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泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

ときおり「ブラウザやOSが違ったら見た目が違ってもいいじゃない」という意見を愚痴や冗談ではなく真面目に言っているらしい記事を目にする。個人の趣味のサイトについてではなく。どうも外国のオッサンがそういうことを主張しているらしいことに意を強くしているようだ。
まあ、行間や余白の類が微妙に違うくらいならやむを得ないし、クライアント側に理解も求められるのだが、それ以上ともなると、仮にクライアントが理解を示してくれたにしても…。そういった意見に対して表向きは賛同と賞賛を向けつつあてこすりと皮肉を書きたかったのだけれど、面倒になったので別の話を。

さて、今年最後の更新となる気配が濃厚なので、一つlivedoorディレクターBlogの記事を端緒に。思えば今年は、なんだかんだでこのブログはlivedoorディレクターBlogの記事を話の種にしたものが多いなあ。向こうにしてみれば変なのに粘着されていい迷惑だろうが。

で、今回は「コミュニケーション環境の最適化」という記事を読んで。

プロジェクトを進めていく中で何かトラブルがあったときに、原因を調べてみると「コミュニケーション不足(会話不足)だった」ということはないですか?

というところからスタートして、その対策として何をすればいいかを書いている。以下、上記記事の項目に沿って感想文。

■プロジェクトメンバーの人数をなるべく少なくしよう
 →「しよう」って書いてあるけど、好きでメンバーを増やしている人はそうそういない気がする。「多い方がいい」と思ってる人も社会人1年目くらいでほぼいなくなってる気もする。上記記事では特に「情報の共有量」が増えることを気にしているが、たぶん「情報を共有する対象」のことだろうと思う。理屈の上ではメンバーが何人だろうと、同じ仕事なら共有すべき情報の量は同じはずだろう。対象が多いときは同報メールを送るかMLでも作れば?というのはこちらが何か汲み取れてないんだろうなあ。ミーティングの日程調整が難しくなるってのは、あるけど。むしろ「必要ないのにやたら一枚噛みたがる人とかをどうやって穏便にメンバーから外すか」とかそういったところが読みたかった。

■コミュニケーションしやすい環境をつくろう
・席を近づける(フリーアドレス)

軽く相談したいけど部屋を取ってMTGするまでの話しでもないし、メールを書くほどのものでもない。そんな経験はよくあると思います。
 ライブドアでは通常の席を離れて、ディレクターとデザイナーがペアになって仕事をすることもあ

るのだそうで。私もそういう時は相手の席に行って、近くの空き机とかからイス持ってきて横に座って、一緒に画面を見ながら相談する。隣の席が空いてたらそこに座る。イスが調達できないときやスペースがないときは横に立つ。というか、自分に限らず普通はそうするんじゃないだろうか。まあ、ライブドアくらいの会社になるとフロアが広くて、そういう考え方では何か支障があるのかもしれない。

・朝飯、昼飯、飲み会をメンバーと共にしよう
 →私は飲み会はそうそう多くない方がいいのだけれど、昼食とかは確かに心楽しいときが多い。ちょいちょい行く。最近は弁当を持ってくるようになったので、前よりそういう機会が減った。少し残念だ。

■コミュニケーションをオープン化しよう
1対1で話し合ったときに気付かないことも。N対Nで話し合った方が正しい答えが導き出されるよ。特に課題や悩み事について。とのこと。まあ、N対Nで平場で話すと権力のある人や議論に強い人や声のでかい人に主導されて終わりみたいなこともあるけどね!逆に1対1で握りで話した方がいいことや、逆に1対1じゃないせいで、柔軟に後から「やっぱなし」みたいに(相手にだけそっと)言い出しづらくなることもあるけどね!いや、上記記事にあるように

情報をオープンにすることで、課題を解決してくれる人が自分の意図しないところから現われるかもしれません。逆に隠れた課題が見つかることもあります。

っていう効果もなくはないけど。けっこうTPOを選ぶ事柄だと思う。

オープンにできないクローズなプロジェクトだったとしても、ステークホルダーには常に情報をオープンにすることを心がけましょう。

まあ、自分や周囲の首を絞めない程度に。

以上。実にありきたりな話を展開してしまった。とはいえ、当ブログに書いてあることの大半はありきたりな話なので、いつものことですね。

私がいかに薄汚い思考の持ち主かがさらにハッキリしただけのようにも思えるが、ついでに言うと他人が一生懸命書いたものに、細かいところでネチネチ言い掛かり付ける小者ぶりを十全に発揮しただけのようにも思えるが、だいたい絡む相手が企業のやってるオフィシャル性の高いブログって時点でどうなのか?

まあ、自己批判は楽しいものなのでこのくらいにして、何が言いたかったかというと「上記記事の話って基本的に同じオフィスにいる身近な人が主体のプロジェクトであることが成功のカギだよね」ってことだ。唐突ですか?唐突ですね。


おまけ「コミュニケーション環境の非最適化」

■プロジェクトメンバーの人数をなるべく多くしよう
 →最低でも40人以上。それぞれ違う会社なり部署なりがいい。おまけに初対面。「あまり席にいない&連絡つかない」という人がなるべく多く含まれるように。うち半数以上が管理職だとなおよし。わりと年齢が高めで、「メールするくらなら電話で済まそう」という人も欠かせない。
 
■コミュニケーションしにくい環境をつくろう
・席を遠ざける
 →なるべくオフィスが違う、所在地も可能な限り離れた状況にする。同じオフィスの人同士は極力、直接関係しない役割になるよう工夫しよう。

