Googleが開発したスマートフォン・プラットフォームであるAndroidの、携帯電話以外での利用が拡大している。フォトフレームやセットトップボックス、インターネット端末、カーナビ、電子ブック・リーダーなど対象は多彩だ。日本でもNTTやKDDIなどが開発を進めている。

 Androidを搭載したスマートフォンが続々と登場している。2010年1月、Googleは自社ブランド携帯電話「Nexus One」を米国で発売した。日本ではNTTドコモが国内で初のAndroidスマートフォン「HT-03A」を2009年7月に発売しているが、2010年4月には第2弾となるソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「Xperia」を投入する。ソフトバンクも2010年春にAndroid携帯電話の投入を表明した。

 中国最大の携帯電話事業者チャイナ・モバイル(中国移動)はAndroidをベースとした端末仕様「OPhone」を策定。韓国Samsung,韓国LG,中国LenovoなどがOPhone携帯電話を開発している。

表1●Android搭載携帯電話の例
企業名製品名投入時期特徴メーカー/事業者
NTTドコモHT-03A2009年7月日本初のAndroid携帯台湾HTC
米GoogleNexus One2010年1月初のGoogleブランドAndroid携帯台湾HTC
NTTドコモXperia2010年4月顔認識機能などソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
シャープ不明2010年FeliCa対応キャリア未公表
ソフトバンクモバイル不明2010年春3.7型有機EL液晶端末メーカー未公表

 Androidの採用が進んでいるのはスマートフォンだけではない。次のステージとなる分野も立ち上がろうとしている。ネット端末である。

あらゆる家電がネットにつながり、Androidの“舞台”に

 従来インターネット端末と呼ばれていた専用機器だけでなく、フォトフレームやセットトップボックス、カーナビ、電子ブック・リーダーなど多くの機器がネット端末になる。あらゆるデジタル家電がインターネット接続機能を備えてきているからだ。これらのさまざまな機器が、Androidの次の“舞台”になろうとしている。

 例えばNTT東日本はデジタル・フォトフレーム「光iフレーム(仮称)」にAndroidを採用。2009年12月試験サービス開始しており、2010年9月末までに商用サービスを開始する予定だ(写真1)。KDDI研究所はHD画像配信に対応し、Tansfer Jetにより携帯電話と高速データ交換が可能なセットトップボックスを試作した(写真2)。

写真1●NTT東日本の「光iフレーム(仮称)」
写真1●NTT東日本の「光iフレーム(仮称)」
写真2●KDDI研究所のセットトップ・ボックス
写真2●KDDI研究所のセットトップ・ボックス