ある業務ができるかどうか判らない、そんなときにどうしよう?というお話。
【前ふり】
Web担当者Forum
「ウェブ担当者の知らない世界2。外資も大企業も看板ほどではない……ことがある」
大きな企業でも不誠実な担当者や低能な担当者はいる、という話。まあ、こうまとめてみると当然といえば当然で、webに限った話ではないだろう。
いくつか事例が挙げられているのだが、「DNSサーバーを知らない大企業のウェブ担当者」「レンタルサーバーを引っ越せない「ウェブプロデューサー」」の部分が興味深かった。
まあ最初の「「入札価格」を知らない外資系コンサルタント」についても、本当に知らなかったのか、クライアントを騙す気だったのか判らないという点が興味深いけれど。
livedoor ディレクター Blog
「エンジニアは魔法使い」という幻想
にもあるように、ディレクターやプロデューサーやコンサルは、べつにエンジニア同等のスキルを持っているわけではない。まあ他の業務についてもその専門職ほどの技術はないのが普通だろう。自分の出自分野があるなら別だが。
なので通常、ディレクター(なりなんなり)が「やります」というのは「(自分が)やります」ではなく、「(できる人が対応するようにアサインと管理を)やります」という意味だ。
上記Web担当者Forumの記事に戻ると、担当者はDNSサーバーを知らないでも実は問題ないのだ。いや、プロとしての水準を考えると問題あるけど、実務には差し障りがない。
というのも、「DNSサーバーを知らない」のはレベルが低いにしても、仕事をしていて知らないこと、初めて知ることは多いからだ。ただ、ディレクターが「ちゃんと解る、できる人」を見付けて来れば、それで上手く仕事は回る。ディレクターの手腕の何割かはそうした「ライトスタッフ集め」である。
なので、上記Web担当者Forumの記事に出てきた(コンサル以外の)人たちの問題は知識やスキルの有無ではなく、しかるべき人材を探さなかった、見付けられなかった、という点だろう。あと、バックレたことな。
【本題】
で、ディレクターが自分にとって未知な業務を頼まれたらどうするのが誠実かを考えてみる。
その0:不勉強を謝罪し、教えを請う
→概略くらいは教えてくれたりする。ただし自分の、ひいては制作スタッフ全体のスキルに疑問を持たれたりすることもあるので、リスクがある。やらなくてもいい。
その1:あとで調べる
→検索するなり、書籍をあたるなりして「どういう意味か?」くらいは知っておく。
その2:ちゃんと解る、できる人を探す
→社内の制作者や外注の制作者のなかで、その分野に知識があり、対応できそうな人を探す。もしくは紹介してもらう。
これで発見できれば、問題ない。しかし、けっきょく見付からなかったor見付かったけど値段の折り合いが会わないor見付かったけど何らかの事情で引き受けてもらえなかった、という場合にどうするか。
というわけで
その3:ダメなことが判った段階で、すみやかにクライアントへ報告&謝罪する
→できないことをできる振りして、どうにもならなくなるまで黙っているほど悪質なことはない。露見した時点でクライアントからの信頼はゼロになる。「ダメでした」でもそういう可能性はあるが、できる振りしているよりはゼロになる可能性が低い。
実はこの「その3」を想定して、「その0」や「その1」の前にクライアントへ伝えておいた方がいいことがある。
その-1:実情を伝える
→おおよそ以下のように言えばいいかと思う。
「その業務は弊社で直接に手がけた経験がありません。お請けできそうかどうか、ひとまず検証するお時間をいただけませんか?」
このセリフには、次ぎのようなメッセージが込められている。
・できないかも
・といっても技術レベルが低いからじゃなく、たまたま直接やるような発注が今までなかっただけ
・だから、できるかも
これなら、そのセリフを聞いた段階でクライアント側はどうするか再考する余地が生まれるし、こちらは最小限の体面は保ちつつ、誠実でもあれる。少なくとも不誠実さは避けられる。
このセリフを口にした段階で、クライアントから「じゃあいいや」的な反応を返されることもあるだろうが、「やります」と言っておいて後から「出来てないじゃないか、このクソ野郎!あんぱんのおへそ!」と言われるよりは双方にとってマシである。
ちなみにこれを悪用して、出来ないことが最初からはっきりと判ってるのに、とりあえず上記セリフを言っておいて翌日とか翌々日とかに「無理でした」と伝えてはいけない。
あと、使いどころを間違えると「DNSサーバーを知らない」並みの恥ずかしいことになってしまうので注意して欲しい。
まあ、こんな話もweb業界に限ったことじゃなく、当然の話なんだろう。
