オブジェクトはサーバーみたいなもの
OGISのオブジェクト広場に記載された丸山さんのインタビューを読むと、オブジェクト指向とネットワークの相性が良いという感想を持った。
やはり丸山さんのご関心はどちらかというとインフラに近いんですか?ネットワークが好きなんですよ。なぜかと言うと、これからはネットワークが一番の基本になるというのが僕の考えだからです。
コンピュータからネットワークへという大きなパラダイムシフトが進むだろうと考えているんです。
よくコンピュータサイエンスと言いますけれども、コンピュータは 20 世紀の技術で、これからはやはりネットワークの時代だと思います。
だから、ネットワーク上のオブジェクトを扱うプログラム言語みたいなものが出来てきたら面白いと思うんですよね。
僕が、あと 30 才か 40 才若かったら、そういうことをしたいですね。
インタビューを読むと、丸山さんはネットワークプログラミングからオブジェクト指向へ進んでいったことが分かる。
GUIアプリを作るとか、Smalltalk使いではなく、Webプログラミングからオブジェクト指向に進む方が、自然ではなかろうか?
何故なら、オブジェクトはサーバーみたいなものだから。
つまり、他のオブジェクトからリクエストを受け取り、オブジェクト内部で処理してレスポンスを返す。呼び出し側のオブジェクトは、その間ずっと待機している。
これはまさにイベントドリブンと同じ構造を持つ。イベントが発生するタイミングは、ブラウザの画面更新時に対応する。
そう考えると、メッセージパッシングをWebのRequestとResponseの操作のアナロジーと考えることもできる。
だから、そのアナロジーを発展させれば、Webの処理に時間がかかるなら処理オブジェクトそのものを切り出して生成&実行するProxyオブジェクトや、リクエストのパラメータに応じて処理を動的に変えるCommandオブジェクトが必然的に現れる。
オブジェクト指向の説明として、動物の鳴き声の例とか、手続き型プログラミングとの比較とか、給与計算の例とか色々あるけれど、Webという舞台装置による説明が一番しっくり来るのではないかと思う。
丁度、JavaがWebの爆発と共に発展していったのと同じように。
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