この青く広い空の彼方から(父と母に捧げる)。
この青く広い空の彼方から
私に向かって手を振る
あなたの姿が見えます
いつもあなたは
どんな時でも
この青く広い空の彼方から
私を優しく
見守ってくれている
そんな気がしています
夏の名残が降り注ぐ9月下旬、場所はお台場『シンボルプロムナード公園』。青い空を見上げるとそこには新たな季節を告げる赤く染まった小さな秋を見つけた。紅葉にはまだ早いけれど季節は確実に進んでいる。
空には雲も殆どなく、太陽の光芒が眩いばかりに輝きを放っていた。夏と秋が混在したような空間で私は思わずカメラのシャッターを切った。おそらく母が亡くなった日もこんな風に空には煌々と輝く太陽があったのだろう。
何を血迷ったかは知らぬが薬瓶の中身を喉の奥に流し込み、自ら命を断った母…。あなたが抱えていた苦しみや悲しみが何だったかは知らない。思い出の一つも残さず、私の名前さへ呼ばずに旅立った。あなたの死を父は刑務所内で知ったと言う。父がひと目を避けて号泣した事は察しがつく。あなたの28年に幸せの文字は在ったのですか?母が去ってからの父は荒れ放題で私の家庭は崩壊して行きました。
酒を浴びるほど飲んで酔った父は必ず「ゆき、ゆき…」と母の名を呟きながら涙をポロポロ流していました。そんな父の命日が今年もやって来ました。多分、私が今もこうして生き長らえているのは、あなた達が空の彼方から優しく見守ってくれているからだと思うのです。