第7回Redmine.tokyoの感想 #redmineT
第7回Redmine.tokyo勉強会が無事に終わりました。
参加者の皆様、スッタフの皆様、ありがとうございました。
参加人数も60名近くと過去最高人数で、オープンディスカッションの議論も盛り上がりました。
第7回redmine.tokyo勉強会 - Togetterまとめ
【1】Redmineはキャズムを超えた
@sakaba37さんのLTにもありましたが、Redmineの普及度合いはキャズムを超えたと思います。
勉強会の議論を聞いてみると、Redmineはアーリーアダプターが使うものではなく、マジョリティが使うプロジェクト管理ツールになったように感じました。
つまり、ソフトウェアに関わる人達にとって、Redmineのようなチケット管理ツールは当たり前の開発環境である、と。
アンケート結果が興味深い。
Redmine勉強会の参加者の半分は初めての方。
Redmineの利用バージョンは、以前と比べて、最新版に近いものを使ってる。
但し、Ver1.xを使っている方もおられる。
本日のオープンディスカッションでは、サンデル教授の白熱教室のように、Redmineの質問を2択で参加者に挙手してもらい、それぞれの意見の理由を話してもらいました。
おそらくのべ15人の方が、自分の現場でのRedmineの運用方法を語ってくれたと思います。
本来は30個近い質問を用意していたものの、議論が白熱して、質問3個だけで終わってしまいました笑。
ゲーム業界でプログラマだけでなくデザイナーもいる開発チームの話、製造業のインフラ部隊での部門管理の話、少人数のソフトウェア開発チームの話、などが出てきました。
例えば、課題管理をExcelでやっていると、Excelファイルのパスを忘れてしまって更新しなくなる。
あるいは、上司に報告する時にExcelで出さないと話ができない、とか。
でも、Redmineのチケットに書かれた課題をExcelで生で出力しても、その内容は細かすぎて、上司に説明するには要約しなければ使い物にならない、とか、実際の実体験に基づいた話が多く出ました。
それぞれのチームの構成、プロジェクトの構成は、当然違います。
少人数のチームでスタートアップ企業にいる人もいれば、ゲーム業界の案件でも100人月近い大規模プロジェクトになってしまい、何らかのプロジェクト管理ツールが必要になっている人もいます。
それらの条件を合わせて議論しなければ正しい回答は出て来ないでしょうが、むしろ、皆の現場の生々しい話の方がとても興味深かった。
共感できる内容もあれば、そんな現場が未だにあるのか、とか、そんな運用をやっているなら次は真似てみよう、とか。
プロジェクト管理の技法は、大学のような教育の場できちんと教わった人はほとんどいないだろうから、皆、仕事で試行錯誤しながら、自分なりのノウハウをためている。
でも、そのノウハウは、アンチパターン名のようにきちんと名前付けして、他人に説明できるレベルまで抽象化されていない場合が多いので、誰にも共有されず、蛸壺みたいになっている。
今日のようなディスカッションで、皆の現場のノウハウが暗黙知から形式知または経験知へ抽象化されて、共有できるようにしたい。
そうすれば、もっと奥深い議論と、チケット駆動開発のあるべき姿が見えてくるだろう。
【2】勉強会で出た名言
今日の勉強会で、名言が2つある、とスタッフの方から教わった。
一つは、「周りがExcelをやめてくれない」。
この名言の発端は、オープンディスカッションで、Redmineのチケット管理の方がExcelよりもたくさんの利点があるのに、Excelの運用から離れられない人がいる、という話。
僕の経験では、20代の若手なら、プログラミングに疎くても、すぐにRedmineに馴染んでくれる。
Redmine運用の教育にそんなに頑張らなくても、たんぽぽみたいに自然広がる。
多分、ネットやスマフォに慣れているので、ユーザインタフェースにも違和感がないみたい。
しかし、40代以上の中年SEやPMは、なかなか馴染んでくれない。
彼らは自分の仕事のやり方を持っていて、そこから進化することができないみたい。
また、仕事を離れると、PCやスマフォと縁がない世界に行く人も多いから、元々ITリテラシもあまり高くなかったりする。
もう一つは、「プロジェクト管理に興味がある人はおっさんだけだ」。
この名言の背景は、Redmine勉強会に女性を増やしたいよね~という話が発端。
そもそも、Redmineを使いたい人は、プロジェクト管理に興味を持っている時が多い。
すると、そのような立場の人が多いわけで、どうしても女性が少なくなってしまうのでは、という推測がある。
【3】Redmineのようなチケット管理ツールの面白さ
僕の経験では、Redmineに興味をもつ人は、プログラマ上がりのプロジェクトリーダーが多いと思う。
僕自身もそうだったし、ソフトウェアでプロジェクト管理の諸問題を解決できる、というやり方がとても斬新だったから、Redmineにのめり込んだ。
懇親会でお話した人には、Redmineを実際に使ってみて、「バージョン」がとても重要な機能であることが初めて分かった、と聞いた。
彼いわく、「バージョン」はリリースのタイミングであり、バージョンに対し、その期日までに必要な作業をチケットで起票してこなしていく、と。
つまり。「バージョン」はイテレーションであり、チケット管理とはタイムボックスによるタスク管理なのだ、と。
僕もその感覚はよく分かる。
Redmineのバージョン、プロジェクト、チケット、カテゴリなどの機能を使ってみると、ああ、本来はこのように使ってプロジェクト管理すべきなのだ、と悟る。
その感覚がすごく気持ちいい。
ソフトウェア開発プロセスの諸問題を、Redmineでソフトウェア開発プロセスをどのように制御して、どのようにプロジェクト運営を安定させるか、へ置き換えることで、色んな発想が出てくる。
しかも、自分でRubyやRailsを操れるなら、もっとたくさん実験できる。
プロジェクト管理の経験が少なくても、チケット管理ツールで実験することで、場数を増やすことができる。
そんなことを思うと、時代は進んでいる。
過去の成功体験は、逆に足かせになるから、捨てた方がいい、と思う。
【4】他のスライドはコチラ。
RedmineのスマフォアプリRedminePMの国別ユーザ数では、日本、ロシア、ドイツ、韓国の順に多い。
「実際のRedmineユーザの傾向と似ている」という指摘が正しければ、Redmineは日本、ロシア、韓国など世界の東の方が使われているらしい。
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