町通りのコクリコという人気のクレープ屋さんは、母の中学・高校時代のお友達がやっているお店。ひさびさの再会が楽しみです。
見終わった後、大手町の立ち食いそば屋さん・めとろ庵に入りました。もう4時です。お昼をまだ食べてなかった。椅子席があったので、休憩できて、よかったです。母も私も、410円のたぬきうどんにしました。
このお店なりにこだわりがあるようです。新橋の烏森口にある、生そば 讃岐うどんのかのやほど、おいしくはありませんでしたが、お腹が空いていたので、満足。六義園に行けそうです。
千石にある六義園に着きました。国指定特別名勝です。五代将軍・徳川綱吉の寵臣(ちょうしん)・柳澤吉保(やなぎさわ・よしやす)によって作られた和歌の趣味を基調にした回遊式庭園です。
江戸時代に造られた大名庭園の中でも代表的なもので、明治期には三菱の創始者である岩崎弥太郎の別邸にもなりました。
庭園は、歌人たちによって詠まれてきた「万葉集」「古今和歌集」などの景勝地(歌枕)や紀州(現在の和歌山県)の「和歌の浦」の風景のほか、「梵」「中国古典」にちなんだ景観が映し出されています。
イロハカエデ約400本、ハゼノキやイチョウ約560本が庭園を鮮やかに彩り、山や池が配され、園内のいたる所で紅葉が楽しめます。
抹茶茶屋・心泉亭で小休止。
庭園を見ながら、練り切りとお抹茶をいただきました。
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