「オタク迫害」の存在についての意見として、大きなものは2つだと思います。
一つは、いわゆる『陰キャに対する迫害』。もう一つは、『オタク向け作品を理由とした迫害』。
前者は世界的に迫害対象です。例えばアメリカであれば「ナード」のようにマイナスな捉え方をされて、カースト底辺として扱われます。
とはいえ、「陰キャ」と「オタク」はイコールの話じゃないので、除外したほうが良いでしょう。
後者の『オタク向け作品を理由とした迫害』は、作品に影響されてオタクが犯罪を起こす可能性が危惧され、世論で犯罪者予備軍として扱われていることを発端としたものです。
昔であれば宮崎勤事件、最近であれば「バトル・ロワイアル」「ひぐらしのなく頃に」を殺傷事件の原因の可能性として扱った報道が有名どころかと思います。
実際には作品が犯罪の原因として人格形成や心理的要因につながるという確たる論拠はなく、あくまで『正しい気がする』という程度で世論が形成されただけですが、その影響は大きいです。
ナチス・ドイツや日本、そして世界で流行した、「優生思想」はご存知でしょうか。
民族・人種・障害などに科学的な観点から優劣をつけ、法的に強制不妊や殺害を行う理由になった考え方です。
ただし、これは当時の科学としても怪しく、現在の科学では否定されており、ナショナリズムや福祉コスト削減を動機として盛り上がってしまったものとされています。
『正しい気がする』というだけで、人間は正義のために残酷な行為をします。「優生思想」を根拠にした私刑の記録が大量に残っているのです。
『犯罪者予備軍』が相手で、場所が日本だから、そのようなことは起きてないと言うのでしょうか。
A型は几帳面、O型はおおらか、というように血液型と性格に相関性があるとされるものです。これも科学的根拠はないですが、今でも「あなたはB型だからおおざっぱなんだね」というようなハラスメントが散見されます。
一般論として『根拠無し』となっても、世論から「血液型性格分類」が消えるかどうかはまた別ということです。
漫画やアニメなどの表現は厳しく年齢制限や自主規制を行い、何かのきっかけで世論に火がつくことのないよう、出版や制作元で注意を払っています。
もっと分かりやすいところだと、ゲームにはCEROという日本独自の審査機関があります。ここで審査が通らなければ日本の小売の流通に乗せることがほぼできません。
流血表現などが海外のスタンダードよりはるかに厳しく制限されており、海外のゲームが日本で販売する際の障壁にもなっています。
とはいえ、流血を見ることが犯罪者となる直接的な原因にはなり得ないので、あくまで世論を意識した制限でしかありません。
日本で「優生思想」から誕生した『優生保護法』は1996年にやっとなくなりました。
20文字でまとめて