2014年09月の朝日新聞から
【索引】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html
●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html
【2014年09月】
14-09-01
6日
ただ、感染が全国的に急速に広がる可能性は少ないとみている。(朝刊1面)
記者不明。むずかしい話ではない。きわめて基本的な日本語の語彙?の話。「可能性」の程度をどう表わすか。一番一般的なのは「高い/低い」では。ほかに「ある/ない」「大きい/小さい」「強い/弱い」もありそう。当方の感覚だと「多い/少ない」はない。
232)【ある/ない 高い/低い 大きい/小さい 強い/弱い 多い/少ない 富む/乏しい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1325.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1513854670&owner_id=5019671
14-09-02
6日
日本での歴史をひもとくと、何度か大きなブームがあったことがわかる。(朝刊b3面)
柏木友紀記者。「ひもとく」と書いてくれれば、個人的な異和感はほとんどない。もっとも、新聞の表記に従うなら、こう書くしかない。問題は「歴史をひもとく」。個人的には許容範囲だけど、世間がどう見るのかは知らない。「ひもとくのは書物限定」と言われたら逆らう気はない。ちなみにここで出てくる「歴史」は「ホットケーキの歴史」。そんなもんまで「ひもとく」な、って言われたら素直に謝る。
【「ことえり」クンったらーorz】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1193.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1682499116&owner_id=5019671□□□□5□
14-09-03
10日
錦織 新時代の主役(朝刊1面)
稲垣康介編集委員。テニスの全米オープンで錦織圭選手が準優勝したことを伝える記事。快挙にケチをつける気はないけど、「主役」はどうなんだろう。この大会の主役は、優勝したチリッチ。新時代の主役えおひとり選ぶなら、ランキング7位のラオニッチだろう。ただ、「主役は何人までOKか」と訊かれたら、なんとも言えない(泣)。
【ネタ元】朝日新聞
==============引用開始
錦織、新時代の主役 全米テニス準優勝、「4強」交代の予感
2014年9月10日05時00分
日本選手で初めて、テニス4大大会シングルスで準優勝した錦織圭(左)と、優勝しトロフィーを掲げるマリン・チリッチ=8日、ニューヨーク、AFP時事
テニスの4大大会、全米オープンは最終日の8日(日本時間9日)、ニューヨークで男子シングルス決勝があり、錦織(にしこり)圭(24)はマリン・チリッチ(25=クロアチア)に3―6、3―6、3―6のストレートで敗れた。日本人初の4大大会シングルス優勝はならなかったが、アジア男子として初めて進んだ決勝だった。
【以下会員限定】 (略)
==============引用終了
14-09-04
10日
結果は準優勝でしたが、錦織選手はよく頑張りました。(朝刊31面)
読者の投稿。70歳の女性の目線だとこうなるのかな。タイトルはもっとヒドくて「よく頑張った」。昔、優勝した横綱に、土俵上の「よく頑張った」と言った偉い人がいたけど、なんでこんな〝上から目線〟の言葉を使うんだろうね。
14-09-05
20日
俺は期待半分、そして残りの半分は「へ! どーせこんなもんはよ!」とハスに構えつつ、一口かじってみた。(朝刊e3面)
東直己。作家のエッセイなので、朝日新聞の記事と言えるか否かは微妙。まあいいか。この作家名は知らなかった。Wikipediaで確認して納得する。それにしても、引用部を読むだけでも相当イレギュラーな文体であることがうかがえる。で、「ハスに構える」。「間違い」ではないのだろうが、実際に目にしたのは初めてかも。原形とも言える「斜に構える」自体が何がなんだかわからないので、どうにもならない。
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-11780362717.html
14-09-06
28日
そういう流れの中で居飛車党の渡辺が後手番で振り飛車を多用しだしたのが目を引く。(朝刊31面)
君島俊介記者。微妙だけど、一種の重言だろうな。「多用している」か「使いはじめた」ちょっと違うか。「後手番で振り飛車を指すことが増えたのが目を引く」くらいが素直かな。「多用」は当然複数回。「複数回」を「~しだす」ことに異和感がある気がする。
14-09-07
28日
前日は目の前の鶴竜が立ち合いの変化に自滅。(朝刊20面)
波戸健一記者。「変化に自滅」はおかしい。「変化に敗れた」「変化して自滅」ならおかしくない。理由は……こういうのはうまく説明できない。
14-09-08
28日
満を持して右下手をつかむと、引きつけて一気の寄り。(朝刊20面)
記者不明。ありがちな「満を持して」の誤用(とはもう言えないか)にも見える。この記事は全体に調子が妙で、なんとも言えない。
14-09-09
29日
初の2時間切りも遠い未来とも言えなそうだ(朝刊13面)
河野正樹記者。記録更新が続くマラソンの話。きわめて正しい日本語なのだが、「~なそうだ」の実例を目にするのは珍しい。こんな言い回しを使う必要はなさそうだ。
14-09-10
29日
亡くなられた方々(朝刊1面)
記者不明。御嶽山の噴火の犠牲者を伝える。当方の記憶だと、東日本大震災のときは、ずっと「亡くなられた方々」だったのに、ふと気がつくと「亡くなった方々」になっていた。どちらも間違いではないけど……。これも敬度逓減の一種だろうか。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-244.html
●朝日新聞から──番外編 よく目にする誤用の御三家
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-122.html
●朝日新聞から──ではない 世に誤用の種は尽きまじ
「7割以上が間違ったら、もうそれは誤用ではない」のか?