・朝飯、昼飯、飲み会をメンバーと共にしないように
 →昼休みや出社時間、帰宅時間がバラバラになるよう仕事を割り振って。そもそも、ここまで書いたことが実践できていれば、容易にはお互いに会えないはず。飲み会などをするときは、気を利かせて先方の上司もむやみに招待しよう。
 
■コミュニケーションをクローズ化しよう
 →やりとりは主に電話か口頭。メールするときはなるべく一人に出す。もしくは意味もなく自分の上司をCCに入れておこう。複数人に同時に送るときは、ときどき一人か二人は入れ忘れるように。打ち合わせをするときは個別に、なるべく人気のない会議室(事前に押さえない方がよい)などで。共有フォルダや添付データなどは可能な限り細かくアクセス制限を。もちろん、相手にもそれを求めること。「セキュリティリスク回避のため~」とでも言っておけばいい。資料の類は基本的に紙だけで、元データはプリントアウト後に破棄しよう。

うん。こうやって書いてみると、「コミュニケーションをクローズ化しよう」以外は(意図的じゃないにしても)わりと実際にありそうな事態だなあ。
さて、前回「apolon.jpについて」の最後に書いたように、その続き。一つのテーマがあるわけではなく、断片的に考えたことを。

あれから数日の間にちょっと考えてみたのだけれど、とりあえず前回と今回の記事ではクラシファイド広告を「ちょっとした“募集or求む”情報」というイメージでいく。「広義のクラシファイド広告」と言った方がよいのだろうか。よく判らんが。

そもそもこうした情報は、かつてはタウン誌やミニコミ誌なんかで流通していた。まあ今もあるけれど、かつてに比べればずいぶんと占めている割合が減ったように思う。こうしたもののメリットって配布地域が限定されていたので募集主と読書の物理的な地域が近かったことにあると思う。
ネットで流通するこうした情報は、必ずしも情掲載されているものが閲覧者と地域的に近いとは限らないけれど、まあそこは地域別で絞り込むなりしてフィルタリングできる(そういえば、アポロンって地域検索ないのな)。

で、こういう情報を提供する場合の情報を求める人に対する勝負どころは「数」と「質」で、使い勝手だの他サイトとの連動だのAPIだの、そういったことは「数」と「質」が満たされてれば別に多少ヘボくても気にされない。逆に、「数」と「質」が満たされてないと、その他の要素がどれだけどうでも、満たされてないという問題を補えない。

で、あともう一つこうしたサービスが取り組むべき課題があって、それは「1ユーザあたりの情報を探す頻度や、必要とする情報数がそんなに多くない」という点。「あげます・ください」「売ります・買います」「人材募集・仕事募集」なんでもいいのだけど、1ユーザごとにそれを探す頻度ってのは限度がある。
たとえば「モバイル向けFlashゲーム開発したい」でも「釣竿欲しい」でも「大正琴はじめたい」でも、そうしうた1テーマに対して同じような募集が20も30あったってしょうがない。1件1件を検討して選ぶのは面倒だろう。上記「数」の多いことがなぜ大事かというと、
・活気の演出
・多様なニーズに応える
・探す側の期待感を高める
からであって、同じようなテーマや分野の情報がいくつも重複しててもしょうがない。まあ、あんまり少なくてもさびしいが、5~10もあれば充分じゃないだろうか。
というわけで、こうしたサービスは短期スパンリピートユーザを増やそうにも限界がある。むしろ新規のユニークユーザをどうやって増やしていくか、の方が取り組みとしては有効だろう。リピートユーザにしても意識すべきはむしろ長期スパンリピートユーザ。

ああ、気の利いたアイデアではないけど「短期スパンリピートユーザ」「長期スパンリピートユーザ」というのは今考えた。「短期スパンリピートユーザ」は「ヘビーユーザ」というか、頻繁にアクセス・利用するユーザ。「長期スパンリピートユーザ」は1回のアクセス・利用から次までの間が長いユーザ。この両者は同じサイトやサービスでも振舞いやニーズ、アピールポイントが全然違う。ただ「長期スパンリピートユーザ」は把握しにくいし新規ユニークユーザとも若干違うという意味で、なかなか「それ向け」の対応が難しい。だいたいは新規ユニークユーザ扱いされるか、無視される。ふむ。「長期スパンリピートユーザ」についても、今度少し考えてみようかな。

さておき。で、だ。えっと。ああ、こうしたクラシファイド広告のサイトやサービスには、日本国内でも既に大きな競合がいて、それがmixi。アポロンにしても日本版キジジにしても、同じ情報を探していて、アカウントさえ持ってればmixiのコミュニティで充分事足りる。あんまりクローズアップされている例を観たことないけど、あれがたぶん日本で最大のクラシファイド広告流通コミュニティで、地域ごとでも分野ごとでも、有償無償ともあれだいたいはまあ、わざわざ他のサイトに登録したりしないでも間に合う。「数」と「質」にバラつきが多いけれど、国内の他のクラシファイド広告サイトやサービスも現状では圧倒的優位性を持つほどのものではないように見える。

逆に、日本でそうしたサイトやサービスを展開するにはmixiのそうした情報流通に抗するだけの何かがないと、成功は難しい。まあ、細々とやっていくぶんにはどうにかなるかもしれないが。まあ、mixiを褒めたいわけではなく、膨大な人が集まって情報を遣り取りするコミュニティサイトとしては、自然な状況なんだろうな。英語圏でどうなのかは知らないが、FacebookとかMySpaceが実質的に強大な競合となっている可能性は高い。

