下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html日本語アレコレの索引(日々増殖中)【5】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1669912728&owner_id=5019671
mixi日記2011年03月18日から
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1691635798&owner_id=5019671 妙なことが気になってしまった。
「お召し上がりください」は二重敬語か否か。敬語が苦手な当方の手には余る問題って気がするが、頑張ってみる。ツッコミはやさしくお願いします。
そもそも「二重敬語」とは何か、という話から始める。
まずWikipediaを見ると、以前はあった記述が削除されている。そんなにいい加減なことは書いてなかった気がするけど。
下記のトピから回収しておく。
27)【「お承りできません」&二重敬語をめぐって】(11=2010年07月05日)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43858453
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いまさらながら、Wikipediaの「二重敬語」に関する記述をあげておきます。
【日本語の乱れ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E4%B9%B1%E3%82%8C#.E4.BA.8C.E9.87.8D.E6.95.AC.E8.AA.9E
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二重敬語
尊敬語や謙譲語を重ねる表現。万葉集の時代から第二次世界大戦に至るまで天皇などに対しては積極的に使われ、また口語では天皇など以外に対しても用いられた。「いらっしゃる」(<いらせらる<いる+尊敬の助動詞「す」+尊敬の助動詞「らる」)や「思し召す」(思うの尊敬語「思す」+尊敬語「召す」)のように、二重敬語が慣用化して一語になったものも古くからある。
戦後になって、敬語の簡略化を目指した政府により、これからの平等社会には相応しくないとされるようになった。特に皇室関連では、それまで通例であった二重敬語が意識的に排除された。
一般に日本語の規範と考えられているNHKアナウンサーも、中立性を求められるNHKが皇族を過剰に敬ってはならないので皇族に対しては二重敬語を使わないようにしているものの、それ以外ではしばしば使っている。ただし、敬語の使い方を特に取り上げた番組では、誤りではないが好ましくない敬語として扱う。
例:
その年の夏、御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、暇さらに許させたまはず。(『源氏物語』)
「許す」に尊敬の助動詞「す」を接続させたところへ更に尊敬の補助動詞「給ふ」を接続させている。古典文学において二重敬語は、地の文では天皇などに対する最高敬語として用いられる。会話文では天皇以外に対しても幅広く用いられる。
家のだんなさまが、お前さんに会いたいから、つれて来いと、おっしゃられた。(昭和23年、菊池寛『アラビヤンナイト』)
かつては普通に用いられた表現だが、現代社会においては、尊敬語「おっしゃる」と尊敬を表す助動詞「れる」を二重に用いるのは過剰で、「おっしゃった」または「言われた」がふさわしい。
お葉書、拝見いたしましたが、ぼくの原稿、どうしても、――だめですか?(昭和12年、太宰治『二十世紀旗手』)
かつては普通に用いられた表現だが、現代社会においては、「見る」の謙譲語「拝見する」に対してさらに「いたす」をつける必要はなく、「拝見しましたが」で十分である。
================================
この記述によると、二重敬語は現代では過剰、と読めます。
ホントのところはどうなんでしょうか。
敬語に強いかた、お導きください。
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●「~てください」「お~ください」は敬語なのか
ネット検索して見つけた、役に立ちそうなサイト(ヤな読点だな)。
【お召し上がりください 誤用敬語:敬語の使い方マニュアル】
http://keigo.livedoor.biz/archives/292237.html
================================
お召し上がりください 誤用敬語
開封後はお早めにお召し上がりください
食品のパッケージに、よく表記されているフレーズですね。
「召し上がる」は「食べる」の最上級の尊敬語です。
ですので、「召し上がる」にさらに「お」を付けて「お召し上がりください」と言うのは二重敬語となり、過剰な表現だと考えられています。
したがって、この場合は「開封後はお早めに召し上がってください」が正しい使い方です。
しかし、最近では「お召し上がりください」という言い回しが定着しており、間違いとは言い切れなくなってきています。
その背景には、「召し上がってください」では尊敬のニュアンスがうすく感じられ、さらに丁寧に表現しようとした結果のようです。
しかし、本来は「お召し上がり」という言葉はあまりすすめられないということを知っておくべきです。
================================
ネット上では、こういう説が大量に出回っている。もっともらしい書き方だが、これってホントなのだろうか。細かく見ていくと、引っかかるところがかなりある。
たとえば〈「召し上がる」は「食べる」の最上級の尊敬語〉なの、とか。
〈「召し上がる」にさらに「お」を付けて「お召し上がりください」〉って、「お」がつくともれなく「ください」がつくの、とか。
〈「開封後はお早めに召し上がってください」が正しい使い方〉なの、とか。
細かい話は無視して根本的な話をする。「~てください」「お~ください」は敬語なのか。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1549552703&owner_id=5019671
↑の日記にいただいたコメントによると、「~てください」は丁寧語で、「お~ください」は尊敬語。
ちょっと疑問も残る。どんなに丁寧に言ったって、命令形の敬語っておかしくないか?
