【テレビ出演】7月30日テレビ朝日・報道ステーションでスタジオ解説予定
- 2014/07/29
- 23:56
7月30日(夜9時54分~)のテレビ朝日「報道ステーション」にスタジオでゲスト解説の出演予定です。通常は、私がたまーにテレビに出るときは、(1)NHKBS1などで特集テーマが事前に決まっており、そのためのBTRづくりにも私が若干関与するか、ほとんど「原作・原案」に近いことまでやった上でスタジオで解説するか、(2)あるいは最近たまに報道ステーションであったように、その日話題になっている中東問題の特定のテー...
【地図と解説】イスラエル・ガザ紛争の3週間と、今後の見通し
- 2014/07/28
- 23:59
7月8日に本格的に開始されたイスラエルによるガザ攻撃が、28日で3週間となりました。ハアレツ紙が21日間の紛争を地図とグラフでまとめています。出典:LIVE UPDATES: Israeli soldiers, Hamas militants clash in southern Gaza, Haaretz, July 27, 2014.市街地が緑で塗られ、今回の紛争でとくに大きな被害が出た地域は赤く記してあります。ガザは封鎖が政治的な争点になっていますので、エレツなど検問所(crossing)が全部記され...
ガザ紛争をめぐる中東国際政治
- 2014/07/26
- 23:59
中東の激動は一層加速していて、個人で全部情報をまとめるのは不可能になっていますが、同時に、各地の動きが相互に連動しているので、多人数で複数の国・地域の動きを別々に調べてホチキスで止めても用をなさない状況です。やはり全体像を俯瞰しようとする絶え間ない個人の思考が必要です。このブログではそれを目指していきます。ガザの紛争については、メディアの注目が集まりますが、基本は、これまでの繰り返しです。パレスチ...
【地図と解説】FAAの飛行禁止・警告エリアで見るグローバルなジハード組織の広がり
- 2014/07/25
- 14:20
昨日は24日に消息を絶ったアルジェリア航空AH5617便をめぐって、米の連邦航空局(FAA)が飛行を禁止している国の地図を紹介しました(ハアレツ紙)。ただ、ハアレツ紙の示した地図は大雑把で、例えばエジプト全体が禁止地区に塗られているなど(カイロ発着の米国航空会社の便が禁止されているとは聞いていないので)、不正確な部分があります。(1)飛行禁止と高リスクの警告の違い(2)国全体か、国の中の特定の地域か(3...
【地図と解説】墜落したアルジェリア航空機の不吉なルート
- 2014/07/24
- 23:59
アルジェリア航空(スペインのSwift Airが運航する機体をチャーターしたようだが)のAH5617便が、ブルキナファソの首都ワガドゥグからアルジェリアの首都アルジェに向かう途中で墜落した模様だ。まだ分からないことが多い。報道では機体はMD83型機とされているがBBCに対してアルジェリアの高官はエアバスA320とも語っていたようだ。天候不良で視界が悪くなったのでルート変更をしたい、と機長が連絡してきてから消息を絶っ...
『風姿花伝』第一章「年来稽古」の条々、アラフォーの心得と「初心」について
- 2014/07/23
- 17:23
ものすごく遅れている論文が終わっておらず、それが何よりも気にかかって、自分自身の単著(複数)の執筆も滞る。そんな中ブログの執筆などしていたらどこ方面にも義理が立たないこととておりからの蒸し暑さも言訳に更新が途絶えていた。しかし執筆の過程での発見やら、イラク、イラン、シリア、イスラエル・ガザやら、あと忘れられているようだが同様に重要な動きがあるリビアやイエメンなど、中東の現地の激しい変転と、それにま...
先端研のかき氷
- 2014/07/17
- 14:42
そういえばそろそろ今学期の授業も終わり、という話をちらほら聞くけれども、大学とはいえ附置研究所には夏休みも冬休みもありません。邁進するのみ。駒場Ⅱ(リサーチキャンパス)は大学というよりは企業のR&Dセンターのような雰囲気があります。常にクレーン車が何かを持ち上げたり下したりしている。その中で少し一息つけるのが、伝統的な趣を残す正面時計台の建物とその裏の中庭。昼時に日替わりで屋台が来ます。この写真は...
【寄稿】ガザ紛争激化の背景、一方的停戦の怪、来るなと言われたケリー等々
- 2014/07/16
- 17:26
本日の未明に、『フォーサイト』にイラン核開発交渉と、ガザ紛争の背景と構図についての論稿が掲載されました。池内恵「イラン核開発交渉は延長の見通し、ガザ紛争は置き去りに」『フォーサイト』2014年7月16日ほとんど時差のないリアルタイムの情報に基づく考察です。歴史系・思想理論系の論文で机に向かい続けていると、つい息抜きに現状分析の情報整理をしたくなるものですから、寄稿の頻度が上がっています。実際に中東現地の...
【寄稿】ウィーンで会議は踊ってるのか
- 2014/07/15
- 14:23
夜中に短時間でイラン核開発問題をめぐるウィーンでの交渉についてまとめておきました。池内恵「期限切れ目前のイラン核開発交渉─ロスタイムに劇的に決まるか、延長戦か」『フォーサイト』2014年7月15日P5+1(国連安保理事国とドイツ)がイランと行っている核開発問題についての交渉で、7月20日が交渉終結期限とされている。7月2日から13日にかけての多国間での交渉が終わり、焦点は米・イラン二国間交渉に移っている。14日に...