そう考えると、地域限定のコミュニティサイトが日本でなかなか大成しないのは初期投入資本の少なさとか何とかよりも、mixiのコミュニティの存在が影響しているというにはありそうな気がする。GREEなんかもこういう話の俎上に上がってきそうだけれど、あれはまだモバイル若年層が主流だからなあ。どちらかというとクラシファイド広告的な情報は20代後半以上の層が主な需要集団だと思う。

というわけで、クラシファイド広告的なサイトやサービスについてダラダラと書いてみたけれど、こうしてみるとmixiとか大手SNSが図らずも(結果的に)強力な競合になってる分野って、他にもあるのかもしれないなあ。

ただまあ、根深いのは「図らずもmixiと競合してしまっているサービスやサイトの側がどうか」ではなく、「ユーザの要求水準がそんなに高くないので、mixiあたりでそれなりに事足りる」という現象の方だけど。

【追記】
Lancersというサイトを教えていただいた。
これもちょっとした仕事の求人・募集情報を掲載するサイトなのだけれど、
・コンペ方式に提案された最新の提案
・コンペ方式で当選した提案
を閲覧できるのがユニークだ。どういう条件でここに掲載される案件、されない案件が決定するのか分からなかったし、同様の試みをしているサイトは他にもあるのかもしれないが、「1ユーザあたりの情報を探す頻度や、必要とする情報数がそんなに多くない」という点に対する取り組みにもなるだろう。
というのも、自分が人や仕事を探していなくても、「他人はどういうものを提案してるか」というのは興味深いものだし、「採用されたものは、なぜ採用されたのか?」を考えるのは有意義だからだ。普段はなかなか見る機会がないし。

というわけで、ややアピールできる人の属性は限られるかもしれないが、こうした取り組みは「人や仕事を探していない」人でもアクセスする気にさせる効果がある。
オープン間もないようでまだまだ数少ないのが残念だが、もっと数が増えていけば、より見ごたえのあるものになるだろう。
apolon.jpというサイトがあって、広い意味でのクラシファイド広告を提供している。その中でも仕事の求人。「人材募集」も「仕事募集」も両方できるところがたぶんポイント。
クラシファイド広告については各人で調べるか、こちらを参照してください(と書いてトトワでの検索結果にリンクしようとしたが、サイトが出てこない。ダウンしてるのか、閉鎖したのか。いずれにせよ残念だ)。まあ、各人で調べてください。

で、このサイトをわりとマメに、というか1日に1回は見ている。というのも「当方40代女性。家庭教師を募集しています。生徒は私なのですが、いけませんか?[*1]」というような募集があったらすかさず応募するためである。そのときばかりは学歴やら塾講師のバイト経験をひけらかしたりもする。夢が拡がるなぁあ~。

まあ、それはさておきapolon.jpを日々チェックするうち、以下のような特徴に気付いた。
・なかなか募集が増えない
・一度掲載された募集がなかなか消えない
・web、IT関連の仕事や、それに関するスキルの要るものが多い

3つ目については、つまり募集内容の分野に偏りが大きいということで、予備知識ナシに訪問した人をけっこう逃してるんじゃないかとも思う。もっとも、これは運営方針としてそういう方向に特化していきたいということかもしれない。まあ、それが方向性としてどうなのか、というのは意見の分かれるところな気がするけど。あと、多いと言っても全体数が少ないので「比率として」なんだが。

最初の二つはまあ、正直なところ賑わってないという、あくまでも個人的主観に基づいた印象を受ける。たまに「それゼロ円で募集しても人来ないだろ」ってのもあるけど、そういう無茶な募集はこのところ減ってきた気がする。それにしてもあまり「動いてない」ように見える。こちらで気付いてないだけかもしれないが。

逆に「才能を探す」で出てくる「こんな仕事を請け負います」の方は「イラスト描き」「声の仕事」が目立って多い。募集の方で多い「web、IT関連の仕事」を請け負うという人は多くない。まあ、だから募集の方で多めに出てくるのかもしれない。ちなみに、サイトのメンバー登録人数は08/12/17時点で約1500人。「請け負います」の掲載数が500弱で、募集中は45件。

うーん。こちらの印象が間違っているとか事実を誤認しているとかじゃなければ、やっぱり活発な感じがしない。アルカーナという会社の、ああ、社内的には「クラウドソーシングサービス」という位置づけらしいのだが、まあ、ウエイトとしてどういう位置づけなのか知らないが、たぶん様子見段階のサービスなんだろうなあ。

たとえば電池という賞品は広く一般にアピールできるのって「価格」「長持ち」あと最近では「環境負荷」くらいじゃない?わりとハッキリしてる。こうした仕事紹介的なサービスの場合もアピールできるところはハッキリしていて、「数」「質」だ。この手のサイトだと「デザイン」「UI」「情報の見せ方、つなげ方」なんかはユーザの意識に上らない部分で作用するんじゃないかと思う。そういう役割が果たす要素も大事っちゃ大事なんだけど、それってあくまでも主力のアピールポイントが充実してこそなわけで。

もう少し補足すると「数」はPVと登録者数と、「募集してる仕事」や「仕事請け負います」の数だ。kろえをかなり集めないとどうにもならん。ましてや先行して見せ方や切り口こそ違えど似たようなサービス(同じサービス、ではないだろうけど)、を展開しているところは数あるわけで、それに比べると現状は見劣りがする。

