向日葵からの伝言。
わたしたちは
苦難に負けない
強い意志と
互いを思いやる
至上の優しさを備えている
8月中旬(お盆の時季)に昭和記念公園へ向日葵の撮影に行く予定を立てていたのだが、8月には珍しく季節外れの長雨、夏とは思えぬ低温により断念。ネットで東京近郊のひまわり畑を探索するも、何処もコロナの影響を受け入園出来ない状態。唯一、昭和記念公園だけが入場可能だった。だが、お目当てのハイブリッドサンフラー(背が高い)は、既に見頃を過ぎ、皆、太陽に背を向ける様に項垂れていた。
背の低いサンフィニティの方は元気よく咲き誇ってるようだったので、諦めの悪い私は淡い期待を胸に懐きつつ立川へと向かった。脚の怪我から回復してまだ間もない為、一抹の不安はあったが脚を気にしつつひまわり畑へと歩を進めた。
立川駅に着いた頃は厳しい残暑を抱えた太陽が眩しく輝いていたのだが、途中から一気に雲が湧き出て来て、何と雨がぱらつき始めたではないか!「おいおい、ここまで来て雨かよ…」と一旦は帰ろうと思ったが、後10分も歩けば向日葵に出会えると思うと、雨に濡れた向日葵もまた絵になると思い、現地を目指した。
するとその内、雨は止んでくれた。本当は昨年のようなギラギラ太陽と一緒に向日葵をカメラに収めたかったのだが、雲が多すぎてそれは諦めるしかなかった。マクロレンズのタムキューで撮りたいとも思ったが、タムキューは重いのである。軽いミラーレスとはバランス的にしんどいと思い、ここは紫陽花の時と同様にZマウントのズームレンズを使用。サンフィニティは背が低いため、花と同じ目線で撮ろうとすれば腰を低く、或いは地面にしゃがみ込んでの撮影となる。
便利な液晶モニターを使えばローアングルからでもさほど苦もなく撮れるのだが、私はファインダーを覗かないと撮った気になれないのである。詰まらない事に拘っていたら、カメラ自体の性能を活かせないのは分かっているのだが…。しゃがむ時、どうしても怪我をした右足に体重が掛かってしまい、結構キツイ姿勢をとってしまったが、撮影が始まると怪我の事など吹っ飛んでしまい夢中でシャッターを切っていた。
私の直ぐ近くに2歳位の男の子がおり、その子が私に向かって駆けて来て肩の当たりに「ドン!」とぶつかったが、私「OK!OK!」と言いながらファインダーから眼を離す事はなかった。
帰り道、ミラーレス一眼の軽さを実感しつつ、重たかったD810を懐かしく感じていた。一眼レフを始めて約2年、私を育ててくれたカメラに感謝しつつ、次は何を撮ろうかと次の被写体の事で頭の中は一杯だった。