【寄稿】読書日記の第3回は、モノとしての本の儚さと強さ
- 2014/07/14
- 19:35
論文が難航して大変なことに。本も書かねばならないんですが。しかし明日は朝7時30分から会合が入ってしまった。誰だそんな時間から働きたがっているのは。それはさておき。『週刊エコノミスト』の読書日記の連載第3回。本日発売です。池内恵「なくなってしまうからこそ本は買われる」『週刊エコノミスト』2014年7月22日号(7月14日発売), 69頁5号に一度回ってくるこの連載の私の番は、電子書籍版やネットには載りませんので、...
【新企画】おじさん雑誌レビュー『中央公論』8月号特集は「生き残る大学教授」だが
- 2014/07/10
- 17:36
この時期、月刊誌が送られてきます。研究室に来てみると『文藝春秋』と『中央公論』などが届いていました。こういう雑誌の慣行として、寄稿していると送っていただけるようになります。私は親の代からそういう生活をしているので、執筆することもある月刊誌が定期的に届くとさっと目を通す、という生活に慣れ親しんでおります。送られてこなかったら買って読むかというとそれは全く別の問題なので、通常の意味での正式な読者ではあ...
【寄稿・ウェブで公開】『東洋経済オンライン』にイラク情勢分析が掲載
- 2014/07/08
- 15:50
先週お伝えした、『週刊東洋経済』に寄稿したイラク情勢分析が、東洋経済オンラインに掲載されました。池内恵「ISISがイラク侵攻、中東全体の秩序脅かす──過激派の勢力拡大で秩序の流動化が進みかねない」『週刊東洋経済』2014年7月5日号(6月30日発売)ヤフー!ニュースにも転載されたようです。掲載号が紙で出てから一週間後のウェブ掲載は、頃合いの時期でしょうか。現実的にバックナンバーはほとんど売れないわけですから。...
【寄稿:無料になりました】金曜礼拝に「カリフ」現る─『ハフィントン・ポスト』『ブロゴス』にも転載
- 2014/07/07
- 23:53
昨日紹介した、イラク情勢についての『フォーサイト』への寄稿が、無料公開に切り替わりました。『フォーサイト』の宣伝の一環で、ハフィントン・ポストやブロゴスにも転載されました。それらのサイトでもいいですが、フォーサイト本誌でも読んでみてほしいですね。池内恵「イラク・モースルに「カリフ」が姿を現す」『フォーサイト』2014年7月6日このブログのデータベース機能を高めるため、いちおう本文を書きに張り付けておきま...
今年のラマダーン・ドラマ、イチ押しは「実写版・カリフ制イスラーム国家の再興」
- 2014/07/06
- 02:55
休む暇もない。7月4日にイラク・モースルの大モスク(ヌーリー・モスク:Great Mosque of al-Nuri)で行われたとみられる、ISIS改め「イスラーム国家(IS)」の指導者で「カリフ・イブラーヒーム」を名乗るようになったバグダーディーの金曜礼拝への演説(khutuba)の映像が土曜日になって盛んにインターネット上で流れるようになった。新聞各紙も取り上げている。【BBC】【アル=ジャジーラ】【アラビーヤ】【インディ...
震災アーカイブをイスラーム教から考える──聖伝承ハディースは「ビッグデータ」だった
- 2014/07/05
- 22:45
今日は土曜日ですが、先端研に出てきまして午後から夜まで研究会。東北大学の災害科学国際研究所から柴山明寛先生をお迎えして、東日本大震災のアーカイブについてお話を伺い、議論をさせていただきました。大変刺激になる一日でした。震災をどう記録・記憶するか。これは「ビッグデータ」に関わる問題で、文理融合で取り組むに値する課題です。東北大・災害研ではすでに理工系から民俗学に渡る幅広い領域のデータを包括的に集積す...
【寄稿】イラク分析12のポイントがウェブで無料公開
- 2014/07/04
- 14:55
昨日お知らせした、『中東協力センターニュース』への分析コラムがウェブ上にPDFで公開されました。池内恵「急転するイラク情勢において留意すべき12のポイント」『中東協力センターニュース』2014年6/7月号(第39巻第2号)、67-75頁...
【寄稿】イラク情勢12のポイント『中東協力センターニュース』
- 2014/07/03
- 17:54
『中東協力センターニュース』6/7月号に分析コラムを寄稿しました。池内恵「急転するイラク情勢において留意すべき12のポイント」『中東協力センターニュース』2014年6/7月号(第39巻第2号)、67-75頁近いうちに、ウェブ上でPDFで公開されます。【追記7月4日:公開されました。ダイレクトリンク】連載「「アラブの春」後の中東政治」の第7回。連載のこれまでの回についてはをココを参照してください。「アラブの春」につ...
井筒俊彦論がアンソロジーに再録されました
- 2014/07/02
- 19:09
国際日本文化研究センターに勤務していた時代にカイロで開催した研究大会で発表し、『日本研究』に掲載した井筒俊彦論が、井筒をめぐるアンソロジーに再録されました。池内恵「井筒俊彦の主要著作に見る日本的イスラーム理解」『井筒俊彦』(KAWADE 道の手帖)2014年6月、162-171頁(初出は『日本研究』第36集、2007年9月)なかなか多面的な仕上がり。今度じっくり読んでみよう。...
【寄稿】『週刊東洋経済』に寄稿──米側の限定介入の原則、ISIS側の分裂要因
- 2014/07/01
- 23:04
出ました。昨日発売の『週刊東洋経済』にイラク情勢について解説。池内恵「ISISがイラク侵攻 中東全体の秩序脅かす」『週刊東洋経済』2014年7月5日号(6月30日発売)、22-23頁その後ISISは、地域的限定を取って「イスラーム国家」となったと主張しているので「IS」と略してもいいのだろうが、実効支配の範囲があまりに狭いので、現実的にはあたかも全世界を覆うカリフ制国家であるかのようにISと呼ぶのは政治・国際...