「質」は「いい仕事、いい人材が見付かる」という質もあるだろうし、その幅というか、多様性というのも質だろう。この点では最初に書いたようにちょっと偏りがあるように見えるけど、これはとにかく運営方針との兼ね合いもあるので、現状をどう評価するといいのか外野にはよく分からない。が、まあ「これで競合と戦っていける」という所までは行ってない気がする。

とはいえきっと、現時点では様子見なんだろう。来年や来年度くらいから春の足音と共に花開いてくるよう、今はあれこれ準備や仕込みをしたり営業をしたりしているんだろうと思う。なので、現時点でこのサイトや提供しているサービスの「成功失敗」みたいな価値判断は控える。

が、最後に感じ悪くイチャモンをつけて、なんと次回へ続く。

・私のPCのGoogle Chromeで見るとメニュー周りの表示がグダグダなのはどうしてだろう。
・青ベースのデザインが「さわやか」ではなく「寒く」感じられるのは私の感覚がズレているんだろうか。
・クラウドソーシングサービスって言いたい気持ちは判る気もしないでもないけど、そう言って得することより損することの方が多い気がするので、従来の似たような言葉に置き換えた方がよくはないか。
・コンセプトに「特定の分野に関する深い知識や特殊な技能など、就職活動や履歴書ではアピールしづらいあらゆる専門性」とあるけど、そういう特殊スキルの方が就職活動や履歴書ではアピールしやすいように思うのは私だけですかそうですか。あとまあ、その他サイトを構成する全要素からコンセプトだけが浮いて見えるのも私だけですかそうですか。


  1. いや、このCMが好きなんです。[↩back]
相変わらず自分も含めて大多数には当面たいして関係ないと思われる、正直なところ日々の業務レベルではどうでもいい話ではあるのだけれど。Yahoo!ニュースにさえITmediaニュースの「無料のWebサービス もう限界?」という記事が載ったことだし、他にネタも思い浮かばないので前回に引き続き。だいたい当ブログではネタに困るとすぐ大枠の話、「webにおける天下国家を語る」みたいな頭の悪い国士壮士気取りの話を始めるのです。

で、だ。PCサイトの有料化をしますと言えそうなところって、現状ではそれなりに大手だとか有名だとか、とにかく人の集まる強力なサイトなりサービスなりだろう。中小はやっぱり人が離れるのを恐れてなかなか踏み切れない方向性ではある。まあ、自分のように富裕層ではない人間からすれば、みんなが一斉にそちらへ方向転換されても困るのだけれど。

これがたとえばそんなにネットをしない人であれば、普段使っているサービスやサイトのいくつかが有料化したところで、全部払ってもたいした額にならないかもしれない。ところが自分みたいな者にとっては、一つ一つがコーヒー一杯くらいだろうが、合計するとそれなりな額になる。一般化できないけど、極私的には困るわけです。そして「じゃあ減らそう」みたいに思ったとき「まあ、有料だったらいいや」的なサイトというのは結構多い。いや、あくまで極私的に、だけれど。この記事を読んでくれている人はどうだろうか。自分がよく利用するサイトやサービスを挙げてみて、そのうち有料化しても使い続けるのはどれだろうか。興味深いことではある。極私的に(繰り返し書いててだんだん楽しくなってきた)。

別に有料化の流れが出てきたというほどの動きでもないし、まだまだ散発的な事例ではあるんだろうけれど、もしそれが大きな流れになってきたら…というのをちょっと思い浮かべてみる。

・セールに値引き
まあ、月額有料にしろ都度課金にしろ、セールをやるところは出てくるだろう。ボーナスとか年末商戦は実店舗の方々と競合するから、微妙にずらした時期かな。で、もちろん値引き合戦というか価格競争もあるだろう。「このお値段でこの内容!」みたいな。特にweb技術は真新しいものが普及・模倣されていくコストや難度が家電だのなんだの他の製造業より低いので、価格競争が起こりやすいんじゃないだろうか。ものによるけど10円20円の価格帯で膠着したりとかしてね。資本力のあるところがダンピングみたいなことしていく中で「ついに登場!なんとゼロ円!←何で無料なの?←広告費で運営してるからです」って1周して戻ってきたりして。

・決済、会員管理システムの需要増
内制率100%が圧倒的多数というわけでもないので、受託案件をしている制作会社にはこうしたものの需要が増える。もしくは、従来のサイト制作にこの工程と予算が乗るようになる。客単価アップが見込めるけれど、こうしたシステムはASPがすでに激戦気味なので、まあ調達費くらいになるのかも。

・淘汰
「待ちに待った淘汰のお時間です!」じゃなくて、笑い事じゃない。今でも競争はあるけれど、それまで「無料だったから」でなんとなく生きてこられたサイトやサービスが容赦なく潰れていくことに。ただ、そうなるくらいならそもそも有料化には向かわないだろうし…。だいたいサイトやサービスの数が減れば受託制作も含めた周辺産業も規模が縮小する気はするので、あまりいい話ではない。ユーザ辺りの利用するサイトやサービスの数もますます減るだろうし、運用側も「囲い込み」に重点を置くのが主流になるとちょっとなあ。コーポレートサイトみたいに広く情報を告知するサイトや販促目的のサイトは有料化しないだろうから、そういうところとの取引が主な場合は影響が少ないかもしれない。

・英語を学ぶ人が増える
日本語のサイトやサービスが有料化に流れても、同程度で無料の海外サイトは相変わらず多いだろうから、そこでどうにか無料で、と思って英語を学ぶ人が増えるかもしれない。ある時期を境に「やたら日本人ユーザが増えてんだけど」みたいなことが海外で話題になるとちょっと面白いかもしれない。

とまあ、これくらいで。考えるのが面倒になったとも言う。実際問題として、当面はそうそう「有料が主流」なんてことにはならないだろうけど、昔の人が「100年後の21世紀はこうなる!」みたいな予測記事を書いてたような軽い気持ちで。
ええと、自分の今いる環境だと考えてもあんまりどうもこうもない話なんだけど。

「広告収入で無償サービス」の時代はそろそろ終わりかな?

