ヨハン・フリードリッヒ・エック作曲の「モーツァルトのヴァイオリン協奏曲」を藤川真弓さんの演奏で聴く
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作曲者 : ECK, Johann Friedrich 1766-1810 独
曲名  : ヴァイオリン協奏曲 変ホ長調 K.268(Anh.C14.04)
演奏者 : 藤川真弓(vn), ワルター・ヴェラー指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : DECCA/480 5384

出だしは実に良いのだけれど、その後の展開の平凡さは笑いを通り越して呆れる。特に第2楽章は天下の藤川真弓女史も手が無さそう…。
この程度なら、私でも2〜3日もあれば書けるし、もうちょっとマシなものに仕上げる自信はある…(笑)。やらないけれど…。贋作作りには関心がないというか、クライスラー程度に笑いをとる心づもりなら面白そうだけれど、大真面目にやってこの程度ではちと酷い。
しかし、1950年頃までは多分モーツァルトの作だと信じられ、第6番のナンバリングまでされていたのだから恐れ入る。だからジャック・ティボーやクリスティアン・フェラスといった偉大なヴァイオリニストたちの録音まで存在するのだ。
フェラスの録音が良いとか聞いたことがあるけれど、私は2度とこの曲を聞かないと思う。贋作を作るなら、もうちょっと腕を上げてからやってほしいものだ。
しかし、名だたる学者まで騙したとは…。
全集ということで、録音した藤川真弓女史も気の毒な気がする。グリュミオーはステレオでの再録では6番と7番は外していたし、今日、モーツァルト全集にも収められていないこの作品を、今回興味本位で聞いてみたけれど、やはり時間の無駄だった…。残念な贋作でしたね。
ちなみに藤川真弓女史とワルター・ウェラーの指揮でのモーツァルト全集は、この曲の他は素晴らしい出来映えですよ。
この曲だって、最善をつくしておられます。プロフェッショナルの極みだと思う。

by Schweizer_Musik | 2023-05-31 10:39 | CD試聴記
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