「食べろ」の丁寧語が「食べてください」なのか? なんか違うのでは。あえて言うなら「食べてくださいませ」じゃないか、って気がする。
たとえば「食べていただきたい」って敬語なんだろうか。「食べてください」って、「食べていただきたい」の丁寧な形なんだろうか。あと「食べたまえ」なんてのもあったな。
【疑問1】
「食べてくれ」と「食べてください」「食べていただきたい」の関係ってどうなるの?
……授受関係の「くれる」と「もらう」(いただく)ってことか?
Wikipediaの「敬語」の項を見ると、似たような表現はあっても「お~ください」はスコンと抜けてる。当然「~てください」もない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E8%AA%9E
※「お/ご~になる」「お/ご~なさる」「お/ご~です」は尊敬語。
※「お/ご~する」「お/ご~頂く・申し上げる」は謙譲語。
●許される二重敬語、許されない二重敬語
ダダをこねるのはやめよう。「~てください」「お~ください」は世間では敬語と考えられているようだから逆らわない。
ということは、「召し上がってください」「お召し上がりください」は二重敬語ってことになりそうだ。やっと「二重敬語」の話になった。実はまだ先は長い(笑)。
またしても問題だらけの「敬語の指針」にご登場いただくことになる。文化庁は「二重敬語」について下記のような見解をもっている。
http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/soukai/pdf/keigo_tousin.pdf#search='%E6%96%87%E5%8C%96%E5%BA%81%20%E6%95%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%8C%87%E9%87%9D'
================================
(2) 「二重敬語」とその適否
一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例えば「お読みになられる」は「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更に尊敬語の「……れる」を加えたもので,二重敬語である。
「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。
【習慣として定着している二重敬語の例】
・(尊敬語)お召し上がりになる,お見えになる
・(謙譲語?)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる
================================
こんな書き方でわかるのかな。
Wikipediaのように「不規則動詞一覧」をつけてくれないと誤解されるよ。そうでなくても、当方のレベルだと「同じ種類の敬語」ってあたりで躓きかける。
たとえば、「召し上がりました」は「召し上がる」(尊敬語)+「ました」(丁寧語)だから二重敬語ではないってことだろう。
【疑問2】
ってことは、「お伺いになる」は「伺う」(謙譲語)+「お~になる」(尊敬語)だから二重敬語ではないってことなのかな。それともこの使い方自体が誤用なのかな。
たとえば、部長が社長に何かを訊いたことを部下が表現する。「伺う」は部長が社長に対する謙譲。「お~になる」は部下(本人)が部長に対する尊敬なんで、間違いではないだろう。さて、「お伺いになる」は二重敬語か否か。
「~てください」は丁寧語で「お~ください」は尊敬語ってことは、「召し上がってください」は二重敬語ではなく、「お召し上がりください」は二重敬語ってことか。脱落寸前(泣)。
【疑問3】
「召し上がりました」とか「召し上がってください」って相当ヘンじゃないかな。
「召し上がられた」とか「お召し上がりになった」とかにしたくなるのが人情。だから「習慣として定着している二重敬語の例」として大目に見てもらえるのね。
ただ、これをどこまで大目に見てもらえるのかな。なんとなく「不規則動詞」がらみ限定じゃないかって気がする。
前に見た例で考えてみる。