「広告収入で無償サービス」というのはサービスによってはだんだんキツくなってきてるとは思う。広範に「そろそろ終わり」かどうかは知らないが。個人的にはそもそも「広告収入で無償サービス」が基本という状況が好きじゃなくって、商売としては。ユーザとしては同じようなサービスなら有償より無償の方がいいのだけれど、上の記事にもあるように

既存のメディアも含めた、全経済活動に対する広告費の枠が未来永劫にわたって大きく増加しつづけていく、というわけでもない以上、どこかで頭打ちになると思うんだけど、当初の限られていたサービスだけじゃなく、猫も杓子もウェブになって来ている現状では、その限られたパイの一切れがそろそろ小さくなってきそうです。

ってのがずっと頭の中にある。自分なりに言い換えると「広告費は無限じゃない。充分に巨額だとしても、webビジネスはプレイヤーが多すぎ&増えるの早すぎ」ってことになる。あと、「広告費」ってのが景気悪化で真っ先に縮小されそうな予算の使い道である点もヤな感じだ。実際、このご時世だからってのもあってweb広告市場は縮小してるみたいだし。まあ、他にも理由はあるだろうが。

しかしじゃあ、PCサイトで有償サービスが上手くいくかというと…やっぱ難しいよ。ニコニコ動画の動きとかで弾みがつきそうな気もするけど、あれはやっぱ「動画配信ってインフラコストすげー」ってのがわりと広範に認知されてるってのもあるんじゃないかな。

モバイルだとカフェスタなんかもに多様な状況と方向へ動こうとしているみたいだけど、あれはニコニコ動画ほど「インフラ費とかが圧迫しててさあ」みたいな論調はないだろうし、単に「儲からなくってこのままじゃやってけないんすわ」っていう話だろう。うんまあ、CGMっていうかコミュニティなんかの場を提供してるサービスってPC・モバイル共に有償では展開しにくいだろうからなあ。
だいたいモバイルで月額有料が成り立つのって、やっぱり前提としてデコメでも音楽でもなんでもいいんだが、「コンテンツそのものを提供しているサービスであること」ってのは現状で外せないだろう。

とはいえそれじゃあ立ち行かないというサービスやサイトが増えてきたときに、けっきょくPCサイトでも何かコンテンツそのものを自前で提供しているかどうか、で有償化できるできないが違ってくるんだろうな。
それ以外だと有償化して成功したら、同じような提供内容で「無料です!←何で無料なの?←広告費で運営してるからです」ってサイトはどうしても出てきて、よっぽど「○○先生の作品が読めるのはジャンプだけ!」みたいに人気のあるor優れたユーザをそれなりの数 抱えたコミュニティサイトでもないと、「まあ、無償でいいや」ってユーザが無視できないくらい出てきて、元の木阿弥になりかねない。機能面で多少の差があるにしても、やっぱそれがよっぽどのことじゃないと「有償か無償か」という局面では「無償」を選ぶ人の方が多いと思う。景気も悪いしねー。

webサービスの提供側がそろって有償化へ舵を切るってことが仮にあったとしても、いつだって「オレは逆の目に張るぜ」ってな人は絶えない訳だし、それが上手く行くと後続はすぐ増えるからなあ。っていうか、現状で「広告収入で無償サービス」ってのが大半なのはそのせいもあるだろうし。有償化でそうそう上手くいくなら放っておいてもみんなそっち行くよ。現状で上手く行くには相当の競争力がないと厳しくて、厳しいだけあってだいたいはそんな競争力とかない。
「競争力がないものは淘汰されてしまえ」ってのは簡単なんだけど、個々のサイト運営者としては「ですよね~」とか言うわけにもいかんだろう。

難しい難しい言ってないで、現状を変えるためには仕方ないんだよ。「興廃この一戦にあり」だよ。という意見はもっともな話だが、やはり現状から「有償が基本」に持っていくのは非常に困難だ。そんなことが可能なら、とうにやってるだろうし、これまで多くのサイトやサービスがそちらへ進もうとして頓挫してきた。

一方で人類の歴史上、「よそから収益上げて、エンドユーザには無償で」という形態って、広告以外だと慈善も含めた「寄付や提供側の自腹」以外にめぼしい形態がないんだよなあ。という点を考慮すれば、広告以外で「よそから収益上げて、エンドユーザには無償で」ってのがいかに高難度な課題かは自ずと明らかだろう。

というわけで「いずれにせよ楽じゃない」のは確かで、ここまで書いたようなことはweb黎明期から繰り返し繰り返し語られてきた話なんだけど、最近の経済環境やらなんやらでまた話題になりやすいテーマなので、ベタだけれど書いておく。

【余談】
上記とやや関連している記事として

1クリックで支払えるweb通貨が欲しい

というのがある。その中のネタ的な部分で

例えばアダルト動画。フリーでいくらでも転がってるけど、高品質かつ自分の(ちょっと変な)趣向にピンポイントでマッチした動画なら数百円出して見たい男はたくさんいると思う。会員制とかそんな重厚なのは嫌だけど1本だけなら・・みたいな。

