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泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

ブログでイマイチ愛せないところ。それはサイト構造がindex.htmlを頂点とする、静的な木構造を描いていないところだ。工夫次第でそうした木構造を実現することは出来るだろうが、デフォルトではそうなっていない。フォルダ構成としてはそうなっていても、ユーザとして閲覧する限りでは、index.htmlの下に全てのエントリが並列にならんでいるような印象を受ける(私だけかもしれないが)。つまり「TOPページ>中見出し>各コンテンツ」という構造が頭に思い描きづらい。

かつてはTOPページにアクセスして、そこから興味のある企画なりコーナーなりといった中見出しに入り、そこから面白そうなコンテンツを探すことが出来た。検索で下層ページにアクセスしたとしても、興味を持てば階層を上がることで、徐々にサイトの全体像を把握し、そこからサイト内を回遊していくことが出来た。「全体から細部へ」あるいは「細部から全体へ」というこうした認識の生成は、人が何かを理解するのに馴染み深い方式だと思う。

ところがBlogでは、どのエントリも真上はindex.htmlのように見える。最上位のページが細部の末端と直結し、細部の末端が最上位のページと直結しているイメージだ。中間項がない。そして一つのエントリが(たいていは少なくとも)ジャンルとカレンダーという複数のカテゴリに属していることも、全体像を把握しにくくしている。

ジャンルやカレンダーが旧来で言う「中見出し」に相当するのだろう。しかしそうしたページにアクセスすると、それぞれに時系列でタイトルだけでなく本文までも(どの程度の量かは別としても)縦にずらずらと並んでしまう。旧来の中見出しのような総覧性が確保されていないのだ。そもそも、index.htmlの
端の方に付帯的に存在しているせいで、「中見出し」ほどの存在感がない。

結局は適材適所なのだろうけれど、ゆえに私はブログのUIをイマイチ愛しきれない。特に個人サイトで長期にわたり、複数のテーマでいくつも記事を記事を書いているものなどは、なぜブログなのかと不満に思うことがある。

よくブログでは過去ログが読まれない(あるいは意外と読まれる)なんていう話が出てくるが、理由の一つはこうした点にあるんじゃないだろうか。

【付記】
3クリックルールとは「ユーザーが目的とするページまで、3クリック以内にたどり着けることが理想」ということがだ、これはたぶん実際にユーザが何クリックするかというよりも、「たいていは3クリックくらいで到達できるはずだから、そのようにサイト構造を工夫せよ」ということなんじゃないかと思う。「TOPページ>中見出し>+α>各コンテンツ」だ。

ところが逆に、TOPから末端のコンテンツまで「多くて2クリック」になるとサイト構造が判り辛くなるケースが増えてくるのではないだろうか。ブログなんかは「index.html>(ジャンルorカレンダー)>各コンテンツ」「index.html>各コンテンツ」の2クリック以下である。構造が把握しづらいブログはこの「多くて2クリック」問題に、それと知らず直面しているのかもしれない。
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