【寄稿】『週刊エコノミスト』の読書日記(11)は「新しい中世」を読む2冊
- 2015/05/12
- 07:00
『週刊エコノミスト』の読書日記第11回は、田中明彦『新しい中世』(日本経済新聞社、1996年)、そしてヘドリー・ブル『国際社会論―アナーキカル・ソサイエティ』(岩波書店、2000年)を取り上げました。読みどころの引用なども。
池内恵「混沌の国際社会に秩序を見出す古典」『週刊エコノミスト』2015年5月19日号(5月11日発売)、55頁
今回も、電子書籍版には掲載されていません。
この書評連載の全体の趣旨については、以前に長〜く書いたことがあるので、ご参照ください。
「『週刊エコノミスト』の読書日記は、いったい何のために書いているのか、について」(2014/10/01)
この二つの古典的名作が、いずれも絶版になっている点をフェイスブックで問題提起したところ【田中明彦】【ヘドリー・ブル】、アマゾンでは瞬時に中古が売れ払ってしまい、高額なものが出品されるようになりました・・・
中古市場の形成を促した、あるいは再刊・ロングテール市場の必要性を問題提起したとお考えください。数百円で買えた方々はラッキーということで。多少線を引いてあろうが、手元に置いて読めるだけで今や絶大な効用ですよ。先日紹介したイブン・ハルドゥーン『歴史序説』だって、手元に置いていつでも読めるか読めないかで、人生の豊かさは違うだろう。中東を見るときにものの見方が全く変わってくるだろう。
『歴史序説』はそのうち少部数増刷するかもしれないが、それまでの間の時間は大きい。
池内恵「混沌の国際社会に秩序を見出す古典」『週刊エコノミスト』2015年5月19日号(5月11日発売)、55頁
今回も、電子書籍版には掲載されていません。
この書評連載の全体の趣旨については、以前に長〜く書いたことがあるので、ご参照ください。
「『週刊エコノミスト』の読書日記は、いったい何のために書いているのか、について」(2014/10/01)
この二つの古典的名作が、いずれも絶版になっている点をフェイスブックで問題提起したところ【田中明彦】【ヘドリー・ブル】、アマゾンでは瞬時に中古が売れ払ってしまい、高額なものが出品されるようになりました・・・
中古市場の形成を促した、あるいは再刊・ロングテール市場の必要性を問題提起したとお考えください。数百円で買えた方々はラッキーということで。多少線を引いてあろうが、手元に置いて読めるだけで今や絶大な効用ですよ。先日紹介したイブン・ハルドゥーン『歴史序説』だって、手元に置いていつでも読めるか読めないかで、人生の豊かさは違うだろう。中東を見るときにものの見方が全く変わってくるだろう。
『歴史序説』はそのうち少部数増刷するかもしれないが、それまでの間の時間は大きい。
- 関連記事
-
- 【寄稿】『中東協力センターニュース』連載のリニューアル (2015/05/13)
- 【寄稿】『週刊エコノミスト』の読書日記(11)は「新しい中世」を読む2冊 (2015/05/12)
- 【寄稿】『ブリタニカ国際年鑑』2015年版「イスラム教」の項目を執筆しました (2015/05/11)
- 『中東戦記』が少部数のみ増刷に (2015/04/20)
- My lecture on the spontanuous mechanism of participation-mobilization of global jihadists (2015/04/17)
- 『週刊エコノミスト』の読書日記(10)不寛容への寛容はあるのかーーキムリッカ『多文化時代の市民権』を読み直す (2015/04/02)
- 「読売プレミアム」で長尺インタビューが公開 (2015/03/28)
- 【インタビュー】読売新聞3月25日付「解説スペシャル」欄でイスラーム国とチュニジアについて (2015/03/26)
- コメント集(2):「イスラーム国」による日本人人質殺害・脅迫事件 (2015/03/16)
- スタジオジブリ『熱風』3月号にエルサレムの宗教政治地理について (2015/03/14)
- 「シャルリ・エブド事件を考える」(『ふらんす』特別編集)に寄稿しました (2015/03/13)