ってのがあった。確かカリビアンなんかは「会員登録せずに見たい動画だけ単品購入」ってのをやってたはずだ。
それこそどうでもいいけどマメ知識な。
「はてなニュース」というサービスがありまして「みんなで楽しくトクダネ情報」というものなんだそうですな。それ以外の説明は特にないのだけれど、みんなでニュース記事風の文章を投稿してニュースサイトごっこをするサービスらしい。「トクダネ情報」と書いてあるけれど、今の感じだと別人にするくらいの手の入れ方をしないと誰にとってもどういう意味でも「トクダネ情報」が出てくる可能性は極めて低いと思われるので、まさか本気で言っているわけではないと思う。

今のところ以下のような傾向の記事がある。
・たぶんはてなユーザ(の一部?)にしか「興味も関心も持ちようがない」or「なんだかよく判らない」記事
・たいして面白くもない架空ニュース(書いた人のセンスが悪いってわけではなくて、そこまで本気で面白い架空ニュースを書こうというほどではなかったんだと思う)
・小学生の作文みたいなオピニオン(ちゃんと書くのが面倒だったんだろうと思う。もしくは、ちゃんと書くぐらいなら自分のとこかよそに書くか)
といった3つ。
1番目はともかく、2番目と3番目は「試しになんか書いてみるか」くらいのノリで、まあ軽く流す程度の力で書いてみたんだろうという点が共通している。

あと僅かに
・役立つんだか、本当なんだか微妙な記事
が載っている。

だいたい「みんなで楽しく」という言葉が冗談でも大嫌いなのだがまあそれは個人的な好みの問題だからいいとしても、そしてこれが実験的なサービスを展開する「はてラボ」のものだということを差っ引いても、「はてなニュース」の開発者や運営者や企画者が何を考えたのか、何をどうしたいのか、というかもう何が何やら頑迷固陋で旧弊な自分には徹頭徹尾よく判らない。そういう意味ではとても気になるサービスだ。

あまりにもよく判らないので言及している記事がないか検索してみたのだけれど、たいした成果は得られなかった。世間的には「はてなボトル」の方が話題を集めているようなのだけれど、そっちは個人的にはどうでもいい。
以前「お前はオレのママ…なのか?~業務引継ぎエトセトラ」lという記事を書いた。要はまあ「業務マニュアルは作るといいことあるよ」という話に、「それを活用して業務引継ぎをしよう」という話を足したものなのだけれど、具体的にじゃあどういうふうなマニュアル作りをするかは例によって面倒なので説明しなかった。
で、「業務マニュアル」の作り方を主題とした丁寧な記事があった。
「ガイドライン策定」のすすめ(前編)

前編なので、後編もそのうち読めることと思う。
まあこれは「web制作ガイドライン」なので、私が言う「業務マニュアル」に概括される位置付けになる。で、上記記事を読んでいてそういえばデメリットと言うか落とし穴について書いていなかったことを思い出した。他の多くの物事と同じように、「業務マニュアル」や「web制作ガイドライン」にもプラスの面とマイナスの面がある。
プラスの面は「お前はオレの~」や「「ガイドライン策定」のすすめ」にも書いてあるので、以下のマイナスの面について。

・すぐ肥大化する
 →前に書いたことがある気もするが(追記:あった)、個人的な体験から。とあるクライアントのサイトには、かなりキチンとしたガイドラインがあった。そのサイトはリリースから既に何年も経過しており、そのサイトの新規コンテンツを担当することになった。で、各種仕様がそれなりに存在すると言うことでガイドラインを渡されたのだが、まずこの両が膨大。それを理解する(というか大部分がその案件にはたいして関係ないと判断する)までに結構な時間がかかった。内部でずっと付き合ってきた関係者からすれば少しずつの追加なのだろうけれど、その結果である膨大な積み重ねをいきなり渡されると、部外者にはハッキリいってキツいし着手する前に力尽きそう。
 
制作スタッフはそれぞれ自分の関係しそうなところだけ見ればいいと言っても、どこまでが自分に関係するのか?一見関係なさそうなところに自分の役割と関係しそうなところはないか?といった辺りを検証するだけでも相当にダルい。ガイドライン中、どの要素は死守でどの要素に柔軟性があるかも途中参加者が見極めるのは難しい。

・例外の扱い
 →ガイドラインに記載されていない部分をどう判断するか?というケースが発生する。あるいは、今回の与件を満たすにはガイドラインから例外的な対処が必要そうだとか。そういう事例に「判断を迷う時間」や「先方に確認取りする時間」なんかが時間として計上され、意外とスケジュールを圧迫する。また、納品時にガイドラインに照らしてチェックする時間が必要になって、「問題はないんだけどガイドラインに反するから直して」的な流れが発生するとか、もうね…。

・計上しにくい
 →こうしたガイドラインへの準拠対応は、なかなか工数としてきちんと価格に反映しにくい。そのくせ、そのための作業負荷や工数は確実に「ゼロではない」ので悩ましい。

策定側は作業の効率化や成果物の規格化などの必要性から「良かれと思って」策定しているのだろう。そして細かな積み重ねを通して、都度都度「こうしておけば、ここを見れば迷うことはあるまい」とか考えて細かいところまで明確化したのだろう。けれど、途中参加者からすればぶっちゃけ「かったるい」以外の何物でもないケースが見られる。これはお互いにとって不幸な問題だ。関係者が固定的だったり、部内者限定だったりすると詳細なガイドラインは有効に働きやすいような気がする。逆の場合は上手く行きにくいような…。