個人的な毒メモ【ありえないコメント集 乱ちゃんの場合】 ご乱心す5(総集編?)※公開制限あり
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1677052038&owner_id=5019671
このときに引いた下記のサイトの判断。
http://www.jp-guide.net/businessmanner/business/keigo.html
×お立ちになられる
×お帰りになられる
×ご希望になられる
×ご覧になられる
○お召し上がりになる
○お召し上がり下さい
○お伺いする
文化庁が許容している「召し上がる」と「伺う」がらみは当然OK。さらに、「ご覧になられる」の解説のなかで下記のように書いている。
================================
「見る」→「ご覧になる」と、「~られる」を二重に使用しています。
○「ご覧になる」
================================
ここで紛らわしいのは、「ご覧になる」の性質。二重敬語っぽいんだけど分解できない。
「ご覧ください」「ご覧に入れる」「ご覧いただく」とかって言い方を考えると、元々が「ご覧」+「になる」の二重敬語って気がするんだけど。微妙。
「お見えになる」「お召しになる」「お越しになる」あたりの「不規則動詞」なら「なられる」してもさほど不自然ではない気がする。でもそうなると「おっしゃられる」もOKになってしまうか。
世間には「クドすぎなければOK」(「クドすぎる」って重言だろうか)とか、「過剰でなければOK」とか乱暴なことを言う人もいるようだ。そんな主観的な判断をしはじめたら、収拾がつかなくなるんじゃないかな。
●ちょっと寄り道……元々二重敬語とも思える疑惑の不規則動詞
↑に上げた「不規則動詞」が二重敬語か否か辞書を確認しておく。
1)お見えになる=お~になる+見える
2)お召しになる=お~になる+召す
3)お越しになる=お~になる+越す
4)ご覧になる =ご~になる+覧?
■Web辞書(『大辞泉』から)
1)見える
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B&dtype=0&dname=0na&stype=0&index=21439217534800&pagenum=1
================================
み・える【見える】
[動ア下一][文]み・ゆ[ヤ下二]
5 「来る」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。「先生が―・えました」
================================
尊敬語「見える」に「お~になる」をつけてんだもん。バッキバキに二重敬語だよ。
2)召す
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E5%8F%AC%E3%81%99&stype=0&dtype=0
================================
め・す【召す】
[動サ五(四)]《「見(め)す」と同語源。ごらんになるためにお呼び出しになるところから》
1 「人を呼び寄せる」「招く」「取り寄せる」「呼び出して任ずる」などの尊敬語。「神に―・される」
「御硯(すずり)急ぎ―・して」〈源・帚木〉
「もろこしの判官に―・されて侍りける時に」〈古今・九九三・詞書〉
2 《「お取り寄せになる」意から》身にとり込む、身につける、また身体に関連する動作をいう。
①「食う」「飲む」「着る」「履く」「買う」また、「乗る」などの尊敬語。「お酒をたくさん―・しておられる」「和服を―・していらっしゃる」「花を―・しませ」「車にお―・しになる」
================================
一般に使うのは「着る」の意味だろう。「少し白酒召されたか」ってのはあるな。「きこしめす」も尊敬表現ってことを初めて知ったorz。
尊敬語「召す」に「お~になる」をつけてんだもん。バッキバキに二重敬語だよ。
