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　タコの並外れた賢さはこれまで何度も何度でも紹介してきたがまだまだ特殊な能力を持っているようだ。

　メジロダコが、まるで凄腕のスナイパーのように、貝殻に身を隠し、魚に向かって石を漏斗から発射し、狙撃するという驚きの行動が捉えられたのだ。

　人類が滅亡後、地球の覇者になるのはタコなのでは？と予測した生物学者がいたが、あながち間違いではないのかもしれない。

　これまで記録されたことがない、自らの器官を武器として使用するこの行動は、Netflixの新シリーズ「Our Oceans」の撮影中に偶然発見されたものだ。

自らの器官を武器として使い、魚に石を発射するタコ

　東南アジアの海底で、メジロダコ（mphioctopus marginatus）が自らの器官から、石を発射して天敵となる魚を追い払うという驚くべき行動が撮影された。

　タコが銃として使用しているのは「漏斗（ろうと）」と呼ばれる筒状の筋肉の器官で、通常は、ここから勢いよく水を噴射し、その反動を利用して前に進んだり後退するために使われる。

　また、漏斗は、呼吸のためにエラに水を送る役割も果たし、体内の老廃物を排出する機能も果たしている。

　タコは様々な道具を使いこなすことがこれまでの研究でわかっているが、まさか自らの器官を銃のように使用し、魚を追い払うことまでできるとは！

　常に我々の想像を超えてくるタコ。そこにしびれるあこがれる。

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　Netflixの新シリーズ「Our Oceans」のアシスタントプロデューサーでありフィールドディレクターのケイティ・ムーアヘッド氏によると、今回のような行動が記録されたのはこれが初めてだという。

　この映像は東南アジアの海底、水深約9mで撮影された。

　当初は海洋汚染が海洋生物に与える影響を調査していたが、その過程で偶然にもこの新行動が記録されたという。

　筋肉の管である漏斗は拡張と収縮により水を勢いよく噴射させる。

　なので小石を発射する勢いもすごい。なにより魚にキッチリ命中させてるのもすごいし、貝殻で身を隠しているテクニックもすごい。

　魚はいったい何が起きたのかわからず、動揺が隠せない。

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捕食者である魚を追い払うための手段だった可能性

　Netflixの撮影チームは、この行動が単発的なものなのか、それとも常に行われているものなのかを確認するために再び現場を訪れた。

　撮影監督のロジャー・ムンズ氏は、3週間で計110時間をこのタコの観察に費やし、詳細な映像を記録した。

　映像には、タコが石や海底のゴミを集め、漏斗に詰め込み、目標の魚に向かって発射する一連のプロセスが映し出されている。

「タコは漏斗を銃に変えたのです」と、シリーズのナレーションを担当したバラク・オバマ元大統領も感嘆した様子で語った。

　この行動はスローモーション映像でなければ見分けがつかないほどの速度で行われていたという。

　メジロダコはインド洋全域に生息し、砂や泥の多い浅瀬に住んでいる。夜明けや日暮れにかけて採餌することが多く、貝殻やココナツの殻を身を守る道具（よろい）として活用することでも知られる。

　今回の観察でわかったことは、タコが魚を狙撃する理由は、捕食者である魚を追い払う手段である可能性が高いという。

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　シリーズプロデューサーのジョナサン・スミス氏は、「魚たちは明らかに驚き、その場を離れていました。効果的な抑止手段であることは間違いありません」とコメントしている。

　生物系の科学者はタコやイカといった頭足類の虜になっており、日々彼らの生態を探るための研究に取り組んでいる。

　まだまだタコに秘められたポテンシャルは高そうだ。今後も続々と新たな発見がなされるかもしれない。そして我々人類亡きあとは、地球を彼らに託すのもアリなんかもしれない。

References: 'She turns her siphon into a gun': Watch coconut octopus firing stones at fish in world-1st footage | Live Science

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