【寄稿】『中東協力センターニュース』連載のリニューアル
- 2015/05/13
- 07:00
『中東協力センターニュース』に寄稿しました。池内恵「中東情勢を読み解く7つのベクトル」《中東 混沌の中の秩序(1)》『中東協力センターニュース』2015年4月号、8−16頁【ココをクリックすると直接ダウンロードされます】『中東協力センターニュース』には2012年以来連載を続けてきています。前回までは「『アラブの春』後の中東政治」という連載タイトルにしていましたが、前回の寄稿で告知したように、このタ...
【寄稿】『週刊エコノミスト』の読書日記(11)は「新しい中世」を読む2冊
- 2015/05/12
- 07:00
『週刊エコノミスト』の読書日記第11回は、田中明彦『新しい中世』(日本経済新聞社、1996年)、そしてヘドリー・ブル『国際社会論―アナーキカル・ソサイエティ』(岩波書店、2000年)を取り上げました。読みどころの引用なども。池内恵「混沌の国際社会に秩序を見出す古典」『週刊エコノミスト』2015年5月19日号(5月11日発売)、55頁今回も、電子書籍版には掲載されていません。この書評連載の全体の趣旨...
【寄稿】『ブリタニカ国際年鑑』2015年版「イスラム教」の項目を執筆しました
- 2015/05/11
- 07:00
『ブリタニカ国際年鑑』2015年版の「イスラム教」の項目を執筆しました。「宗教」の中の「イスラム教」を構成する、下記の三つの項目を執筆しました。池内恵「「イスラム国」による領域支配」「ローンウルフ型テロの続発」「日本人イスラム国渡航計画事件」『ブリタニカ国際年鑑』2015年版、ブリタニカ・ジャパン株式会社、2015年4月、235−236頁『ブリタニカ国際年鑑』は昨年に続いての執筆です。(昨年につい...
『中東戦記』が少部数のみ増刷に
- 2015/04/20
- 07:00
ほぼ品切れで、店頭に残ったもののみになっていた『中東戦記 ポスト9.11時代への政治的ガイド (講談社選書メチエ)』が、600部という少部数で増刷が決まりました。4月27日には店頭に出回る予定です。中東戦記 ポスト9.11時代への政治的ガイド (講談社選書メチエ)邦訳で副題につけたように、中東の政治・社会を読み解くための、最高度の専門家の目を通した不滅の「ガイドブック」です。「ジル・ケペル『中東戦記』を、市場から...
My lecture on the spontanuous mechanism of participation-mobilization of global jihadists
- 2015/04/17
- 07:00
A short lecture given to Yomiufi Shimbun last month was translated on The Japan News. The comment revolves around the mechanism behind the spontaneous proliferation of global jihadists in dis-contiguous pockets of disturbances."Radicals spontaneously join ISIL network." The Japan News, April 12, 2015.元になる日本語のインタビューはこれ。「【インタビュー】読売新聞3月25日付「解説スペシャル」欄でイ...
『週刊エコノミスト』の読書日記(10)不寛容への寛容はあるのかーーキムリッカ『多文化時代の市民権』を読み直す
- 2015/04/02
- 07:00
『週刊エコノミスト』の読書日記の第10回が出ました。すでに3月30日(月)に発売されています。今回も、電子版には掲載されておりません。池内恵「不寛容への寛容はありうるか」『週刊エコノミスト』2015年4月7日号(3月30日発売)取り上げたのは、ウィル・キムリッカ『多文化時代の市民権 マイノリティの権利と自由主義』(角田猛之・山崎康仕・石山 文彦訳、晃洋書房、1998年)です。 自由主義的な社会の中で少数派や...
「読売プレミアム」で長尺インタビューが公開
- 2015/03/28
- 07:00
先日、3月25日付の『読売新聞』に掲載されたインタビューについてお伝えしましたが、そこでは大幅に省略されていたので、長いものが「読売プレミアム」に掲載されました。「イスラム国とは何か 判断材料にしてほしい」『読売プレミアム』2015年3月27日ロングバージョンの方は、『イスラーム国の衝撃』の裏話や、ネット媒体での議論と拡散を介して、紙の本が多くの人の目に触れて二度といた経緯など、「『イスラーム国の衝撃』...
