アラウの名盤!!、リストの超絶技巧練習曲
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作曲者 : LISZT, Franz 1811-1886 ハンガリー
曲名  : 超絶技巧練習曲 S.139 (1851/最終稿
演奏者 : クラウディオ・アラウ(pf)
CD番号 : PHILIPS/32CD-375(416 458-2)

1974年から1976年にかけてアムステルダム、コンセルトヘボウで録音された名盤で、今更私が語るまでもなく、音楽愛好家ならよくご存知の録音である。
私はLP時代から愛聴する録音であるけれど、これほどの名曲。たくさんの名演があり、古くはジョルジュ・シフラのいくつかの録音から、ホルヘ・ボレの美しい演奏、アリス=紗良・オットや、かつて夢中になったラザール・ベルマンの録音など、たくさんたくさんある。
更に、これの最初の版(凄まじい技巧の曲)の演奏(大井和郎の演奏を持っている)などなど、あげていけば切りが無い。
それでもこのアラウの演奏は、技巧を誇るのでは無く、ごく当たり前の音楽として聞かせる希有な演奏なのだ。これを聞いていると、とんでもない難しい技巧の曲という気がしない。弾けそうな気がしてくる(無論、私には全く歯が立たないけれど…笑)。
音楽に余裕があり、歌わせ方が実に自然なのだ。
録音も、素晴らしく、1970年代のフィリップスの録音のスタッフの素晴らしさに感謝しかない。ピアノの録音はこのように低音から高音まで余裕のある響きと豊かさで聞かせてほしいし、この録音はまさに理想的なのだ。
録音から思えば50年ほど経った。それでも全く色あせないのは、クラウディオ・アラウの包みこむような豊かで、広がりのある演奏とこのフィリップスの録音があってこそなのだ。まさに永遠の名盤である。

by Schweizer_Musik | 2023-05-22 03:49 | CD試聴記
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