【前ふり】
Web担当者Forum
「ウェブ担当者の知らない世界2。外資も大企業も看板ほどではない……ことがある」
大きな企業でも不誠実な担当者や低能な担当者はいる、という話。まあ、こうまとめてみると当然といえば当然で、webに限った話ではないだろう。
いくつか事例が挙げられているのだが、「DNSサーバーを知らない大企業のウェブ担当者」「レンタルサーバーを引っ越せない「ウェブプロデューサー」」の部分が興味深かった。
まあ最初の「「入札価格」を知らない外資系コンサルタント」についても、本当に知らなかったのか、クライアントを騙す気だったのか判らないという点が興味深いけれど。
livedoor ディレクター Blog
「エンジニアは魔法使い」という幻想
にもあるように、ディレクターやプロデューサーやコンサルは、べつにエンジニア同等のスキルを持っているわけではない。まあ他の業務についてもその専門職ほどの技術はないのが普通だろう。自分の出自分野があるなら別だが。
なので通常、ディレクター(なりなんなり)が「やります」というのは「(自分が)やります」ではなく、「(できる人が対応するようにアサインと管理を)やります」という意味だ。
上記Web担当者Forumの記事に戻ると、担当者はDNSサーバーを知らないでも実は問題ないのだ。いや、プロとしての水準を考えると問題あるけど、実務には差し障りがない。
というのも、「DNSサーバーを知らない」のはレベルが低いにしても、仕事をしていて知らないこと、初めて知ることは多いからだ。ただ、ディレクターが「ちゃんと解る、できる人」を見付けて来れば、それで上手く仕事は回る。ディレクターの手腕の何割かはそうした「ライトスタッフ集め」である。
なので、上記Web担当者Forumの記事に出てきた(コンサル以外の)人たちの問題は知識やスキルの有無ではなく、しかるべき人材を探さなかった、見付けられなかった、という点だろう。あと、バックレたことな。
【本題】
で、ディレクターが自分にとって未知な業務を頼まれたらどうするのが誠実かを考えてみる。
その0:不勉強を謝罪し、教えを請う
→概略くらいは教えてくれたりする。ただし自分の、ひいては制作スタッフ全体のスキルに疑問を持たれたりすることもあるので、リスクがある。やらなくてもいい。
その1:あとで調べる
→検索するなり、書籍をあたるなりして「どういう意味か?」くらいは知っておく。
その2:ちゃんと解る、できる人を探す
→社内の制作者や外注の制作者のなかで、その分野に知識があり、対応できそうな人を探す。もしくは紹介してもらう。
これで発見できれば、問題ない。しかし、けっきょく見付からなかったor見付かったけど値段の折り合いが会わないor見付かったけど何らかの事情で引き受けてもらえなかった、という場合にどうするか。
というわけで
その3:ダメなことが判った段階で、すみやかにクライアントへ報告&謝罪する
→できないことをできる振りして、どうにもならなくなるまで黙っているほど悪質なことはない。露見した時点でクライアントからの信頼はゼロになる。「ダメでした」でもそういう可能性はあるが、できる振りしているよりはゼロになる可能性が低い。
実はこの「その3」を想定して、「その0」や「その1」の前にクライアントへ伝えておいた方がいいことがある。
その-1:実情を伝える
→おおよそ以下のように言えばいいかと思う。
「その業務は弊社で直接に手がけた経験がありません。お請けできそうかどうか、ひとまず検証するお時間をいただけませんか?」
このセリフには、次ぎのようなメッセージが込められている。
・できないかも
・といっても技術レベルが低いからじゃなく、たまたま直接やるような発注が今までなかっただけ
・だから、できるかも
これなら、そのセリフを聞いた段階でクライアント側はどうするか再考する余地が生まれるし、こちらは最小限の体面は保ちつつ、誠実でもあれる。少なくとも不誠実さは避けられる。
このセリフを口にした段階で、クライアントから「じゃあいいや」的な反応を返されることもあるだろうが、「やります」と言っておいて後から「出来てないじゃないか、このクソ野郎!あんぱんのおへそ!」と言われるよりは双方にとってマシである。
ちなみにこれを悪用して、出来ないことが最初からはっきりと判ってるのに、とりあえず上記セリフを言っておいて翌日とか翌々日とかに「無理でした」と伝えてはいけない。
あと、使いどころを間違えると「DNSサーバーを知らない」並みの恥ずかしいことになってしまうので注意して欲しい。
まあ、こんな話もweb業界に限ったことじゃなく、当然の話なんだろう。
| ホーム |