【インタビュー】読売新聞3月25日付「解説スペシャル」欄でイスラーム国とチュニジアについて
- 2015/03/26
- 07:00
昨日(3月25日)の読売新聞朝刊に大きめのインタビューが掲載されておりました。私はあまりに忙しくて忘れていたのですが、気づいて声をかけてくれた方々が多くいました。この記事はウェブ上では有料の「読売プレミアム」のみで公開されています。また、続編を「読売プレミアム」で出していくという企画が進んでおり、数日内に公開される予定です。[解説スペシャル]過激派、自発的に傘下入り 「イスラム国」世界で宣伝戦…池...
コメント集(2):「イスラーム国」による日本人人質殺害・脅迫事件
- 2015/03/16
- 06:00
「イスラーム国」問題では、基本的に既存メディアにはコメントを出しませんでしたが、消極的ながらコメントの掲載を許可した場合もあります。許可したメディアの選び方に特に根拠はなく、偶然です。過去のコメント集の流れで、とにかく記録しておきます。2001年以後の私の論考やコメントは全て保存してあるが、ウェブ上にないのをいいことにデマを流す人が出てくる。防衛策としては、少なくとも存在するものについてはウェブ上...
スタジオジブリ『熱風』3月号にエルサレムの宗教政治地理について
- 2015/03/14
- 06:00
スタジオジブリ出版部の『熱風』3月号に寄稿しました。テーマはエルサレムの神殿の丘の地理に見る、宗教と政治権力の関係について。池内恵「エルサレム「神殿の丘」の宗教と権力」『熱風』2015年3月号(3月10日発行)、26−32頁出版社のPR誌という、一般にはあまり知られていない格安の媒体があって、私はそれについては熟知していたつもりだったのが、スタジオジブリ出版部にもあるとは知らなかったので、動揺して引き受...
「シャルリ・エブド事件を考える」(『ふらんす』特別編集)に寄稿しました
- 2015/03/13
- 06:00
1月7日のシャルリ・エブド紙襲撃殺害事件に関して、白水社から刊行された論集に寄稿しました。私の寄稿したものは、ブログ・ウェブ等の議論の再録ではなく、一連の議論を振り返ってどこに思想的・知識社会学的課題があるかについての論考です。自由な社会を形成し維持するための基本的な知的姿勢について、考えるところを書いています。雑誌『ふらんす』の特別編集という名目で軽装版ですが、書籍です。池内恵「自由をめぐる二つ...
『中央公論』4月号の鼎談で「イスラーム国」問題が米欧と国際秩序に及ぼす影響を
- 2015/03/12
- 07:20
『中央公論』4月号(3月10日発売)に鼎談「「イスラム国」 拡散するテロ」が掲載されています。夥しい数の「「イスラム国」とテロ」的な特集が(ピケティ特集と並んで)、各紙で行われていますが、この鼎談では、編集部の当初の意図がどうだったのかは知りませんが、それらとは違う次元で考えています。国際秩序を形成する理念と実効性を提供してきた二つの極であるアメリカと西欧、およびそれらが近代世界に示してきた国際秩...
『週刊エコノミスト』の読書日記(9)は政教分離の思想史
- 2015/03/12
- 06:00
今年の1月以来、リアルタイムの情報発信にはフェイスブック(https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi)を多用していますが、このブログも今後も引き続き活用していきたいと思います。中東に関する記事の断片的な紹介などはフェイスブックの方に回し、ブログでは従来からの情報のストック・データベース構築の場としての意味を一層強めたいと考えています。次の本の完成のために限界まで執筆作業をしており、なかなかブログにま...
Commentary on the global jihad ideology and movement in the Nikkei Asian Review
- 2015/02/05
- 17:38
My article on the spread of global jihad ideology and movements originally published in the Nikkei Shimbun on January 27 was republished in English on the Nikkei Asian Review website today.Satoshi Ikeuchi, "Spread of radical Islamic ideology cannot be stopped by force," Nikkei Asian Review, February 5, 2015....
『日本経済新聞』の《経済教室》欄で「イスラーム国」の背景とそのメカニズムを解説しました
- 2015/01/30
- 22:59
『日本経済新聞』の1月27日付《経済教室》欄に、「イスラーム国」の背後にあるグローバル・ジハードの理念と組織原理を、概説してあります。『イスラーム国の衝撃』の主要部分のまとめでもありますが、問題は「イスラーム教」の教義解釈に基づく「ジハード主義」のイデオロギーの問題であること、呼応や模倣によって連鎖する組織原理への対処が困難さを抱えること、今後広がるとすれば各地で自発的に名乗りを上げる呼応・模倣組...