3)越す。これは微妙。どちらかと言うと、「お越し」+「になる」なんだろうな。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E8%B6%8A%E3%81%99&stype=0&dtype=0
================================
6 (越す)
②(「おこし」の形で)「行く」「来る」の意の尊敬語。「どちらへお―・しですか」「またお―・しください」
================================
「お越し」の形で初めて尊敬語。これに「になる」がつく形は……二重敬語ではなさそう。
4)覧? 「覧す」という形はない。やはり「ご覧」+「になる」なんだろうな。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%94%E8%A6%A7&stype=0&dtype=0
================================
ご‐らん【御覧】
【1】「見ること」の尊敬語。「―のとおりです」=
===============================
「ご覧」の形で初めて尊敬語。これに「になる」がつく形は……二重敬語ではなさそう。
●「召し上がってください」は不自然では
以上を踏まえて、下記で【問題】にした個々の表現について見ていく。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1686728143&owner_id=5019671
1)召し上がりました
「召し上がる」(尊敬語)+「ました」(丁寧語)。違う種類の敬語なので、二重敬語ではない。
2)召し上がられました
「召し上がる」(尊敬語)+「られる」(尊敬語)+「ました」(丁寧語)なので、尊敬語が二重になっている。文化庁の許容とは形が少し違うが、許容範囲だろう。
3)お召し上がりになりました
文化庁お墨付きの許容形「お召し上がりになる」に「ました」(丁寧語)がついた形。許容形と言うか、もっともフツーって気がする。
4)お召し上がりになられました
「ました」(丁寧語)を除いた「お召し上がりになられる」は、「召し上がる」+「お~になる」+「られる」で三重敬語になっている。これはちょっとマズいような。でも使っちゃいそう。
5)召し上がってください
「~てください」を丁寧語だとしても、尊敬語&丁寧語なので、二重敬語ではない。
6)お召し上がりください
「お~ください」は尊敬語だとしても、この形は許容範囲だろう。
●「召し上がりました」「召し上がってください」はOKか
【疑問3】に関する当方の意見。
「召し上がりました」や「召し上がってください」が不自然に感じられる理由。
どちらも間違いではないだろうが、異和感がある。
前者は、許容形の「お召し上がりになりました」やたぶん許容形の「召し上がられました」のほうがフツーだろう。後者も、(たぶん)許容形の「お召し上がりください」のほうがフツー。
敬度が高い表現がフツーになると、敬度が低い表現がゾンザイに感じられてしまう。「悪貨は良貨を駆逐する」(誤用だって)
もうひとつ考えられるのはバランスの問題。「食べました」「食べてください」なら別に異和感がない。「召し上がる」という高敬度の言葉を使って、後ろがただの丁寧語だと相当落ち着きが悪い。
これは「~してもらっていいですか」あたりの気持ちの悪さに通じるものがある。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1657595745&owner_id=5019671
●「お承りできません」はOKか
ついでだから?、↑でひいた下記のトピの問題にもふれておく。
【「お承りできません」&二重敬語をめぐって】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43858453
「お承りできません」は「お承りする」+「できません」と考えていいだろう。
すでに元トピの「431」で指摘があるように、
「承る」+「お~する」で、謙譲語と謙譲語の二重敬語。
ちなみに、同じコメントで指摘がある「お伺いする」は、文化庁のお墨付きの許容形。
「お承りする」が許容される理由は見当たらない。「不規則動詞」がらみだから大目に見ることができるのかな。でも「お承りする」なんて相当クドくないか?
