NHLは各チームが5~7試合ほどを残すのみとレギュラーシーズンの最終局面。この時点になっても東カンファレンスはプレーオフ進出チームがなかなか確定しません。8枠のうち首位のWashington Capitalsが早々に進出決定となったものの2位から9位までが僅差でいまだに2位ですらプレーオフの当選が決まらない状態です。この時点になってカンファレンス2位なのにプレーオフ出場を逃す可能性があるというのはさすがに異常な接戦と言えましょう。NHLのシーズンは全チーム82試合を戦う予定です。

個人的に注目しているのが現在圏外の9位Detroit Red Wings。Wingsは昨季まで24シーズン連続でプレーオフ進出継続中。これはアメスポ4大プロスポーツの中で最長の記録継続中。MLBやNFLはプレーオフへの出場チーム数が少ないですから直接比較して24シーズンが長いと誇るのもちょっと違うとは言え、それでも決してチーム力が破綻しないまま四半世紀を生き抜いたRed Wingsの安定した強さは評価して良いはず。NHLに限って言うとWingsの次に連続してプレーオフに進出しているのはPittsburgh Penguinsの9シーズン、Chicago Blackhawksの8シーズン、New York Rangersの5シーズンと、Red Wingsの記録は突出しているのです。東西合わせて16枠もあるのに30チーム中26チームは直近5年間に少なくとも一度はプレーオフを逃している中、Red Wingsだけは四半世紀も常に生き残っているのです。そのRed Wingsの連続プレーオフ進出が危機です。


NHL Standing 3-30-16
勝敗表をご覧ください。現在9位Red Wingsは勝点87、残り試合は5試合。8位となっているPhiladelphia Flyersは勝点89と勝点で2点Red Wingsをリードしている上に残り試合が1試合多い6試合。7位のNew York Islandersは勝点91でWingsを4点上回ってその上残し試合数も2試合多い。プレーオフ圏内8位Flyersと圏外9位Red Wingsは直接対決を残しているんですが、それにWingsが勝ってもFlyersはまだ自力でRed Wingsを上回ることができます。この2チームをRed Wingsが捉えるには残り試合が少ないだけにもう負けられないところではあります。

ところが実は9位のRed Wingsから見て一番捉えやすいのはその2チームではなく、6位にランクされているBoston Bruinsなのです。NHLの現行のプレーオフ争いは4つある地区ごとに最低3チームが出場できる仕組みになっており、そのためBostonは勝点が88とFlyersやIslandersを下回りながら6位としてランクされているのです。Bruinsの残り試合はRed Wingsと同じ5試合。その上レギュラーシーズンの最終戦ひとつ手前でDetroit@Bostonの直接対決が残っているので、Red WingsからみるとBostonは唯一Red Wingsが自力で抜くことのできる相手ということになるのです。4月7日のこの試合までこの両チームが脱落していなければOriginal 6のこの対戦がプレーオフの最後の1枠を争う大変な一戦になっているかもしれないし、Red Wingsの25季連続プレーオフを決定づける試合になるかもしれない。混戦なのでDetroit@Bostonの試合までに他のチームが転落してくるやもしれず先は読めないですが白熱の枠争いになることは必至の情勢となってきています。

Detroitの残り試合を見ると5試合のうち4試合が現在プレーオフ枠を争っている相手との試合。そしてまたスケジュールがいびつで、4月1日2日と連戦を強いられた後に3連休。その後正念場となる直接のプレーオフ争いの対8位Philadelphia Flyers戦がホームで4月6日、翌7日にアウェイで6位@Boston Bruins戦。一番大事なBruins戦が連戦の二日目、それも当日旅でのBoston入り。もう少し等間隔に開けたスケジュールであって欲しいような。もしDetroitがプレーオフにたどり着いたとしてもこのスケジュールとこの相手だとボロボロになってプレーオフ突入になってしまうんでしょうか。

NFLのNew England Patriot、NBAのSan Antonio Spursに並ぶアメスポの常勝軍団のシーズン最終局面での戦いに注目です。