そもそも上記「「ガイドライン策定」のすすめ(前編)」の内容だって、流し読みできない実際の状況として目の前にあれば、かなり鬱陶しい。まあ、自分が怠惰なだけだが。システムとかだと毎度毎度、もっと詳細なドキュメントを理解するとこから始まったりするだろうし。にしても、「それが普通」というのは「有価値なこと」とはイコールではないしな。

とはいえ、そうは言っても、過去記事でプラスの面を書いたように、こうしたマニュアルやらガイドラインやらを否定したい気はない。なんと言うかまあ、そういったものが有効に働くか却って非効率化を招くのかはケースバイケースで難しいよなあ。ただまあ、デメリットも意識しとかないと容易に非効率を招くものに成り下がるよなあ、というお話。

【追記】
文中、「お前はオレのママ…なのか?~業務引継ぎエトセトラ」のリンクが切れていたので修正しました。ご指摘くださった方、ありがとうございます。
ブログパーツ大杉です!
という記事を読んだ。ブログパーツがあんまりにも多いと色々と弊害(元記事では列挙している)があると思うんだけど、みんなはどうよ?という記事。

で、この記事自体にどうこう言うつもりは毛頭ないし、確かにブログパーツを並べて貼るにも限度ってものがあると思うんだけど、そうしちゃう人の気持ちは判らないでもないなあ、と。

今、だいたいの人がwebで何か発言したいときって、ブログを開設するとかmixi他SNSを始めてみるとか、まあそういう感じだろう。ただ最近のこういうサービスって、あまりデザインを好きに出来ない。せいぜい運営元が提供しているテンプレートの中から選ぶくらいだろう。「いやいやこうれば~」ってものがあるにしても、それって技術的にあまりネットに詳しくない人が思いつくand実行可能な選択肢だろうか?

ええ、と。ブログという言葉が出来る前に個人サイトを造ったことのある人なら分かるかもしれないけれど、初めてHTMLファイルを作ってアップできるようになった頃、チマチマと自分のサイトを装飾しては悦に入っていた経験ってないだろうか?私はある。思えば当時はそうした個人サイトを装飾するための情報やテンプレを配布しているサイトって今よりずっと目に付きやすかった気もする。それだけ多くの人がそういう情報を求めていたんじゃなかろうか。

そもそも、少なからずの人には自分のものを装飾したい、カスタマイズしたいという欲求があるはず。今はないという人だって、思春期の頃はどうだったろうか。デコデコしいとまではいかないまでも、ちょっとした装飾を加えてみたことがあるんじゃないか。

ところが今ブログやSNSを始める人にとって、それは実現しずらい楽しみだ。豊富なテンプレートが用意されていたとしても、なんか、そういうことじゃない。いやまあ、それすらないよりはあった方がいいんだけど、もっと装飾したい。文字が光ったりアイコンもいっぱい増やしたい。なんか絵が動く感じにしたい。ページごとにデザイン変えたい。そういうことなんじゃないだろうか。

実際、たまに小中学生の運営しているサイトのランキングサイト[*1]を見ると、上位のサイトはかなりデコデコしい。特に女子。下位のサイトもかなりデコデコしい。「技術レベル的に装飾が難しいんだろうな」という子供のサイトでも、アイコンが全部大き目のアニメGIFだったりする。デザインが1ページごとに違ったり。まあ、子供のサイトに限ったことでもないんだろうけど、顕著な気はする。思い出してみれば自分が子供の頃も女子の持ち物はカスタマイズであれ元々であれ、やたらデコデコしかったよなあ。

これだって自作と言うよりはどっかから入手したものなんだろうけれど、サービス運営元が提供しているテンプレよりは遥かに多い選択肢から選んだものという点が違うし、カスタマイズできる範囲もずいぶん違う。

とまあ、これはPCサイトでの話でモバイルサイトだとまた違った感じなんだろうなあ、とは思う。が、ケータイ持ってない子とか、持っててもパケホに入ってない子なんかは特に中学生以下では多いだろうし、そういう子供の間では今でもPCサイトなんだろうな。そっちの方が装飾として色々やりやすいし。どれだけデコデコしくしても容量制限とか気にしなくていいしね。簡単にできることも多いし。

で、話を戻すと、とにかくこういう装飾する楽しみみたいなものを満たすサービスとしてアバターなり箱庭なりがあるんだろうけど、あれだってそれを表示しているページ自体はそんなに装飾できないし、その場合は装飾自体がサービスの目的になっているが、たぶん「それが目的じゃないけど装飾したい」というニーズとはマッチしないんじゃなかろうか。

さらに、そうした欲求を持ってる人がブログを始めたとき、自分の装飾欲を満たせるくらい好きに飾り立てられ要素って、ブログパーツくらいなんじゃないだろうか。
自分でサイト作って飾り立てるほどじゃないにしても、あれだってそれなりに膨大な数から自分でセレクトする楽しみ、収集する楽しみがあるわけだから、まあ、不完全ながらも装飾する楽しみが味わえる。というか、ほほそこ以外はテンプレから選んだデザインくらいしか普通は装飾のしようがない。

と、いうわけで、自分もブログパーツを貼りまくるのは好きじゃないけど、理解できないというほどじゃない、という話。オチはない。
無理矢理にひねりだすなら、「ダサくなろうが使いにくくなろうが、好きなだけデコデコしくできる」という要素をサービスに盛り込むというのはアイデアの一つとして考えてみてもいいかもしれない。とかかなあ。