そもそも謙譲の「不規則動詞」と「お+○○+する」の組み合わせは、「お伺いする」以外あるのだろうか。
「お上げする」「お申しする」「お参りする」(意味がかわる)「お頂きする」
どれも聞いたことがない。
さらにイヤなのは「できない」との組み合わせ。
これは裏をとってないが、「できない」はかなり強い拒絶の言葉だから敬度が高い言葉とは相性が悪い気がする。
「献上できます/献上できません」とか言わないよな。
不可能を表わすなら、尊敬語なら「~なれません」、謙譲語なら「~(し)かねます」のほうが素直だろう。
お召し上がりになれません/お求めになれません
献上しかねます/申し上げかねます
仮に「お承りする」ことができないなら、「お承りしかねます」にするべき。これならまだ許容できなくはない、って気がする。それだって「承りかねます」がフツーの日本語だと思う。こんなにムチャな二重敬語を許容する理由があるのだろうか。
【追記】
↑で「お召し上がりください」でひいたサイトに「ご注文をお承りしました」は×とある。
http://keigo.livedoor.biz/archives/cat_13877.html
================================
二重敬語に気をつけよう
1つのことばに同じ種類の敬語を2つ以上つけてしまう誤りを、二重敬語といいます。
地位の高い人には、ついつい気負いすぎて敬語をいくつも重ねてしまうしまうものですが、たくさん敬語をつけたからといって、より敬意が高くなるわけではありません。
適切な使い方を身につけましょう。
二重敬語の文例
1.ご注文をお承りしました ⇒X
2.ご注文を承りました ⇒O
3.ご注文をお受けしました ⇒O
◎ポイント
承るは「わかる」の言い換え型の謙譲語で、「お~する」は付け足し型の謙譲語です。文例1は、これらの謙譲語が二重に使われています。
1.社長がおっしゃられたことは、ごもっともだと思います⇒X
2.社長がおっしゃったことは、ごもっともだと思います ⇒O
◎ポイント
「おっしゃる」は、「言う」の言い換え型の尊敬語で、「られる」は付け足し型の尊敬語です。この2つの敬語表現を重ねることは間違いになります。
1.先生は、すでにお帰りになられました⇒X
2.先生は、すでにお帰りになりました ⇒O
◎ポイント
「お帰りになる」と「られる」はどちらも付け足し型の尊敬語です。したがって、この言葉を組み合わせて使うと、間違った敬語遣いになります。
1.ゴルフをなされるそうですね⇒X
2.ゴルフをなさるそうですね ⇒O
3.ゴルフをされるそうですね ⇒O
◎ポイント
「なさる」は「する」の言い換え型の尊敬語で、「れる」は付け足し型の尊敬語です。この2つの敬語表現を重ねることは間違いになります。
二重敬語になっているものでも、次の文例のように慣用的に使われている言い回しもあります。
「お召し上がりになる」は、召し上がる+お~になるの二重敬語
「お伺いする」は、伺う+お~するの二重敬語
================================
そりゃそうだろう。ただ、ここでは「お召し上がりになる」は許容になっている。↑とかなりニュアンスが違う。よく読むと矛盾とまでは言えないけど、ちょっとマズいんじゃないかな。
このサイトはほかのところを見てもツッコミどころが多そうだな(黒笑)。
【追記】
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
われながらいい加減なことを書いているな。
やはり敬語になって口を挟んではいけない(泣)。
最低限の修正。
「お~ください」「~てください」が敬語か否かは不明。疑問は残るが、「お~ください」は尊敬語で、「~てください」は丁寧語(尊敬語ともとれる)ってことにしておく。
「お召し上がりください」は尊敬+尊敬なので二重敬語とも言える。でもこれは許容範囲。
「召し上がってください」は尊敬+丁寧なら二重敬語ではない。
それ以前にこれは「敬語連結」http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1706612482&owner_id=5019671の形。仮に尊敬+尊敬と考えても、「敬語連結」なので二重敬語ではない。
……ってことでいいんだよな?
