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高い知能を持つタコの腕の秘密を解明するべく、詳細な3Dマップが作られる

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image credit:unsplash

 タコの8本の腕は非常に特殊で高性能だ。それぞれの腕にある吸盤で周囲にあるもの感触や味、匂いを感じ取ることができるだけでなく、全ての腕を自由自在に独立して動かすことができる。まるで各腕に脳があるかのようだ。

 それはいったいどのような仕組みで実現されているのか? その謎を解明すべく、「タコの腕の3D解剖マップ」が作られた。

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 米国サンフランシスコ州立大学の研究チームによる2つの研究では、DNA技術と電子顕微鏡を利用することで、タコの腕にある神経細胞や筋肉などがどのような構造をしているのか明らかにしている。

まるで1本ずつ独立した生物のようなタコの腕

 獲物を探すタコは、どこか意思を持った液体を思わせる。骨がないおかげで、その筋肉は流れるように動き、それでいて強さと器用さのバランスは保たれる。

 過去の研究では、タコの腕に3億5000万個の神経細胞があり、脳を経由しなくても情報を処理できることが明らかになっており、1本ずつの腕に脳があるとすら考える研究者もいる。

 このようにタコの腕とその神経ネットワークは、私たち人間のものとは大きく異なっている。だが問題はなぜ異なっているのか、だ。

 タコも人間も複雑な神経ネットワークを持つという点では共通している。なのになぜ、両者はこれほどまでに違う進化を遂げたのか?

 この疑問は複雑な神経の進化を考えるうえで非常に重要なことだ。

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image credit:unsplash

タコの腕の3D解剖マップを作成

 今回、サンフランシスコ州立大学のロビン・クルーク氏を中心とするチームが公開したのは、そんな疑問の解明に役立つきわめて詳細な3D解剖マップだ。

 1つは、DNA技術を用いて、マダコの仲間(Octopus bocki)の各種神経細胞をタグ付けして見分けられるようにしたもの。

 これによって、腕の根本から先端にかけて、各種神経細胞がどのように分布しているのか明らかになった。

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タコの腕の神経索(神経繊維の束)。異なる種類の神経細胞群が存在することが判明した/Winters-Bostwick et al., Current Biology, 2024

 もう1つは、電子顕微鏡を利用したもので、神経細胞・筋肉・皮膚の構造を観察し、それらがつながり合う様子が描き出された。

 こちらでは、タコの皮質の驚くべきパターン、筋肉内の神経索(神経繊維の束)のつながり、吸盤の位置に対応する神経節や血管の構造などが明らかになっている。

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タコの腕の断面図。神経・筋肉・皮膚のつながりを確認できる/Neascu and Crook, Current Biology, 2024

複雑さで共通するタコと人間のルールが違うのはなぜか?

 こうしたタコの解剖マップは、独自の進化をたどってきた軟体動物の振る舞いを、それとは大きく違う私たち人間にとって理解しやすい方法で解明するための出発点に過ぎない。

 「なぜきわめて複雑な神経系を持ちながらも、同様に複雑な人間などとは違うルールに則っている動物が存在するのでしょう?」と、クルーク氏はプレスリリースで問いかける。

 これについては、機能的な理由、タコの腕が根本的に異なる仕事を担っている、あるいはただの偶然であるなど、いくつもの仮説があるという。

 だが本当のところは、タコ学者が一番知りたいと願っているはずだ。

 2つの研究は『Current Biology』のこちら(2024年10月21日付)とこちら(同日)に掲載された。

References: Mysterious Secrets of Octopus Arms Revealed in Unprecedented Detail : ScienceAlert / SFSU researchers’ unique 3D maps might help solve the mysteries of octopus arms

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この記事へのコメント、4件

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    1. 言い方が適切かはわからないけど、下手に刺して〆ようとすると体縦半分だけさーっと色引いて力なく動き鈍くなるけど、半身は元気ってのは割とある。
      やっぱ頭引っぺがして内臓抜いちゃうのが一番いいかもしれん。

  1. たこ焼きを食べるとき、そこに複雑な筋肉制御や多種のセンサーや可変カモフラージュ機構等々を一つにまとめたシステムの残骸が入ってると思うとなんとも言い難いものがある美味しい

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