  1. たとえば女子ならFCRとか。
    たまにこうしたサイトを見るのは後ろ暗い理由があるわけではなく、(いいとは思わないにしても)デザイン面でけっこう刺激がある(こういう言い方は好きじゃないが、「子供らしい柔軟な発想」と言えなくもない)というのと、普通に今日びの小中学生はどんなことを考えてるのか見るのが単純に興味深いから。あとついでに言うと、そういうサイトのソースコードを見ると、「こんな書き方しててもそれなりに表示されるんだなあ」と、感慨深いことも。決して後ろ暗い理由があるわけではない。大事なことなので2回いいました。[↩back]
前に「季節感という謎」という記事を書いたので、今回で2回目。なんだかんだ言って、季節感を大事にする男なのですよ。まあ、ウソだけど。

さて今週から12月。クリスマスに年末年始に、成人式やらセンター試験やら、来月から2ヶ月ほどは季節感ネタが集中していて素晴らしい。さらにその翌月はバレンタインデーもあるし。

というわけで、webディレクターが「季節感」という要素について取り組む場合に考えるポイントをピックアップ!季節感を出すと不思議なことに食いつきの良くなる人が多いみたい。普段はROMってるだけのあの人だって、ついつい財布の紐が緩んだりするかも!?賢いwebディレクターたるもの、ちょっとした労力だけで効果的に季節感を演出していきたいものです。

◆見た目
季節感において見た目は重要。まずは雰囲気作りから。くれぐれもさり気なく、やり過ぎない程度で。
ファッションと同じです。普段遣いの首飾りに小さなオーナメントモチーフのシルバーチャームをこっそり付け足すくらいならともかく、日常でサンタのコスプレはやりすぎでしょう?

・色を変える
 →技術的には一番簡単。コーポレートカラーやブランドカラーを使っている部分はおいそれと変えにくくても、わりと重要じゃない部分の配色に季節感を出すのは着手しやすい。忙しい上司だって、それくらいならコッソリ変えても気付かない可能性が。普段は「アハ体験」とか言って、一部の色がジワジワ変わる動画とか一生懸命見てるのにね!どこをどんな色にするかはデザイナーさんと相談してください。
 
・デザインを変える
 →「これを機にデザインリニューアルしましょう!」ではなくて…
  ・既存のデザインに季節感のあるイラストや写真を加える
  ・既存の(装飾目的の)イラストや写真を季節感のあるモノに変える
 くらいで充分。GoogleやYahooみたいにロゴデザインをアレンジするのもいいけれど、色々と承認を得る必要がある場合は面倒なので止めておいた方がいい。どこをどうするかはデザイナーさんと相談してください。フリーでそうした素材を配布しているサイトも浜の真砂くらいあるので、適当に検索してください。おすすめのサイトはこちら。探している素材のキーワードを入れると、世界中から探してくれます。
変えるのはせいぜい1箇所か2箇所くらいでいいです。あまり変えると「化粧しすぎて別人と思われた」みたいな結果に。
 
◆内容
せっかくなので、内容的面でも季節感を出したいところ。

・イベント、キャンペーン
 →ECサイトなら折々の行事ごとに引っ掛けたバーゲンなどで在庫処分してください。他のサイトは直近で何かを贈る行事を探し、それに引っ掛けた「アンケート+プレゼント」キャンペーンあたりが楽で無難。硬いサイトでも行事ごとと絡めると、わりと軽い雰囲気の企画でも不思議と違和感を覚える人は少ない様子。とにかく季節感と自分の手がけるサイトのやってることを思い浮かべて、一番最初に思いついた企画で行きましょう。それくらい安直でも大丈夫です。企画名称も30秒で思いついたようなものの方が逆にいいみたい。
 
・読み物
 →冒頭の挨拶から「上手いこと言った」まで、適当に季節ネタを入れていればOK。
 
・実用
 →春は「お出かけ情報+花見orGW」夏は「お出かけ情報+海or祭りor山」、秋は「お出かけ情報+文化施設or紅葉or温泉」、冬は「温泉orイルミor年越し」あたりを提案しておけば強固な反対はないはず。
 
まあ、とはいえこうした企画はいかに巧みに季節感を演出するか?が大事なので、以下のような類のサイトをマメに見て参考にするとよい。
・天気予報
・歳時記
・暦
・Walker系などのタウン誌サイト
「Walker系などのタウン誌サイト」は主が雑誌なのだけれど、目次だけでもどれくらいのタイミングでどんな企画が良いかを把握するのに便利。
「歳時記」「暦」サイトは記念日や季節の話題についてのうんちくが参考になる。意外と大事なのが「天気予報」で、1週間くらい前にコンテンツのテキストを仕込むとして「今日、近くの公園ではサクラが咲いていて云々」なんて書いたのに、翌週は急激な寒波で話が破綻、とか半月先のネタで「いやもう毎日暑くって早くもバテ気味です」なんて書いて未曾有の冷夏で涙目とか、「そろそろ初雪→暖冬でした」といったことをある程度は回避できる。あとまあ、「季節感をネタにした導入→天気予報サイトごとに特徴を比較しつつ紹介」だけでも埋め草コンテンツくらいにはなる。

◆終わりに
役目を終えた画像や企画案、原稿などなどはフォルダ分けして大切にしまっておきましょう。あたかも雛飾りやクリスマスツリーのように。そしてまた翌年、堂々とフォルダから取り出すのです。


とまあずいぶん安直に書いてみたけれど、こと季節感ネタについてはヘタに凝った企画よりも、これくらい安直な方がいい気がする。だいたい季節感っていう存在自体がマンネリでベタで安直なものなんだし。変わらずに毎年巡り来るところがいいんじゃない?
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