「召し上がってください」「お召し上がりください」は二重敬語か
〈2〉──「ご高覧ください」は二重敬語かmixi日記2011年03月日から
下記の質問を読んでイヤな汗が流れる。
【「ご高覧いただければ幸いです」の「ご高覧」って二重敬語ですか?】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1357772443
仮に「ご高覧いただく」「ご高覧ください」が二重敬語だとしても、これはさすがに許容だろう。そうなると許容される二重敬語がものすごい数になる。
ビビりながら辞書をひく。
■Web辞書(『大辞泉』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E9%AB%98%E8%A6%A7&stype=0&dtype=0&dname=0na
================================
こう‐らん〔カウ‐〕【高覧】
相手を敬って、その人が見ることをいう語。「御―に供する」
================================
『大辞林』もほぼ同様。
いっしょくたに並べたけど、「ご高覧いただく」と「ご高覧ください」はちょっと違う。
まず問題になるのは、「ご~ください」が敬語か否かってこと。これに関しては↑で見たとおり尊敬語と考える。
一方「ご~いただく」は謙譲語。元の形は「高覧してもらう」だろうな。
フーム。「高覧」って尊敬語ではないんだ。ちょっと意外。ってことは、「ご高覧ください」も「ご高覧いただく」も二重敬語ではない。「敬う」表現ではあるが、分類上は「敬語」ではない。この類いを「敬語」にすると、世の中二重敬語だらけになるからか(笑)。
もしかすると、保留にしてある〈「亡くなる」は敬語か否か〉って問題もこういう考え方でいいのかも。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1592.html「敬語」ではないけど、「敬った表現」か。微妙(笑)。
仮に「高覧」を尊敬語と解釈するなら……。
「ご高覧ください」は尊敬語+尊敬語なので、二重敬語になる。
「ご高覧いただく」は尊敬語+謙譲語なので、二重敬語にはならない。
ということは、「ご高覧いただければ……」は二重敬語にはならない。これが「ご高覧いただければ幸いです」だと相当クドいのではと感じる人もいるかもしれない。でもこれは一種の慣用句だろう。そういうインネンをつけてはいけません。
「ご○○ください」だの「ご○○いただく」といった形の慣用句は多い。厳密に考えると、
○○が尊敬のニュアンスのときには謙譲の「ご○○いただく」を使う
○○が謙譲のニュアンスのときには尊敬の「ご○○ください」を使う
のが正解なのかもしれない。でも通常はそこまでシビアに考える必要はないだろう。
そんなことより、もっと素朴な疑問が湧いた。
ちょっと話は逸れるので深く考えるのはやめておくけど、ここに踏み込むとややこしくなりそう。
「高覧」って名詞しかないのね。名詞だから、辞書の例文の「ご―に供する」はアリだろう。
でも「高覧する」がナシなら、「ご高覧いただく」や「ご高覧ください」もナシってことにならないか?
「高覧する」がナシってことになると、もうひとつややこしい話が出てくる。
たとえば、「ご歓談ください」は、通常「歓談する」+「ご~ください」のはず。
ところが、「高覧する」がナシなら、「ご高覧ください」を「高覧する」+「ご~ください」に分割することができなくなる。
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
「ご高覧(を)いただく」や「ご高覧(を〈して〉)ください」の省略形と考えることにする(笑)。
「ご高覧をいただく」はまだアリの気がするが、「ご高覧をください」って相当ヘンだぞ。
「ご高覧いただく」とか「ご覧いただく」って、どうも得体がしれない。
このあたりは、下記の問題もからんできそうだ。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1854.html
さらに言うと、「高覧」が尊敬語だとすると、「ご高覧」は「ご」(尊敬語)+「高覧」(尊敬語)なんで、二重敬語になる可能性がある。この「ご」を美化語と考えるのは無理だろう。やはり、辞書を信じて「高覧」は尊敬語ではないと考えるべきだろう。
o( ̄ー ̄;)ゞううむ
われながら相当あやしいことを書いている。
ホントなんだろうか。だから敬語の話は嫌い。