コメント集(1):「イスラーム国」による日本人人質殺害・脅迫事件
- 2015/01/30
- 21:31
1月20日に発生した日本人人質殺害脅迫事件に関しては、ブログとフェイスブックを中心に発信しており、テレビ・ラジオには原則として一切出演せず、ビデオ収録によるコメントも許可していません。 新聞・雑誌等には、こちらの仕事の合間に偶然タイミングよく連絡があった場合や、あまりに忙しい時に電話がかかったので帰って断る気力がなくコメントを出した場合など、いくつかコメントが出ています。 また、フェイスブックで...
『エコノミスト』の読書日記は、政治を決定づける「制度」について
- 2015/01/20
- 04:35
ニューオーリンズでの学会から帰国しました。大学事務の作業が膨大にあるので、当分身動きが取れません。帰宅して『イスラーム国の衝撃』を私自身も初めて手に取ってみました。「イスラーム国」について、1月におびただしい数の本が刊行されるようですが、それを「グローバル・ジハード」の一部として分析した本が本書だけであることは確実です。なぜならば、「グローバル・ジハード」は私が用いている分析概念だからです。「グロ...
当分フェイスブックで発信を続けます
- 2015/01/16
- 03:36
1月7日以降のイスラーム教とテロリズム、そしてそれと欧米との関係をめぐる、日本の言論状況に関与する私の見解は、当分フェイスブックで発信を続けます。公開設定のため、下記URLから誰でもアクセスできます。ただしコメントは「友達」か「友達の友達」しかできません。スパムや荒らしを防止するためです。https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchiこのブログであれ、フェイスブックでの発言であれ、全て公的な発言です。同時...
コメント『毎日新聞』にシャルリー・エブド紙へのテロについて
- 2015/01/08
- 17:16
フランス・パリで1月7日午前11時半ごろ(日本時間午後7時半ごろ)、週刊紙『シャルリー・エブド』の編集部に複数の犯人が侵入し少なくとも12人を殺害しました。この件について、昨夜10時の段階での情報に基づくコメントが、今朝の『毎日新聞』の国際面に掲載されています。10時半に最終的なコメント文面をまとめていましたので、おそらく最終版のあたりにならないと載っていないと思います。手元の第14版には掲載され...
「イスラーム国」問題コメント4本(昨年の積み残し)
- 2015/01/05
- 17:12
昨年の仕事をまだやっている仕事初めかな。間に合いません。しかし昨年のものを積み残しを残しておくと気になるから早く終わらせたい。このブログで通例のメディア掲載情報も同じく、積み残しがあります。一瞬の隙をついて4つ記録しておきましょう。昨年10月6日に明らかになった「イスラーム国に日本人学生が!」問題で急激に高まった(もう引いた)メディア対応の記録。もうすぐ終わるからね、と自分に言い聞かせながら日々を...
思い立ったら新書−−–−1月20日に『イスラーム国の衝撃』が文藝春秋から刊行されます
- 2014/12/26
- 12:50
11月末に、思うところあって、「イスラーム国」について新書を急いで書くことにしました。それ以来、海外出張なども挟んで、実質的な執筆時間が極めて少なかったのですが、奇跡的に完成。昨日までに校正・再校も済ませ、完全に著者の手を離れました。タイトルは『イスラーム国の衝撃』と決まりました。1月20日に発売です。当初『イスラーム国の思想と行動』としていたのですが、それでは最近の新書としては固すぎますね。編集...
【寄稿】中央公論1月号に「イスラーム国」の来年の見通しについて
- 2014/12/13
- 02:51
不意に思い立って、何が何でも来年1月に出そうと決めて、超人的な速度で、11月末から昨晩(金曜夜)までの間に、本を一冊書いてしまいました。今週は朝・晩に1章ずつ原稿を入れる状態が続いていました。「イスラーム国」関係です。9・11事件以降のイスラーム過激派の歴史と思想について。新書で230ページぐらい。6月以降、無数に書いたり話したりしてきた内容ではあるので、今突然考えたわけではありませんが。のんびり...
【寄稿】米国の学会の楽しみはブックフェア(週刊エコノミストの読書日記)
- 2014/12/10
- 23:06
本の入稿の原稿を朝晩書いて送りの繰り返し・・・一瞬の隙に、今週月曜日に出ていた記事を紹介しておかないと。池内恵「ワシントンの学会の楽しみ「ブック・バザール」」『週刊エコノミスト』2014年12月16日号(12月8日発売)、73頁**今回も電子版には掲載されていません**米国の中東学会で各大学出版・学術出版が出している新作を全部見ると、それだけで中東情勢の進展が理論的に構造的に頭に入る、という話。ほとんどそれを...
