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泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

書くことがパッと出てこないなら書かなくていいやと思っていたら、すっかり間があいてしまった。
さてさて。willcomが半死半生になってしまった昨今。Xperiaにでも乗り換えてしまおうかと思っている。で、スマートフォンの話。

その1:Andoroidマーケット
docomoとauが独自のAndoroidマーケットを立ち上げるという話だけれど、これはちょっと上手いアイデアかもしれない。iPhoneはSBの電波がヘチョいところが非常にダメだと思うのだけれど、仕事で考えるともうひとつ、やや難なところがある。結局のところ、素人だろうが趣味で作ったものだろうが、誰でも申請はできて、少なからず通ってしまう点だ。

販促ならまだしも会社で予算立てて収益も上げたいと思うとき、ただでさえ簡単なことではない上に個人や個人とドッコイな小さい会社の膨大なアプリと同じ棚に並んでやっていくというのはけっこう二の足を踏む要因になる。会社の偉い人がなにやら吹き込まれて「うちもiPhoneアプリのビジネスに乗り出そう」と言った場合、販促や受託だったり社内の余剰人材を取りあえず使ってみるというのならまだしも、そうでない場合は現場が上手いこと回避しないとあとで言い出した偉いさんに怒られるハメにもなりかねない。チャレンジは大いによいのだけれど、その場合「ダメ元」くらいの気でないと後で誰も幸せになれないし、そもそも現場が「ダメ元」どころか「ダメだろうなあ」と内心思いつつやるチャレンジ案件ほど不幸なこともない。

一方のdocomo・auのAndoroidマーケットは推測だけれど今の公式サイトみたいに「誰でも比較的簡単に参入できるものでもない」となるのではないか。であれば競争相手はApp Storeや本家Andoroid Marketよりもグッと少なくなるし、それらのアプリの多さが嫌になったユーザが居着いてくれるかもしれない。そもそもスマートフォンが一般化した場合、あまり知識も関心もない人を上手く囲い込めれば、本家の存在に気づかれることなくそうした人をお客さんにできるかもしれない。

こうなってくると一部の企業、特にiPhoneでのアプリ販売に踏み出せなかったところは俄然乗り気になってくるのではないか。これならまだやれるんじゃないかと思って。実際にどうかはともかく。
docomo・auがマーケットを用意するというのは、単に現在の携帯電話向けアプリ市場と同じような囲い込みを狙ってのことだけではなく、こうしたCP企業の心情を上手く汲み取り「素人お断りの会員制クラブ」を立ち上げてやろうという狙いがあるのかもしれない。だとしたら、善し悪しはさておき、上手いこと考えたものである。


その2:スマートフォン用サイト
以前、誰だったか「カニバる」という言い回しをする人がいた。「競合する・食い合う」という意味で、たぶん「カニバリズム」から来てるのだろう。その人独自の言い回しなのか、どこかで一般的な言い回しなのかは知らない。
でまあ、何の話かと言うと「スマートフォン用サイト」について。SBの端末については幅がだいたい240弱PXくらいで作っておけば、幅が480のディスプレイでもボチボチ上手いこと表示してくれる。スマートフォンも案外ディスプレイサイズは違うのだけれど、おそらく普通の携帯みたいによろしくやってくれはしないだろう。
それはさておき。
例えばの話。スマートフォンはPCサイトをそのまま閲覧出来るとはいえ、縦だけでなく横にもはみ出す事が殆どで、PCでPC向けサイトを見たり、携帯で携帯向けサイトを見るのに比べるとどうしても閲覧しやすさで劣る。今はまだ気にしないで済む程度かもしれないが、広告収入をえて居るサイトの場合、右サイドの広告類やらメニューといった掲載内容が、メイン記事見ている際にバッサリと立ち落とされることにもなる。
となると普及具合によるが、どこかの段階で「スマートフォン用サイトを作ろう」という動きが出てくる。
PCとモバイル。同じサイトで二つのバージョンがある場合、切り分けとしては
・別URLでそれぞれを運用
・同じURLで、閲覧者のUAを見て振り分け
の2種類がある。同じURLでなくても、従来のモバイルブラウザならPCサイトにアクセスするとすぐそれと判る場合がほとんどなので、大きな問題はなかった。

一方でPC版とスマートフォン版を用意した場合、スマートフォンユーザーがPC版にアクセスしても普通に閲覧できてしまうので、スマートフォン版があるということに気づきにくい。特に、すでにそれなりの期間にわたってPC版を運営してきたところならそうだ。
ということで、スマートフォン版を用意するなら同一のURLで振り分けるのが望ましい。
ブログサービスなどでは同じリソースに対してPCかモバイルかで適用するCSSを変更したりして同じURLで異なるデバイスに対応しているケースは多い。一方で、ブログ以外のサイトでは別個の運用をしている所も多いのではないだろうか。
そこへスマートフォン版を立ち上げるとなった場合、なまじスマートフォンでは通常のPCサイトも見られるだけに、別個の運用なんてのは馬鹿臭いし無駄なコストがかかるだけである。
というわけで、「既存のPCサイトがうまいことスマートフォン向けに変換されるようにする」という仕事が受託業務の制作会社に発生するだろう。
それを「PCサイトをスマートフォン向けに」なので受注するのは「PCサイトの制作を主とする」制作会社が多いだろう。元々そのサイトを作った会社が、というのが自然だろうか。

「モバイルサイトをスマートフォン向けに」というのはどうなんだろうなあ。需要あるんだろうか。あったとしても、単にスマートフォンのアクセスを弾かない、というだけで済むサイトも多いだろう。有料課金のコンテンツ販売の場合はコンテンツ自体もスマートフォン向けに作り替える必要があるから、もう全然別の話になってくる。

しかし、こうなるとモバイルサイトやモバイルコンテンツの構築、運用を主としている会社は面白くないだろう。同じ「携帯」なのにPCサイト制作が主な会社にばかりそうした需要が流れてしまうというのは。指くわえて見ているわけにもいかないだろう。なんとか入り込めるように努力するはずだ。

というわけで、スマートフォンが普及するとサイト制作や運用において(厳密にではないが)「PC向け/モバイル向け」で棲み分けていた事業内容がカニバってしまう。現状ではモバイルサイト制作側がやや分が悪い用にも思うが、どうなるか知れたものではない。そもそも、両方を両輪として行っている会社や部署なら特に問題はないだろう。いずれにせよ、商機が拡がるというのは喜ばしい。


というわけでつらつらと書いてみたのだが、やっぱりスマートフォンはPC、モバイルに続く第3局となっていくと面白いなあ。

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2012.11.21 23:40  | # [ 編集 ]

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2014.08.11 12:16  | # [ 編集 ]

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2014.08.30 16:47  | # [ 編集 ]

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2014.08.31 07:11  | # [ 編集 ]

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