「召し上がってください」「お召し上がりください」は二重敬語か〈4〉──
【「拝見させていただく」は二重敬語か】
Yahoo!知恵袋・改
mixi日記2011年04月日から
〈3〉として書いたものにいろいろ不備があったので書きかえます。
イチバンの問題は、当方が「拝見させていただく」を二重敬語と思い込んでいたことです。
間違いを指摘してくださったmuta_005さんには、感謝いたします。そのうえ当方が中途半端な書きかえをしたために余計な手間をとらせてしまいました点も、お詫び申し上げます。
元々敬語があまり得意でないうえに、「敬語連結」というものを根本的に誤解していた気がします。今回のことで、「敬語連結」のことがかなりわかった気がします。まだちょっと引っかかっている部分がありますが……。
〈3〉をめぐる経緯は、下記をご参照ください。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1905.html テーマサイトは下記。
【敬語について。 「拝見させていただく」という表現は二重敬語なのでしょうか? 】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1059591395
「拝見させていただく」は二重敬語か。
結論だけを書くなら、二重敬語とは言えない。
「拝見する」は「見る」の謙譲語。
「~いただく」は「~もらう」の謙譲語。辞書によっては「謙譲表現」(『大辞林』)にしているものもあるが、ここでは「謙譲語」として考える。辞書の詳細は末尾。
しかし、「拝見させていただく」は二重敬語ではなく、「敬語連結」と呼ばれるものだろう(「敬語連結」に関する文化庁の「敬語の指針」は末尾)。
したがって、「拝見させていただく」は二重敬語ではない。
ただ、この言い方が一般に許容されているか否かは、非常に微妙な問題になる。
いくつかのポイントがある。
■「~させていただく」の呪縛
まず考えなければならないのは、「~させていただく」という表現。このところ目のカタキにされている印象がある。ただ、「拝見する」の場合は「もっと丁寧な形」の「拝見いたします」があるんだから、このあたりで手を打ってもらえないかな。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1286.html 「拝見いたします」に関してはちょっと別の疑問があるけど、それは改めて考えることにする。
■世界の車掌から
小見出しは単なるダジャレなんで、深く考えないように。(←オイ!)
「拝見させていただく」はどんな場面で使うか。
真っ先に浮かんだのは、長距離列車の検札。車掌が乗客に向かって声をかける。現実には「(切符を)お願いします」「(切符を)拝見します」くらいで十分通じるだろうが……。
「切符を拝見させていただきます」
「切符を拝見させていただけますか」だともっと丁寧。
このへんが敬語の使い方のむずかしいところ。客という立場になると急にインネンをつける人がいるから、とにかく下手に出ておいたほうが無難って気がしないでもない。
「拝見いたします」でもおかしくはないけど、これは厳密に言うと、お願いの形になっていない。
「拝見させてください」だと、「~ください」は命令口調って話も出てくる。
278)【「ください」は命令口調なのか?】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1459.html そういうモロモロのことを考えると、うるさそうなお客には「切符を拝見させていただけますか」がいい気がする。
これが「切符を拝見させていただきます」とどう違うかはまた微妙な問題で、やはり「(形式だけでも)相手の都合を確認するべき」なんだろう。
■Web辞書(『大辞林』から)
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%8F&stype=0&dtype=0&dname=0ss
================================
いただ・く0 【頂く・▼戴く】
(動カ五[四])
[2]「もらう」の謙譲語。目上の人から金品をもらうことや恩恵となるような動作を受けることを、受け手を低めていう言い方。頂戴する。
○○さんから辞典を―・く
『お代はいくら』 『五千円―・きます』
[3]「食べる」「飲む」の謙譲語・丁寧語。
もう十分―・きました
お昼御飯はうちで―・いてきました
[4](補助動詞)
(ウ)(「…させていただく」の形で)相手に自分がしようとする動作についての許しを願う謙譲表現。
