「聖金曜日」とはキリストが十字架にかかったその日を記念する日のこと。
4月14日がそれにあたるという。
掲示板「猫」ではその日には「受難曲」を・・・という呼びかけのスレッドがたったようだ。
ワーグナーの「パルジファル」にも「聖金曜日の音楽」という場面があり、独立して演奏される。
勿論バッハをはじめとする様々な「パッション」もその日の音楽としてはふさわしいが、実際はその日にはミサは行われないという。
しかし「スターバト・マーテル」、は、聖金曜日の「聖務日課の聖歌」と「聖母マリアの7つの悲しみ」の祭日のための続唱いう2つの場面で用いられるというから、その日を記念して「スターバト・マーテル」を聴くのもよいだろう。
事実掲示板「猫」では、その日にちなんで「スターバト・マーテル聞きまくり」をするという、「てつわんこ氏」の投稿もあるようだ。
小生も「スターバト・マーテル」は、大好きなほうで、スカルラッティ、ヴィヴァルディ、ペルゴレージ、ハイドン、シューベルト、ロッシーニ、ドヴォルザーク、そしてプーランクなどはよく聴くのだが、それなら少し変わりどころを・・・・と思って聞こうとしたのが「聖母マリアの7つの悲しみ」である。
小生はマリア信仰を非キリスト教世界の「女神信仰」の残像と思っているが、とにかく「マリアの7つの悲しみ」とはいかなるものであるかを探ってみた。
それによると
聖母マリアの7つの悲しみとは
7つの悲しみの道行
「7つの悲しみの道行」のはじめの祈り
第1留 聖母は老シメオンの預言によって悲しむ・・・イェルサレムでシメオンという人が幼児イエスを祝福したあと、イエスの受難を預言し、マリアの心も剣で貫かれると預言したとき
第2留 聖母はエジプトへ逃避する・・・ヘロデ王が出した「幼児皆殺し令」を逃れるために夫ヨセフともにエジプトへ避難したとき
第3留 聖母は御子を見失う・・・・12歳になったイエスをイェルサレムで3日間見失ったとき
第4留 聖母はカルワリオへの途上で御子と出会う・・・イエスが十字架を負ってゴルゴダの丘へ連れられていくのを見たとき
第5留 聖母は十字架のもとにたたずむ・・・十字架にかけられたイエスの足元に立ったとき
第6留 聖母は御子の亡骸を抱く・・・イエスが息絶え、十字架から降ろされたとき
第7留 御子が墓に葬られる・・・イエスが埋葬されたとき
その7つの悲しみの道行の結びの祈りであるという。
小生はこれを非キリスト教文化とキリスト教文化が穏やかに融合したといわれる、アイルランド=ケルトに古くから伝わる、伝統歌を現代感覚でアレンジした
「エクトル・ザズー」「HECTOR ZAZOU」の「ライツ・イン・ザ・ダーク」「LIGHTS IN THE DARK」 の「アルバム」に求めることにした。
アルバム副題に 'un voyage aux origines des chants sacré d'Irlande' とあるように、「アイルランド聖歌の起源を探る旅」がテーマ
アイルランドに残る古い聖歌や伝承曲をフランスの実験音楽家“エクトル・ザズー”がアレンジした音楽。古くからこの地方で歌い継がれてきた祈りの歌と、と現代が織りなす神秘的な音楽は、今までのアイリッシュ音楽の感触のを保ちながら別の世界をも見せてくれるようで、かなり気に入っている。
1.星
2.聖母マリアの7つの喜び
3.死者の詩
4.3人のマリアの哀哭の叫び
5.聖母マリアの7つの喜び
6.3人のマリアの哀歌
7.受難の詩
8.我等が父の御名のもとに勝利せんことを
9.聖母マリアの7つの悲しみ
聖母マリアの感情の波について語っている。7つあるヴァースの一つで、特定の悲しみについて、表現しており、それぞれのヴァースは、同じオープニングのリフレインを、繰り返した後、それぞれの悲しみがそれに続いている。中世ヨーロッパの伝統に即したこの曲の、さまざまなヴァ-ジョンがアイルランドで見つかっているという。
この曲・・・女性とバックには「ブーズキー」だろうか「ウード」だろうか太く低い音の弦楽器と太鼓が鳴らされる、・・・は、「ケリー郡」で収集されたもので、「ロザリオの祈り」の後、伝統として、歌い継がれてきたものである。
10.主の御心に捧げる小さな歌
11.マリアの哀歌
12.愛の求め
13.すべての希望の墓
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by noanoa1970
| 2017-11-09 19:29
| 徒然の音楽エッセイ
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