チケット管理の運用を支える体制とは何か #redmine
チケット管理の運用を支える体制についてツイートがあったのでメモ。
akipiiさんはTwitterを使っています 「チケットシステムがなぜプログラマ以外では回らないのか?と言う問題提起」 / Twitter
【1】チケット駆動のタスク管理は、一度運用が回ればスムーズに回る。
チケット管理ツールを基盤としたチケット駆動開発は、アジャイル開発のタスク管理と相性が良いので、変更の多いタスク管理に適用しやすい。
また、アジャイル開発のプラクティスを自然に適用できるので、朝会やKPTによるふりかえり、ペア作業、メンバーの自発的行動を促す雰囲気作りを適用することで、メンバの貢献意欲を引き出しやすい。
結果的に、チームの一体感も高まり、チームの雰囲気もすごく良くなる。
【2】しかし、いつもチケット管理が上手くいくとは限らない事実は以前からRedmineコミュニティでも議論されていた。
その原因の一つは、チケット管理を刺させる体制が不十分なので、チケット管理の運用ルールが守られず、形骸化してしまうことだろう。
【3】経験上、チケット管理をスムーズに運用する為には、4種類の役割が必要になると考える。
①お巡りさん(Redmine警察)
チケット管理のルールが守られて運用されているか、定期的に巡回する。
また、メンバーが困ったときには手助けをする。
Scrumで言えば、スクラムマスターみたいな感じだろうか。
チケット管理の守護神のようなイメージかな。
②マイスター(Redmine職人)
現場の独自プロセスにFitさせる為、チケット管理ツールをカスタマイズする。
それぞれの現場では独自のプロセスがあり、そのプロセスに基づく組織文化や業務手順がある。
それらをチケット管理ツールに反映することで、利用者の操作感を良くして、取っ付きにくさを軽減する。
Redmineの普及促進にはRedmine警察やRedmineマイスターという役割の人達が必要: プログラマの思索
打ち捨てられていたRedmineが復活するまでの軌跡 - Qiita
③エバンジェリスト
チケット管理の伝道師としてメンバーを啓蒙する。
こういう熱い心を持った人が、チケット駆動開発を導入する時に旗印となって、メンバーを啓蒙して、心の熱量を注入していく。
もちろん、メンバーやプロジェクトマネージャへの教育も兼務するだろう。
最初は、エバンジェリストのような熱量のある人が、組織に息吹を吹き込む必要があるだろう。
④活動家
活動ログから現場の業務活動をモニタリングし、組織のあるべき姿(全体最適化)を目指す。
たとえば、標準化推進のPMOや、プロセス改善や品質管理を担当するSEPGが相当するだろう。
彼らは、Redmineの活動ログを元に、各PJの活動を見て、PJの進捗・品質・コストで異常がないかモニタリングし、何かあれば、プロジェクトマネージャにアドバイスする。
活動家はお巡りさんよりもさらにメタな観点で、チケット駆動開発をモニタリングする立場だろう。
【4】では、チケット管理を支える体制では、この4種類の人達だけで十分なのか?
その他のロールはないのか?
あるいは、2種類や3種類の役割に減らしても、チケット管理は上手く回るのだろうか?
こういう疑問を数多く集めて、この主張をさらに強化したいと思う。
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