私が進行役をつとめさせて―・きます
ここでもう少し待たせて―・きたいのですが…
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■「敬語の指針」の「敬語連結」の記述
(3) 「敬語連結」とその適否
二つ(以上)の語をそれぞれ敬語にして,接続助詞「て」でつなげたものは,上で言う「二重敬語」ではない。このようなものを,ここでは「敬語連結」と呼ぶことにする。例えば,「お読みになっていらっしゃる」は,「読んでいる」の「読む」を「お読みになる」に,「いる」を「いらっしゃる」にしてつなげたものである。つまり,「読む」「いる」という二つの語をそれぞれ別々に敬語(この場合は尊敬語)にしてつなげたものなので,「二重敬語」には当たらず,「敬語連結」に当たる。
「敬語連結」は,多少の冗長感が生じる場合もあるが,個々の敬語の使い方が適切であり,かつ敬語同士の結び付きに意味的な不合理がない限りは,基本的に許容されるものである。
【許容される敬語連結の例】
・お読みになっていらっしゃる
(上述。「読んでいる」の「読む」「いる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。)
・お読みになってくださる
(「読んでくれる」の「読む」「くれる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。)
・お読みになっていただく
(「読んでもらう」の「読む」を尊敬語に,「もらう」を謙譲語?にしたもの。尊敬語と謙譲語?の連結
であるが,立てる対象が一致しているので,意味的に不合理はなく,許容される。)
・御案内してさしあげる
(「案内してあげる」の「案内する」「あげる」をそれぞれ別々に謙譲語?にしたもの。)
【不適切な敬語連結の例】
・伺ってくださる・伺っていただく
(例えば「先生は私の家に伺ってくださった。」「先生に私の家に伺っていただいた。」は,「先生が私の家を訪ねる」ことを謙譲語?「伺う」で述べているため,「私」を立てることになる点が不適切であり,結果として「伺ってくださる」あるいは「伺っていただく」全体も不適切である。「隣の窓口で伺ってください。」のような「伺ってください」も,同様に,「隣の窓口」を立てることになるため,不適切である。)
(注) ただし,これらは,次のような限られた場合には,問題のない使い方となる。
①「田中さんが先生のところに伺ってくださいました。」,「田中さんに先生のところに伺っていただきました。」
②「鈴木さん,すみませんが,先生のところに伺ってくださいませんか。」
①②では,「伺う」が<向かう先>の「先生」を立て,「くださる」あるいは「いただく」が「田中さん」や「鈴木さん」を立てている。また,「先生」に比べれば,「田中さん」や「鈴木さん」は,この文脈では「立てなくても失礼に当たらない人物」ととらえられている(例えば,①②の文を述べている人と「田中さん」や「鈴木さん」が,共に「先生」の指導を受けた間柄であるなど),というような場合である。
このように,その行為の<向かう先>が「立てるべき人物」であって,かつ行為者が<向かう先>に比べれば「立てなくても失礼に当たらない人物」である,という条件を満たす場合に限っては,「伺ってくださる」「伺っていただく」などの形を使うことができる。
・御案内してくださる・御案内していただく
(例えば「先生は私を御案内してくださった。」「私は先生に御案内していただいた。」は,「先生が私を案内する」ことを謙譲語?「御案内する」で述べているため,「私」を立てることになる点が不適切であり,結果として「御案内してくださる」あるいは「御案内していただく」全体も不適切である。「して」を削除して「御案内くださる」「御案内いただく」とすれば,「お(ご)……くださる」「お(ご)……いただく」という適切な敬語のパターンを満たすため[本節の1の(1)①,及び2の(1)①を参照(24ページ及び26ページ)。],適切な敬語となる。「……ください」の場合についても同様である。)
(注) ただし,この場合についても,例えば,次のような限られた場合には,問題のない使い方となる。
事情は,先の「伺ってくださる・伺っていただく」の場合と同様である。
①「田中さんが先生を御案内してくださいました。」,「田中さんに先生を御案内していただきました。」
②「鈴木さん,すみませんが,先生を御案内してくださいませんか。」
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