健康安全研究センターというところが、年間を通して環境中の放射線量などの測定を行っていて、都内では新宿区百人町での測定値をウェブサイトで報告している。
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/index.html
毎時間のデータ(report_table.do.html)と、毎日のデータ(past_data.html)がある。
上記の毎時間のデータについては、データ加工がしやすいように、自分のサーバでCSVに変換する自動処理プログラムを定期的に実行するようにしてみた。
http://project.yosihiro.com/EastJapan311/radiation-monitor/report_table.do.csv
もとのデータが古いデータを削除していくのに対して、こちらは自動処理を開始した3月15日からのデータを蓄積しておくようにしておいた。
最も簡単な使用例としては、CSVファイルをExcelで開いて、全データを選択して、「挿入」「グラフ」で「折れ線グラフ」を選んで「次へ」をクリックしていくとグラフ表示できる。
CSVファイルに変換するだけでは芸がないので、何か計算をしつつ、別のウェブサイトの記録と紐付けてみると、いわゆるマッシュアップになっておもしろいかなということで、毎日のデータの方を以下のように加工してみた。
まず、ウェブサイトやCSVファイルを見ても、数字ばかりで何のことかわからないので、数字の値の意味を以下にまとめてみた。
・過去の新宿区百人町における平常値の範囲は、文部科学省によると0.028~0.079毎時シーベルト(このページに掲載されているPDFに記載)
・毎時0.05μシーベルトは年間438μシーベルト(0.05×24時間×365日=438)に相当。
・人体に悪影響が始まる年間100㍉シーベルト(以下の図を参照)の200分の1。
・毎時10μシーベルトが、概ね年間100㍉シーベルトに相当するが、それは、毎時10μシーベルトの状態が365日24時間連続したときに100㍉シーベルトに到達するので、毎時10μシーベルトでもまだ余裕はある。
・これらの放射線量増加が放射性ヨウ素によるものの場合、ヨウ素の半減期8日間は1日約8.3%の減少に相当。(1-8.3%=0.917004の8乗が約0.5)
・雨により上空に浮遊している放射性ヨウ素が地表に落下して放射線量が増えている場合には、増加分について雨が明けてから1日約8.3%以上の減少があれば、ヨウ素が原因である可能性が高い。
・減少が少ない場合には、ヨウ素以外、たとえばセシウム(半減期30年間)などである可能性がある。
以上を踏まえて、環境放射線量が毎日何%減少しているのかを自動計算しながら、天気記録とマッシュアップした結果が以下のページ。
http://project.yosihiro.com/EastJapan311/radiation-monitor/past_data.est.html
ページ中の天気記録は、Yahoo! Japanの天気情報からデータを取っており、3月15日の記録は都内としては晴れになっているが、新宿地域は強い雨だった。
3月15日の雨がやんだ後に、環境放射線量が急速に減衰しているのがわかるが、3月21日の雨の後は、減衰率が下がっている。
これは多分、上空に浮遊している放射性物質がヨウ素だけではなく、半減期が30年間のセシウムも増えたためなのだとうと思う。(専門家じゃないので、よくわからないけど)
ちなみに、福島原発の放射性物質がどのくらい遠くまで離散するのかについては、福島原発からのヨウ素の拡散状況のアニメーション
というのがネットにあった。(もともと、ここで再掲載するつもりはなかったので、出所が不明になった。ご存知の方は知らせてください。)
ただ、いずれにしても、現在の値であれば、人体には悪影響のある値に100倍近く余裕があるので、あまり心配しなくてよいのだろうと思っています。
現在の値と言っているのは、4月3日のデータに基づいて書いたが、最新の状況は、以下のページに掲載しています。
http://project.yosihiro.com/EastJapan311/radiation-monitor/index.html
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