【寄稿】『外交』に「イスラーム国」をめぐる中東国際政治の総論を
- 2014/12/03
- 14:02
ワシントンDCでの短期集中詰め込み勉強から帰ってきて時差をかろうじて直して、本の執筆複数が佳境に入ってきて、とてもブログに戻ってくる時間がない。11月末に出ていた。「イスラーム国」に触発されて中東地域の国際秩序にどのような変化が生じかけているか、ここのところよく話したり書いたりしているものをまとめました。池内恵「中東の地政学的変容とグローバル・ジハード運動ーー引き金を引いた「イスラム国」」 『外交』...
【寄稿】イラン核交渉の期限が本日ですが・・・『フォーサイト』にメモを寄稿
- 2014/11/24
- 03:45
昨晩(といってもワシントンDCにいるのでこちらの朝に書いたものですが)、『フォーサイト』の「中東の部屋」欄にイラン核問題交渉の見通しについて寄稿しておきました。池内恵「イラン核問題交渉の期限が迫る」『フォーサイト』2014年11月23日P5+1(安保理常任理事国5カ国+独)あるいはEU3+3(EU英独仏+米露中)とイランとの、イランの核開発をめぐる交渉が、11月24日に最終期限とされてきましたが、今年7月半ばの...
【寄稿】「イスラーム国」は2015年の論点の「第70」だという・・・
- 2014/11/16
- 07:00
11月13日に発売の、『文藝春秋オピニオン 2015年の論点100』に寄稿しました。池内恵「「イスラーム国」とグローバル・ジハード」『文藝春秋オピニオン 2015年の論点100』2014年、216-218頁電子版も発売されています。むか~し確か「日本の論点」と呼ばれていた年鑑ムックですね。プレスリリースによると「毎年、その時々に社会的に問題になっている100の事柄を取り上げ、各分野の専門家が、それぞれについて800~1,200字程度の短...
【寄稿】産経新聞の「イスラーム国」解説(下)はグローバル・ジハードの組織論について
- 2014/11/15
- 07:00
今朝の産経新聞に、二回シリーズの「イスラーム国」解説の第二回が掲載されています。池内恵「イスラム国の正体(下) 活動機会得たグローバル聖戦運動」『産経新聞』2014年11月15日朝刊個々の組織よりも、背後にある思想イデオロギーが重要。アル=カーイダは2000年代に「組織からイデオロギーへ」「ヒエラルキー型からネットワーク型へ」「集権的組織からフランチャイズ的組織へ」と変貌していた。アル=カーイダのネットワーク...
【寄稿】産経新聞で「イスラーム国」の思想と組織を解説
- 2014/11/14
- 07:14
おはようございます。今日から週末にかけて開かれるとある国際政治系学会に行って参ります。末端のお役目を果たしながら勉強もさせていただく所存です。本日の産経新聞朝刊に、「イスラーム国」の背景、思想、組織原理についての2回の解説の第1回が掲載されています。池内恵「寄稿・イスラム国の正体(上)存立根拠はローカルな内政対立」『産経新聞』2014年11月14日朝刊今回はローカルな内政対立と社会の深い亀裂構造の中で、特...
【寄稿】『文藝春秋』12月号にて「イスラーム国」をめぐる日本思想の問題を
- 2014/11/10
- 07:00
今日発売の月刊『文藝春秋』12月号に、「イスラーム国」をめぐる日本のメディアや思想界の問題を批判的に検討する論稿を寄稿しました。池内恵「若者はなぜイスラム国を目指すのか」『文藝春秋』2014年12月号(11月10日発売)、第92巻第14号、204-215頁なお、タイトルは編集部がつけるものなので、今初めてこういうタイトルだと知りました。内容的には、もちろん各国の「若者」の一部がなぜ「イスラーム国」に入るのかについて考察...
【寄稿】山形浩生さんと「イスラーム国」について対談(『公研』10月号)
- 2014/11/09
- 16:36
「イスラーム国」関連の解説仕事の刊行情報をまとめていく作業の続き。そういえば『公研』に対談を出していた。池内恵・山形浩生(対談)「「イスラーム国」に集まる人々」『公研』2014年10月号(第52巻第10号・通巻614号)、36-54頁『公研』の発行元は公益産業研究調査会という電力系の団体。『公研』は会員企業とメディアなどの決まった配布先にのみ流通している、一般には手に入りにくい媒体だが、政治経済や国際関係について...