- 作者:ジョージ・オーウェル
- 発売日: 2016/09/30
- メディア: Kindle版
下層階級への同情を表面上装っておきながら、当事者との直接交流を取る気がない口先だけの似非リベラルと異なり、
オーウェル氏は社会主義者を自認しつつも、そういった輩とは一線を画しスペイン内戦時に国際旅団で血と汗を流す*1行動派です。
いまでいう3K(くさい、きたない、きつい)労働に従事している人々にインテリである彼が抱いた率直な感想が綴られているわけですが、その行動様式は個別のツールを変えれば現代でも大して変わってないように見えます。
最後の章「私の提案」では、作中に描写された惨状がありながら社会主義が受け入れられていない現状ついて著者の考察と提案にて締め括られています。
社会主義が普及段階故に程度の低い輩が幅を利かせ、それが外部からの偏見を強化しているとう件は、これまで私が革新派に抱いていた不信感を言語化してくれていました。
類似した本では、ヴィクトリア朝時代の下層階級体当たりルポである「ロンドン貧乏物語―ヴィクトリア時代 呼売商人の生活誌」も中々。
shuzo-kino.hateblo.jp
*1:実際、喉に直撃を喰らい死にかけている