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2021/08/08

redmine.tokyo10周年を祝う会でふりかえりしました #redmineT

redmine.tokyo10周年を祝う会が開催されたのでメモ。

【参考】
Redminetokyo 10周年を祝う会 - redmine.tokyo

shinagawa.redmine キックオフミーティング が開催されました - secretbase.log

akipiiさんはTwitterを使っています 「https://t.co/i2sJFMVOU3 の初回の打合せの参加者は、割といましたね。@tkusukawa @tech_machii まるやまさんもおられましたね。#redmineT」 / Twitter

はるかさんはTwitterを使っています 「あきぴーさんの記事はこれですね。https://t.co/DjjTZPJ3S2 #redmineT」 / Twitter

redmine.tokyo10周年を祝う会で歴史を堪能する #redmineT | マドびっ! Madosan's View

【1】redmine.tokyoのコミュニティですごいと思うのは3つある。
1つ目は、コミュニティが10年続いたこと。
自分がスタッフとして関わったコミュニティで、熱量が維持されて10年も続いたコミュニティは、redmine.tokyoとSEA関西ぐらいだろうか。
アジャイルのコミュニティも他のコミュニティも、10年も長続きしなかった。
どのコミュニティも浮き沈みがある。
ブームに乗って盛り上がった時もあるが、スタッフが高齢化したり、熱量を持つスタッフが減ってしまったりする。

あるいは、熱量を持つスタッフが複数人いて最初は良かったが、視線のベクトルが異なってしまって、コミュニティとして分離してしまったり、とか。
いくら仲が良くても、思想や性格も違うので、それがきっかけで別れてしまう時もある。

そんな経験を経て、「コミュニティは細く長く続けること」が大事かなと思っている。

【2】2つ目は、redmine.tokyoは初期立ち上げのスタッフが多数残っていること。
@tkusukawaさん、@naitohさん、@ohwadaさん、@haru_iidaさんが残ってくれている。
もちろん離れたスタッフもいるが、10年も続いた縁は本当に長いと思う。
人間関係は長いほど、その人の性格や価値観も分かってくるし、そういう安心感もある。
熱量が減ったとしても、同窓会みたいな感じで戻れる場があるのは心強い。

【3】3つ目は、KPTを10年続けていること。
会社でも、コミュニティでも、KPTのふりかえりを実施している所は少ないのではないか?

第1回勉強会でKPTをWikiに残しているが、当初は僕がちょっとやりたかったという気持ちもあって気軽な感じだった。
それが10年もKPTを続けると、今回の勉強会で試して分かったことや良くなかった点を、次回に活かしたいね、という内容が出てくて、次回の勉強会に活かせるようになる。

年2回の勉強会なので、半年ごとのPDCAサイクルを自然に回していることに、後から気づいた。
KPTの活かし方はこんなものなのかな、と後から気づきが多かった。

【4】僕はコミュニティという場は好きだ。
理由は、コミュニティでは、同じ価値観や問題意識を持っている前提が暗黙的にあるおかげで、誰とでも気軽に人間関係を作れるから。
相手がたとえ社長のような社会的地位が高くて年収が高くても、コミュニティでは全く関係ない。
その人自身に能力があり、人格が優れていて、リーダーシップがあれば、自然に輝くし、自然に人間関係が作れる。
つまり、本音で話せる雰囲気が出やすい。

一方、会社では、組織上の地位や権限、権力関係が人間関係にも現れてくる。
どうしても、腹を割って話すのは難しい。
上司であれば、丁寧語を使ったり、相手におもねったり、忖度してしまう。
営利企業であり、仕事であるから、人間関係に請負契約みたいな雰囲気も出てしまう。

コミュニティではそういう責任がない点もあるだろうが、より純粋な人間関係が現れやすい気がした。

【5】redmine.tokyoも今振り返ると、浮き沈みはあったのではないか、と思う。
立ち上げ当初は、藤原さん、小久保さん、岡本さん、@haru_iidaさんのように、ツールの自動化の連携、アジャイル開発への適用に興味を持つ人が多かった。
あるいは、SIerのプロジェクトリーダーとして、ソフトウェア開発のPJ管理を自動化して、チーム運営する基盤を求めていた。
しかし、Scrumが普及し、ツール自動化が当たり前になって、その流れはある程度廃れた。

一方、2015年頃からRedmineユーザの兆候が変わってきた。
情シスやメーカーのような他業界の人達が入ってきて、いろんなRedmine利用事例を発表するようになってきた。
あるいは、PMOやSEPGのように、複数プロジェクトのQCDをモニタリングしたい第三者レビューの観点の人も入ってきた。
そんな話を聞くと、いわゆるプロジェクトリーダー層だけでなく、他業界で現場を回している係長クラスの人達にRedmineが当てはまっているんだな、と感じる。
つまり、Redmineユーザ層の変化が暗黙的にスムーズに行われたのではないか、と結果的に思う。

【6】参加者が現場に持つRedmineは、どれも唯一で、独自にカスタマイズされたRedmineばかりだと思う。
つまり、参加者が運用しているRedmineは、他のユーザの現場に持っていくと使えないだろう。
なぜなら、参加者が持っている問題意識や課題を解決するためのRedmineに特化しているので、他の現場ではコンテキストが違うからだ。

特に最近のredmine.tokyoのLTで聞かれるRedmine利用事例は、どれも個性的で、その現場でしか通用しないRedmineだ。
他に持って行っても通用しない。

だからこそ、そういうRedmine利用事例を聞くのは面白い。
そういう問題意識や課題から、なぜ、そんなカスタマイズしまくりのRedmineになってしまったのか、そういう経緯を知れるのが面白い。

【7】僕自身も最近はRedmineとチケット駆動開発の思索よりも、他のテーマのほうが多くなってきた。
今となっては、会計システムと同じように、チケット管理システムも普通の開発基盤になったように思える。
チケットでタスク管理することで、一元管理する発想は、もはや当たり前で、そこに新規性はない。

では、Redmineはどういう方向に進化すべきか?
どんな課題を解決していくべきなのか?
Redmineが提示すべき価値観とは何なのか?

その辺りは今後も考えていく。

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