デジタル庁で応募中のアイデンティティアーキテクトは昔のDAと同じ役割か?
デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトを応募しているツイートを見つけたのでメモ。
ラフなメモ書き。
【参考】
yoshi sanさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトなる独立したポジションがあるんだ。」 / Twitter
からくりさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトってなんだよと思ったけどめちゃまともな内容だった」 / Twitter
akipiiさんはTwitterを使っています 「アイデンティティアーキテクトとは、昔のDAと同じ役割か?」 / Twitter
『アイデンティティ管理技術解説』システムアーキテクトを志す方のために IPA
【参考1】
アイデンティティアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト
(引用開始)
募集背景・業務内容
デジタル庁(仮称)においては、行政サービスのデジタル化・ワンストップ化を推進するにあたって、利便性が高く安全な識別・認証の仕組みを構築することにより、多種多様なシステムにまたがった円滑なデータ連携を実現していくことが求められます。
アイデンティティアーキテクトは、各省庁の担当者や専門家と連携して、デジタルガバメントのサービス高度化に必要な、アイデンティティ管理、データ連携の枠組みを構想し、その整備を推進する役割を担っていただきます。
具体的な業務内容は、以下のとおりです。
政府情報システムに関わるアイデンティティ管理の計画策定全般
住民制度、公的個人認証、マイナンバー制度に関わる個人のアイデンティティ管理もしくはGビズID、商業登記電子証明書等に関わる法人等のアイデンティティ管理
行政事務と住民・事業者向けシステム、住民・事業者向けシステム間をつなぐ国のシステムを理解した上での、業務プロセスの見直し、移行計画の立案、変革の推進
国民・事業者向けサービスや各省庁のシステムにおける利便性の高い安全な識別・認証の仕組みづくり
各省庁や地方公共団体の専門家と連携した横断的なプロジェクトの推進
(引用終了)
【参考2】
データアーキテクト?- 中途採用|デジタル庁創設に向けた準備サイト
(引用開始)
募集背景・業務内容
データアーキテクトは、デジタル庁(仮称)において、社会全体のデータの現状と将来像を俯瞰し、データ戦略の策定を主導するとともに、標準やルールに加え基礎データ、プラットフォームなどを整備し、その活用を推進していくことが求められます。また、多数のステークホルダーとの調整を進めながら、デジタル時代の新たなスタンダードを構築していくための強いリーダーシップが求められます。
政府は、多量のデータを保有するデータホルダーとして、またデータプラットフォーマーとして、先導的な振る舞いを期待される立場です。本ポジションは、あらゆる社会・経済活動に不可欠なデータを、国の競争力の源泉とするために、また、豊かな生活を実現する上で不可欠な基盤とするために、中心的な役割を担っていただきます。
具体的な業務内容は、以下のとおりです。
体系的なデータ整備に係る中長期戦略・計画の策定
データ標準・データ連携プラットフォームの整備
政府内におけるデータサイエンスやAIの活用の推進
デジタル庁(仮称)内外のデータに関する人材育成
データに基づいたEBPM(Evidence-Based Policy Making、証拠に基づく政策立案)の推進
国際機関や関係各国との交渉
(引用終了)
【感想1】
デジタル庁でアイデンティティアーキテクト、データアーキテクトの募集背景・業務内容を読むと、本当にガチの内容だ。
個人的には、一昔前のデータアーキテクトの業務を連想する。
その頃は、テーブルを新規追加したり、カラム1個を追加するのに、わざわざデータアーキテクトに申請して、内容の詳細や対応期限を説明して、開発環境にやっと反映される、みたいな牧歌的な時代だった。
データアーキテクトは、ER図やデータディクショナリの保守担当者みたいなイメージを持っていたので、あまりカッコイイ職種には感じなかった。
しかし、実際の業務システムの要件定義では、データモデリングの技量の違いがその後の設計、開発の室に直結する。
業務フローのようなプロセスばかり書いても、フワフワしていて、テストでデスマーチになりがち。
データ基盤がしっかりしていれば、そこから業務の制約条件をプログラマも読み取れるし、テストデータを作ったり、保守していくのもかなり楽になる。
さらに、データアーキテクトの職種だけでなく、アイデンティティアーキテクトという職種まで応募しているのはとても興味深い。
単に、公共サービスのデータ基盤、データディクショナリを揃えるだけでなく、その根本となる一意な主キーを見出し、それを維持管理していく重要性を認識しているのだろう。
もちろん、マイナンバー制度という国民をユニークに識別する仕組みにも直結する。
国民を一意に識別してデータを管理できる基盤があれば、今のコロナワクチン予防接種の履歴管理に使えるし、今後のワクチンパスポートの発行にも発展できる。
他にも、収入や資産の追跡、税の徴収だけでなく、本当に困っている人たちを特定して補助金を直接届ける、という仕組みも作れるはず。
また、アイデンティファイアの整備は、認証基盤にも直結する。
政府の膨大な公共システムを利用する場合に、利用者の国民が安全に利用できるだけでなく、バックエンドの事務に携わる公務員や保健所の人たちが安全にログインできて、その操作履歴をきちんと管理できる仕組みも必要。
さらには多種多様な利用権限の制御まで考える必要もあるだろう。
つまり、価値ある公共サービスを提供するためにデータ基盤のアイデンティファイアは必須要件だが、人権やプライバシーの保護の観点からアイデンティファイアの認証・認可・アカウンティングの機能要件も必須という、高度なハードルがある。
想像するだけでも、アイデンティティアーキテクトという職種は非常にタフで難儀な内容であるのは間違いない。
だからこそ、こういう職種が必要ときちんと公開して打ち出しているのは信頼が持てる。
【感想2】
最近はITコミュニティ以外にも、官公庁の関係者がオンライン勉強会で登壇して色々話してくれる場が多くなった。
直近で、農林水産省とウーオが語る!林業・水産業をITで変えるチャレンジ - connpassを聞いた時、今の官公庁で最もデジタル化が進んでいるのは、実は農林水産省なんです、という発言を聞いて驚いた時がある。
その時の事例では、ベンチャー企業が、漁港で取った魚と都市部の魚市場のマッチング処理のシステムを開発して、お互いの利益を向上させる、という話だった。
他にも林業で、日本産の木材が、今はコロナなので実は高く売れている、そういう市場をITの力で支援している、という話もあった。
おそらく、楽天、メルカリのビジネスモデルのように、生産者と消費者のマッチング処理を農業や水産業の市場に適用して、両者がWin-Winになるような方向を目指しているのだろうと思う。
そんな話を聞くと、単に業務システムを開発したり、ITビジネスでお金を儲けるだけでなく、IT技術を社会の問題解決に適用し、多くの人達のために社会貢献する方向に進化しているように感じた。
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