朝日新聞から(2007年5・6月)
5-4
5月25日 (忘れ物)
今年6月に実施された「日本語検定」が注目されている。(夕刊9面)
タイアップの書籍広告だから、新聞社に責任がないといえばないけど、あるといえばある。掲載時期がかわったのだろうか。ちなみに、その後、実施されたはずの検定の結果はどうなったのだろう。前評判が高かった割に、後日談を聞かない。ちなみに第2回は10月27日の予定。
5-5 (忘れ物)
5月27日
朝刊37面の「ことば談話室」のテーマは「更なる」。ある文章読本が「誤用」と決めつけているのを目にして以来、気になっている。内容を箇条書きにしておく。
・「更なる」は連体詞で副詞の「更に」と同じ「一層の」という意味。
・朝日新聞(東京発行)1・2・3面の登場数は、95年が1件、00年が40件台、03年は90件台と増えている。
・要領を得ない解説だが、「更なる」は文語らしい。
誤用と断言する気はないが、あまり積極的には使いたくない。文語と決めつける気もないが、やはり文語臭が気になるのだろう。困るのはは、書きかえにくいこと。似たような言葉に「次なる○○」「新たなる○○」があるけど、こちらは「次の○○」「新しい○○」とでもすれば問題がない。「さらなる○○」は「一層の○○」にできなくはないけど、なんかヘンな感じが残る。
5-6 (忘れ物)
5月28日
「ライアーゲーム」(土曜、フジ)は、見るたびによい意味で期待を裏切られる。
テレビの投書欄だから、新聞社に責任がないといえばないけど、あるといえばある。書き手は17歳の女子高生。このぐらいの世代に受けているのだろうか。それはさておき、問題は「よい意味で期待を裏切られる」。微妙だけど、誤用っぽい。一般的な形は「よい意味で予想を裏切られる」(「よい意味」にするか「いい意味」にするかは別の話)。「期待」を裏切られたら、悪い結果しかない。
6-1
6月1日
おでん缶は、東京都新宿区の人気ラーメン店「麺屋武蔵」店主の山田雄さん(54)が開発し、食品企画会社UMAI(千代田区)と自販機大手フジタカ(京都府長岡京市)が共同で製造・販売。1缶300円前後で売られている。(夕刊15面)
おでんの缶詰に続き、ラーメンの缶詰がヒットしていることを伝える記事の本文の書き出し。()だらけの長い一文はやめましょう、って話はおく。この部分って「おでん缶」じゃなくて、「ラーメン缶」の話でしょ。「麺屋武蔵」が企画したおでん? 裏をとる気にもなれない。だいたい、リードの書き出しで〈昨年人気を集めた、自動販売機で売る「おでん缶」に続き、今度は「らーめん缶」がオタク文化の聖地・秋葉原で大ヒットしている〉って書く人だも。もう何年も前から話題になってんですけど。このラーメン缶詰の麺はコンニャクで、なかなかの味らしい。少し前に『こち亀』で両さんが、缶の内部が2層になっているラーメン缶を開発(?)していた。プルトップを引くと、間の仕切りが外れて、麺とスープが混ざる。この方式のほうがフツーの麺が使えて味がよくなると思うけど、技術的にはむずかしいのかな。
6-2
6月25日
いい意味で期待を裏切りたい(17面/将棋欄)
将棋の観戦記事だから、新聞社に責任がないといえばないけど……(こればっかり)。初めてA級にあがった行方八段のコメント。こうしてこういう表現もフツーになっていくんだろうな。
6-3
水曜日は大阪城へと足を伸ばした。(17面/囲碁欄)
ストレッチじゃないんだから、この場合は漢字で書くなら「延ばす」しかない。こんなのひらがなで「のばす」って書けばいいでしょうに。「ひと足のばして」は、旅行ガイドの慣用句で、「延ばして」と表記されると個人的にはかなり異和感がある。
5月25日 (忘れ物)
今年6月に実施された「日本語検定」が注目されている。(夕刊9面)
タイアップの書籍広告だから、新聞社に責任がないといえばないけど、あるといえばある。掲載時期がかわったのだろうか。ちなみに、その後、実施されたはずの検定の結果はどうなったのだろう。前評判が高かった割に、後日談を聞かない。ちなみに第2回は10月27日の予定。
5-5 (忘れ物)
5月27日
朝刊37面の「ことば談話室」のテーマは「更なる」。ある文章読本が「誤用」と決めつけているのを目にして以来、気になっている。内容を箇条書きにしておく。
・「更なる」は連体詞で副詞の「更に」と同じ「一層の」という意味。
・朝日新聞(東京発行)1・2・3面の登場数は、95年が1件、00年が40件台、03年は90件台と増えている。
・要領を得ない解説だが、「更なる」は文語らしい。
誤用と断言する気はないが、あまり積極的には使いたくない。文語と決めつける気もないが、やはり文語臭が気になるのだろう。困るのはは、書きかえにくいこと。似たような言葉に「次なる○○」「新たなる○○」があるけど、こちらは「次の○○」「新しい○○」とでもすれば問題がない。「さらなる○○」は「一層の○○」にできなくはないけど、なんかヘンな感じが残る。
5-6 (忘れ物)
5月28日
「ライアーゲーム」(土曜、フジ)は、見るたびによい意味で期待を裏切られる。
テレビの投書欄だから、新聞社に責任がないといえばないけど、あるといえばある。書き手は17歳の女子高生。このぐらいの世代に受けているのだろうか。それはさておき、問題は「よい意味で期待を裏切られる」。微妙だけど、誤用っぽい。一般的な形は「よい意味で予想を裏切られる」(「よい意味」にするか「いい意味」にするかは別の話)。「期待」を裏切られたら、悪い結果しかない。
6-1
6月1日
おでん缶は、東京都新宿区の人気ラーメン店「麺屋武蔵」店主の山田雄さん(54)が開発し、食品企画会社UMAI(千代田区)と自販機大手フジタカ(京都府長岡京市)が共同で製造・販売。1缶300円前後で売られている。(夕刊15面)
おでんの缶詰に続き、ラーメンの缶詰がヒットしていることを伝える記事の本文の書き出し。()だらけの長い一文はやめましょう、って話はおく。この部分って「おでん缶」じゃなくて、「ラーメン缶」の話でしょ。「麺屋武蔵」が企画したおでん? 裏をとる気にもなれない。だいたい、リードの書き出しで〈昨年人気を集めた、自動販売機で売る「おでん缶」に続き、今度は「らーめん缶」がオタク文化の聖地・秋葉原で大ヒットしている〉って書く人だも。もう何年も前から話題になってんですけど。このラーメン缶詰の麺はコンニャクで、なかなかの味らしい。少し前に『こち亀』で両さんが、缶の内部が2層になっているラーメン缶を開発(?)していた。プルトップを引くと、間の仕切りが外れて、麺とスープが混ざる。この方式のほうがフツーの麺が使えて味がよくなると思うけど、技術的にはむずかしいのかな。
6-2
6月25日
いい意味で期待を裏切りたい(17面/将棋欄)
将棋の観戦記事だから、新聞社に責任がないといえばないけど……(こればっかり)。初めてA級にあがった行方八段のコメント。こうしてこういう表現もフツーになっていくんだろうな。
6-3
水曜日は大阪城へと足を伸ばした。(17面/囲碁欄)
ストレッチじゃないんだから、この場合は漢字で書くなら「延ばす」しかない。こんなのひらがなで「のばす」って書けばいいでしょうに。「ひと足のばして」は、旅行ガイドの慣用句で、「延ばして」と表記されると個人的にはかなり異和感がある。