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-194.html
【2014年09月】
14-09-01
6日
ただ、感染が全国的に急速に広がる可能性は少ないとみている。(朝刊1面)
記者不明。むずかしい話ではない。きわめて基本的な日本語の語彙?の話。「可能性」の程度をどう表わすか。一番一般的なのは「高い/低い」では。ほかに「ある/ない」「大きい/小さい」「強い/弱い」もありそう。当方の感覚だと「多い/少ない」はない。
232)【ある/ない 高い/低い 大きい/小さい 強い/弱い 多い/少ない 富む/乏しい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1325.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1513854670&owner_id=5019671
14-09-02
6日
日本での歴史をひもとくと、何度か大きなブームがあったことがわかる。(朝刊b3面)
柏木友紀記者。「ひもとく」と書いてくれれば、個人的な異和感はほとんどない。もっとも、新聞の表記に従うなら、こう書くしかない。問題は「歴史をひもとく」。個人的には許容範囲だけど、世間がどう見るのかは知らない。「ひもとくのは書物限定」と言われたら逆らう気はない。ちなみにここで出てくる「歴史」は「ホットケーキの歴史」。そんなもんまで「ひもとく」な、って言われたら素直に謝る。
【「ことえり」クンったらーorz】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1193.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1682499116&owner_id=5019671□□□□5□
14-09-03
10日
錦織 新時代の主役(朝刊1面)
稲垣康介編集委員。テニスの全米オープンで錦織圭選手が準優勝したことを伝える記事。快挙にケチをつける気はないけど、「主役」はどうなんだろう。この大会の主役は、優勝したチリッチ。新時代の主役えおひとり選ぶなら、ランキング7位のラオニッチだろう。ただ、「主役は何人までOKか」と訊かれたら、なんとも言えない(泣)。
【ネタ元】朝日新聞
==============引用開始
錦織、新時代の主役 全米テニス準優勝、「4強」交代の予感
2014年9月10日05時00分
日本選手で初めて、テニス4大大会シングルスで準優勝した錦織圭(左)と、優勝しトロフィーを掲げるマリン・チリッチ=8日、ニューヨーク、AFP時事
テニスの4大大会、全米オープンは最終日の8日(日本時間9日)、ニューヨークで男子シングルス決勝があり、錦織(にしこり)圭(24)はマリン・チリッチ(25=クロアチア)に3―6、3―6、3―6のストレートで敗れた。日本人初の4大大会シングルス優勝はならなかったが、アジア男子として初めて進んだ決勝だった。
【以下会員限定】 (略)
==============引用終了
14-09-04
10日
結果は準優勝でしたが、錦織選手はよく頑張りました。(朝刊31面)
読者の投稿。70歳の女性の目線だとこうなるのかな。タイトルはもっとヒドくて「よく頑張った」。昔、優勝した横綱に、土俵上の「よく頑張った」と言った偉い人がいたけど、なんでこんな〝上から目線〟の言葉を使うんだろうね。
14-09-05
20日
俺は期待半分、そして残りの半分は「へ! どーせこんなもんはよ!」とハスに構えつつ、一口かじってみた。(朝刊e3面)
東直己。作家のエッセイなので、朝日新聞の記事と言えるか否かは微妙。まあいいか。この作家名は知らなかった。Wikipediaで確認して納得する。それにしても、引用部を読むだけでも相当イレギュラーな文体であることがうかがえる。で、「ハスに構える」。「間違い」ではないのだろうが、実際に目にしたのは初めてかも。原形とも言える「斜に構える」自体が何がなんだかわからないので、どうにもならない。
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-11780362717.html
14-09-06
28日
そういう流れの中で居飛車党の渡辺が後手番で振り飛車を多用しだしたのが目を引く。(朝刊31面)
君島俊介記者。微妙だけど、一種の重言だろうな。「多用している」か「使いはじめた」ちょっと違うか。「後手番で振り飛車を指すことが増えたのが目を引く」くらいが素直かな。「多用」は当然複数回。「複数回」を「~しだす」ことに異和感がある気がする。
14-09-07
28日
前日は目の前の鶴竜が立ち合いの変化に自滅。(朝刊20面)
波戸健一記者。「変化に自滅」はおかしい。「変化に敗れた」「変化して自滅」ならおかしくない。理由は……こういうのはうまく説明できない。
14-09-08
28日
満を持して右下手をつかむと、引きつけて一気の寄り。(朝刊20面)
記者不明。ありがちな「満を持して」の誤用(とはもう言えないか)にも見える。この記事は全体に調子が妙で、なんとも言えない。
14-09-09
29日
初の2時間切りも遠い未来とも言えなそうだ(朝刊13面)
河野正樹記者。記録更新が続くマラソンの話。きわめて正しい日本語なのだが、「~なそうだ」の実例を目にするのは珍しい。こんな言い回しを使う必要はなさそうだ。
14-09-10
29日
亡くなられた方々(朝刊1面)
記者不明。御嶽山の噴火の犠牲者を伝える。当方の記憶だと、東日本大震災のときは、ずっと「亡くなられた方々」だったのに、ふと気がつくと「亡くなった方々」になっていた。どちらも間違いではないけど……。これも敬度逓減の一種だろうか。